【10月1日 AFP】ロシアのドミトリー・メドベージェフ(Dmitry Medvedev)前大統領は9月30日、ロシア大統領府(クレムリン、Kremlin)によるウクライナ東・南部4州の併合宣言から1年が経過したことに合わせ、さらなる領土拡大の可能性について言及した。

 ロシアは先月、4州で選挙を実施し、政権与党「統一ロシア」の勝利を発表したと主張。しかし、ウクライナ側が反転攻勢を強めていることもあり、いずれの地域も完全掌握には至っていない。

 ロシアの安全保障会議副議長を務めるメドベージェフ氏は、「特別軍事作戦はキーウのナチス政権を完全に追いやるまで続く」と述べ、「勝利はわれわれのものとなる。ロシアに併合される地域は増えるだろう」と続けた。

 ロシアは昨年9月、ドネツク(Donetsk)、ルガンスク(Lugansk)、ザポリージャ(Zaporizhzhia)、ヘルソン(Kherson)の併合を主張し、4州を「新たな地域」と呼んでいる。

 ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は9月30日の記念日に先立ち、併合は「祖国」との再統一のための現地住民による歴史的な選択だと演説した。(c)AFP

 

 

ロシア、併合・支配を既成事実化 プーチン氏「成果」誇示

2023/09/29

 ロシアが侵攻したウクライナ東部・南部4州の併合を一方的に宣言して30日で1年。領土奪還を目指すウクライナと戦闘が続く中、ロシアは9月の統一地方選に合わせ、4州の支配地で選挙を実施するなど、統合の既成事実化を推進する。プーチン大統領は来年3月の大統領選へ年内にも出馬を表明すると見込まれ、侵攻の成果として誇示する狙いとみられる。

 4州の支配地では選挙で地方議会が発足。首長も選出し、2014年にウクライナ東部で独立宣言した親ロ派の「ドネツク人民共和国」や「ルガンスク人民共和国」の両トップらが選ばれた。

 プーチン氏は28日、首長らとオンラインで会議を開き「新たな地域がわが大国に完全に加わる重要な一歩だ」と強調した。30日を「再統合の日」とする法律に署名した。

 モスクワの赤の広場では29日「一つの国、一つの家族、一つのロシア」と題した愛国心を鼓舞するイベントを開催。ペスコフ大統領報道官は29日、プーチン氏が30日に記念日を祝うビデオ声明を出すと述べた。(共同)

© 一般社団法人共同通信社