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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

安倍自民党総裁が内閣総理大臣の靖国神社公式参拝=憲法違反を「先取り」 首相になる資格なし

2012年10月18日 | 日本国憲法の先進性

 

 自民党の安倍晋三総裁が2012年10月17日夕刻、秋季例大祭が開かれている東京・九段の靖国神社を参拝しました。

 安倍氏は2006年~07年の首相在任中に靖国参拝を見送ったことについて、9月の総裁選では

「首相在任中に靖国参拝できなかったのは、私にとって痛恨の極みだ」

と発言し、今後、首相になった場合の参拝については

「この発言から、お酌み取りいただきたい」

と語っています。つまり、行くということですね。もっとも、安倍総裁はこの日の参拝後には記者団に

「日中、日韓関係がこういう状況で、 今、首相になったら参拝するかしないかは言わない方がいい」

と、前の総理大臣時代と同じようなことを言っています。日中・日韓を気にするのなら、そもそも参拝するなよと言いたくなるのですが。

 しかし、この人が、万が一内閣総理大臣になったときに、ここまで「期待」させておいて靖国神社に参拝しなかったら、それはそれで、支持基盤である右翼勢力から突き上げられるでしょうから、やはり公式参拝するのでしょう。これは本人も気づいているように、それでなくても揉めている中国や韓国との間の摩擦を激化させるのは必定です。

 さらに、なにより大事なことは、内閣総理大臣の靖国神社公式参拝は、中曽根首相の時も、小泉首相の時も、憲法違反であると裁判所に判断されていることです。以下のような数々の違憲判断を下した憲法判例があるのに、それを無視して安倍氏が憲法を蹂躙するつもりであることが問題なのです。


 まず、1985年(昭和60年)の中曽根首相の靖国神社参拝は、国費を使用して行われたため、1992年(平成4年)2月28日、福岡高等裁判所は、九州靖国神社公式参拝違憲訴訟で、公式参拝の継続が靖国神社への援助、助長、促進となり違憲であると判示しました。

 また、1992年(平成4年)7月30日には、大阪高等裁判所が、関西靖国公式参拝訴訟で、公式参拝は一般人に与える効果、影響、社会通念から考えると宗教的活動に該当し、違憲の疑いありと判示しています。

 1991年には岩手県議会が天皇や首相の靖国公式参拝を求める決議を上げた費用の返還を求める住民訴訟である岩手靖国訴訟で、「天皇や首相の公式参拝は違憲」という仙台高裁判決も確定しています。

 

 次に、2001年(平成13年)8月15日の小泉首相の靖国神社参拝も平成16年に福岡地裁が政教分離違反で違憲であると述べていますし、2005年(平成17年)9月30日の東京高裁判決では、①小泉首相の参拝は、首相就任前の公約の実行で、②小泉氏自身、参拝を私的なものと明言せず、公的立場での参拝を否定もせず、③その他参拝前後の発言などから参拝の動機、目的は政治的なものと指摘したうえで

「総理大臣の職務としてなされたもの」

「国が靖国神社を特別に支援し、他の宗教団体と異なるとの印象を与え、特定の宗教に対する助長、促進になると認められる」

と断じ、違憲であるとしています。

 なお、自治体の出費があったので住民訴訟で行けた岩手靖国訴訟を除くこれらの多くの裁判では、訴訟要件の関係から原告らが慰謝料を求めているのに対して(具体的事件でないと却下されてしまうから)、裁判所は原告らの精神的損害までは認めず請求棄却判決となっていますから、憲法判断は傍論でされていることが多いのですが、だからといって裁判所が違憲であると判断したことに変わりは全くありません。

 むしろ、判決の結論自体には直接関係なくとも、靖国公式参拝は違憲だと言わざるを得ない裁判所の危機感が表れていると評価されているのです。

佐藤栄作 中曽根康弘 小泉純一郎 石原慎太郎 橋下徹 悪政無答責・逃げ切りの系譜を断とう

 

 

 では、なぜ内閣総理大臣が肩書を記帳したり公費を使って、靖国神社に公式参拝することが憲法違反なのでしょうか。

 そもそも、信教の自由・政教分離の原則を定めた日本国憲法第20条は、第1項で

「いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない」

と規定し、3項で

「国及びその機関は…いかなる宗教的活動もしてはならない」

と明記しています。さらに、財政面からは89条で

「公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便益若しくは維持のため・・・これを支出し、又はその利用に供してはならない」

とさらにダメ押しで規定しているのです。

 これらの政教分離条項は、諸外国に比べてはるかに詳細な規定になっています。それは、戦前の国家神道体制が国内での人権侵害や、国外での日本の侵略戦争や植民地支配を生んだという反省に基づいています。

 そもそも明治政府は徳川幕府を打倒するため、そして、その後の富国強兵を進めるために、天皇を神格化して徹底利用しました。天皇は神社神道で最高神とされる天照大神の子孫であるとして、現人神(あらひとがみ)とされました。

 そして、大日本帝国憲法では「大日本帝国ハ万世一系ノ天皇之ヲ統治ス」と規定され、天皇は絶対不可侵とされ、統治権を総攬(そうらん)し、軍隊を動かす統帥権も持つとされ、他方、帝国議会は天皇の協賛機関であり、内閣は天皇を輔弼(ほひつ=手伝うこと)するものでしかありませんでした。

 その反面、国民は天皇の家来である「臣民」とされ、人権規定もあるにはありましたが、それは議会が制定する法の範囲内でしか保障されなかったのです。

 このように天皇を絶対化・神格化し、神社神道を国教化する国家神道体制のもとでは、有名な廃仏毀釈により仏教でさえ迫害され、他の宗教は押し並べて弾圧されました。天照ではなく大国主命(おおくにぬしのみこと)を祭神とするだけで他の神道さえ迫害されたのです。

 その結果、たとえば植民地とされた朝鮮半島で多かったキリスト教信仰も許されなかったように、神社参拝が内外で強要されました。

 このように国家神道が人権侵害の元となり、信教の自由・思想良心の自由・表現の自由などが踏みにじられていたことで、国民は戦争に反対できず、それが戦争を可能にしました。

 さらに、国家神道からくる「神国」「神風」だの「八紘一宇」だのという考え方が侵略戦争推進の精神的支柱となっていたことへの反省にたって、二度と戦争が起こせないように政教分離原則が憲法に規定されたために、上記のような詳細な規定となったのです。

(靖国神社内の遊就館に陳列された第二次世界大戦の遺物たち。だいたい、兵器を展示する宗教施設なんて恐ろしくないですか)



 そして、戦前、靖国神社は陸軍省・海軍省所管の軍事的宗教施設でした。「教育勅語」「軍人勅諭」等によって、天皇の命令で「名誉の戦死」をとげ、「英として靖国神社に祀られることが最高の美徳とされました。国民を動員して戦争を可能にする必須のアイテムが靖国神社でした。

 戦後、靖国神社は民間の一宗教法人になりましたが、靖国神社という特定の宗教施設に、国民を代表する首相という「公的機関」が、参拝という「宗教的活動」をおこなうこと、参拝料を公費から「支出」することは、すべて国による一宗教団体の特別扱いにほかならず、政教分離の原則を定めた憲法に反することは明らかなのです。

 安倍氏は参拝後、記者団に今回の参拝の意味について

「国のために命をささげた英霊に対し党総裁として尊崇(そんすう)の念を表するため」

と理由を説明しています。 

 こういう人たちを「靖国派」というのですが、頭の中は戦前の国家神道体制のままなのです。

 靖国神社の境内には上記の写真のような遊就館という施設があり、戦争と天皇を賛美する展示品が並べられています。これらの展示物を見ると明らかに今も軍国主義を讃える宗教法人であることがわかります。

 さらに、1978年には、靖国神社で、侵略戦争の直接の責任者のA級戦犯がこっそりと合祀(ごうし=一緒にまつられること)されました。

 他方、靖国神社には大空襲で亡くなった方も、原爆投下で亡くなった方も、およそ戦争で亡くなった一般人の方々は祀られていません。自分たちの先祖、先輩に対して尊敬の念を持つこと自体は良いことですが、A級戦犯14人とともに、軍人として戦争で死んだ人だけを特別扱いして神様として祀るのは異常なことに、彼らは気付いていません。

 それが、軍国主義の表れなのです。

 戦争放棄を定めた憲法9条の改悪を宣言している安倍氏らが靖国神社公式参拝にこだわることは、すなわち、過去の侵略戦争を肯定することです。そして、それは過去の礼賛にとどまるものではなく、日本の平和な未来を危うくするのです。

安倍晋三自民党新総裁誕生 暗黒の騎士(岸)再び

 

 

まさかすぐに靖国神社に行くとはあきれました。

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自民安倍総裁が靖国神社参拝 「公約」先取り実行

2012.10.17 18:41 安倍晋三]産経新聞
参拝を終えて靖国神社を出る安倍総裁=17日午後、東京都千代田区(桐原正道撮影)

参拝を終えて靖国神社を出る安倍総裁=17日午後、東京都千代田区(桐原正道撮影)

 自民党の安倍晋三総裁は17日、秋季例大祭が行われている東京・九段北の靖国神社を参拝した。安倍氏は自民党総裁選で首相に就任した場合は例大祭などでの参拝に意欲を示しており、政権奪還前に“公約”を先取りして実行した形だ。

  安倍氏は午後5時2分、モーニング姿で靖国神社の到着殿前に党の公用車で到着。「自民党総裁 安倍晋三」と記帳し、玉串料は私費から納めた。参拝後、記者 団に「国民のために命をささげた方々に自民党総裁として尊(そん)崇(すう)の念を表するため参拝した」と述べた。一方で「首相になったら参拝するしない は申し上げない方がいい」と明言を避けた。

 安倍氏は平成5年に衆院議員に初当選して以来、幹事長や官房長官在任時も参拝していた。ただ、首相在任中(平成18年9月~19年9月)は「参拝したかしないかは言わない」との方針をとった。

 中韓両国との外交関係を改善するためで、改善後に再開する意向だったが、参拝前に体調不良で首相を辞任。9月の党総裁選の記者会見では「首相在任中に参拝できなかったのは痛恨の極み」と述べ、首相に就任した場合には参拝する考えを示唆していた。

 現職首相の靖国神社参拝は、小泉純一郎元首相が平成18年8月15日に行って以降、途絶えている。野田佳彦首相は昨年9月の内閣発足時に首相と閣僚の公式参拝を自粛すると決定し、参拝していない。

 

 

毎日新聞 2012年10月17日 20時21分(最終更新 10月17日 20時35分)

靖国神社を参拝した安倍晋三自民党総裁=東京都千代田区で2012年10月17日、山本晋撮影
靖国神社を参拝した安倍晋三自民党総裁=東京都千代田区で2012年10月17日、山本晋撮影

 自民党の安倍晋三総裁は17日、東京・九段北の靖国神社を秋季例大祭の初日にあわせて参拝した。安倍氏 はこれまで、再び首相に就任した場合は参拝する意向を示唆していたが、参拝後、記者団に「日中、日韓関係がこういう(領土問題などで緊張する)状況で、 今、首相になったら参拝するかしないかは言わない方がいい」と明言を避けた。

 安倍氏の総裁在任中の参拝は、06~07年の前回就任時も含めて初めて。安倍氏は、参拝理由について、 記者団に「国のために命をささげた英霊に、自民党総裁として尊崇の念を表するために参拝した」と説明。中韓両国からの反発が予想されることについては「ど の国でも行っていることだ」と理解を求めた。

 安倍氏は、06~07年の首相在任中、中韓との関係に配慮して、靖国参拝について「行くとも行かないと も言わない」あいまい戦略をとり、参拝を見送った。安倍氏は今月9日の党会合などで「首相任期中に参拝できなかったのは痛恨の極みで、くみ取ってほしい」 と述べ、首相復帰時の参拝に含みを残していた。【佐藤丈一】

 

 

「歴史問題の約束順守を」=安倍総裁の靖国参拝-中国外務省

 【北京時事】新華社電によると、中国外務省の洪磊・副報道局長は17日、自民党の安倍晋三総裁が靖国神社を参拝したことについて「日本は歴史問題におけるこれまでの態度表明や約束を順守し、責任を持って問題を処理すべきだ」との談話を発表した。
 洪副局長は「靖国神社問題は日本が軍国主義による侵略の歴史を正しく認識し、対応できるかどうかに関わり、中国を含む被害国の人たちの感情にも及ぶ問題だ」と指摘した。
 中国側は、安倍氏が首相在任中に靖国神社を参拝しなかったことを踏まえ、再び自民党総裁となった安倍氏が次の首相になる可能性も念頭に置いて、その行動をけん制したものとみられる。
 また、国営新華社通信は「日本の右傾化、軍国主義復活という国際社会の心配は決して杞憂(きゆう)ではない」と強い警戒感を示す論評を配信した。
 論評は、首相経験者の安倍氏が「靖国参拝の政治、外交上の敏感さを知らないはずがない」にもかかわらず、「日本のアジア外交が四面楚歌(そか)の状態に陥っている」ときに、「挑発的な態度で参拝した」と非難した。 (時事通信 2012/10/17-21:56)

 


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16 コメント

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大正生まれの人たちは (N.O.)
2013-08-19 22:32:18
私が知っている大正生まれの人たちは、「政府にだまされて戦争に協力してしまった」と憤慨している人が多数派で、それ以外の人たちは親がインテリで間違った戦争だと知っていたけれども密告が怖くて何も言えなかったという人たちですね。
国民の圧倒的多数の戦争熱って、どこにあったのですか?
返信する
一つだけ決定的に誤り (GEN)
2013-08-18 23:42:52
まあこの件で議論すると大変なんで一つだけ指摘
思想的な部分はそれぞれ違うし、
多分どこまでいっても平行性だからいいや

>国家神道が人権侵害の元となり、信教の自由・思想良心の自由・表現の自由などが踏みにじられていたことで、国民は戦争に反対できず、それが戦争を可能にしました

ここは決定的に間違っています。
「国民は戦争に反対できずに」というのは間違いです
GHQによる洗脳とかいう人もいますが、
洗脳というより自分に都合がいいように記憶を捏造していますね


戦前に国民の圧倒的多数が戦争を煽りました。
その結果、マスコミは好戦的な記事を書き続け、
世論の後押しを受け中国侵略に軍部は突っ走りました。
戦争反対だった人は少数いるけど、
国家神道とか全然関係なく、
周囲の戦争熱の前に反対の声をあげられませんでした

戦前、戦中派で国家神道の強制で反対できなかったなんていってる人いませんよ。そんなこと言ってるのは、昭和一桁生まれの元軍国少年ぐらいじゃないですか?いい大人だった人はそんな恥ずかしいこといいませんよ。少なくとも、私の知っている大正生まれにそんな恥知らずはいない。
返信する
昭和天皇は死刑にするべきだった (山の手)
2013-08-18 13:06:38
右翼は靖国を英雄扱いにしたがりますが、
A級戦犯、B級戦犯は犯罪者。
他の人達はこの国の犠牲者です。

旧市ヶ谷駐屯地「現防衛省」に、
犯罪者昭和天皇、東條の輩達が居る事を、
アメリカはしっていたのだから、
広島、長崎ではなく旧市ヶ谷駐屯地に、
めがけて原爆を落とせば戦争はすぐに終わったはず、
そして広島、長崎の人に迷惑がかからなかった。

いつも犠牲になるのは名も無き一般人、
恥を知れ!天皇家とA級戦犯とB級戦犯の犯罪者の輩どもよ!
天皇家とA級戦犯B級戦犯のその子孫の家族の輩は恥を知れ!
今から命で責任を取るべきだ!

総員玉砕せよ  著者  水木しげる

散った戦友に 今も夢に

「パチパチ毎日殴られた」

昨年11月、千代田区の帝国ホテルで、
水木しげる88歳の「画業60周年を祝い、皆様に感謝する会」が開かれ、
ファンの作家や評論家が300人が集まった。
舞台に立った水木は、
これまでの漫画家人生を振り返っての感想を求められると、
やや唐突に言った。
「一番こたえたのは戦争ですわ。生きるか死ぬかの経験をしましたから」

戦時の思い出をひとしきり語ると、
「つい、戦争の話になってしまった」とつぶやき、笑いを誘った。
水木を3年にわたって密着取材し、
評伝を出版したことのあるノンフィクション作家足立倫行62歳は、
不思議な気持ちで眺めていた。

「ガキ大将だった少年時代も、
戦後の貧困生活も十分ドラマチックなはずなのに全然触れず、
戦争体験だけを語った。
まるで戦争だけが肥大した記憶として残ったかのように」

「ゲゲゲの鬼太郎」などで人気妖怪漫画家は、
1942年(昭和17年)に徴兵検査を受け、
翌1943年、南方の激戦地
ニューブリンテン島・ラバウル行きを命じられた。
当時21歳。階級が1番下の二等兵だった。

戦後、数々の著作で戦争体験を期した。
1994年に刊行された「水木しげるのラバウル戦記」は、
絵と文字で日々の出来事を詳細に記録した1冊だ。
「(頼りない兵隊)だったな。あるいは”バカ”だったかもしれない」
マイペースな水木はほぼ毎日上官から殴られ、
理不尽な扱いを受けた。
ニヤニヤしたとか、歩くのが遅いとか、
殴られる理由はいくらでもあった。

最前線で約10人の部隊。
露営から数十メートル離れた海岸で歩哨に立ち、
海を見張っていた。
パラパラと小銃の音がしたかと思うと、
海面に水煙が上がった。
狙われてると知り、
「陛下にいただいた銃」を捨てて逃げた。
海で泳いだり、陸地に上がったりして軍靴はボロボロ。
数日後、海軍の基地にたどり着いた。
1人だけ助かったのだが、
水木は中隊長から思わぬ叱責を受ける。
「何でお前だけ死なずに生き帰ったんだ」
「ラバウル戦記」で次のように回想する。

「体は疲れてフラフラだったが、
一日の休養もくれない。
中隊長も軍隊も理解できなくなり、
同時に激しい怒りがこみ上げてきた」

嘘無感ばかりの毎日。
ある日、マラリアによる高熱で動けなくなっている時に爆撃を受け、
左腕をうしなってしまう。
血はバケツ一杯ほどでたという。
軍医が麻酔なしで腕の肉と骨を切り、
出血多量で気を失った。
「マラリアが再発したらおしまい」と言われたが、
奇跡的に一命ををとりとめた。
そして、負傷兵を収容作戦によって多くの若者が散った場所。
英雄的な死ばかりではない。
自決したり、ワニに食われたり、
魚がのどに詰まって窒息死する者もいた。
「ラバウル戦記」にはこうある。

「人の生き死にほど不平等なものはない。
特に、戦死したものとそうでないものの差、
これほど大きいものはない」

帝国ホテルで「感謝する会」から
約1週間が過ぎた昨年12月、
足立と再会した水木は語った、と言う。

「若くして死んでいった連中の夢を、毎日のように見るんです」
どんな夢なのか。
今、戦争を知らない世代に伝えたいことはー。
それを知りたくて、
「戦後世代にメッセージを」と求めて尋ねたが、
会話があちこちに脱線する。
時折、水木は目を閉じるようになった。
眠っているのかもしれない。
そろそろ記者が席を立ちかけた時、ぽつりと言った。

「無理に戦争を体験する必要もないですよ。
戦争というのは、パチッと殴られたようなもんですからな」

2010年の読売新聞から。

戦争体験した人間の重い言葉ですよね。

右翼の輩は旧日本軍が何1つ悪いことをしていないと嘘をつき、
戦争を美化しよとするとんでもない奴らが数多く存在します。

8月15日は終戦記念日ではなく日本が戦争に負けた日、
敗戦記念日です。
返信する
なぜ安倍信者は↑ (ray)
2013-02-21 21:43:14
ブログの一番上にコメントする際の注意が書いているのに、それさえ読まないでコメントするのでしょうか?

上のように品性下劣なコメントのほとんどがハンドルネームなしで、Unknownと表示されるものです。

「英霊」や「先人」も、後進のこの知的退化ぶりを嘆いておられるのではないでしょうか。

今回はサンプルで掲載しましたが、ハンドルネームのないもの、品がないもの、人を不愉快にするものは削除し続けますので、よろしくお願いいたします。
返信する
Unknown (Unknown)
2013-02-21 21:18:43
日本国、ましてや特亜のためにも戦って命を捧げた英霊たちを、戦犯だと騒ぐのは歴史を捻じ曲げた朝鮮民族やシナどもだろが。正しい歴史を知ろうとしない、思考停止した左翼に毒された日本人か?日教組に嘘の歴史を刷り込まれた被害者か?
日本の今があるのは、間違いなく命を捧げた英霊たちや先人のおかげ。
その人々を偲び敬うのは当然のこと。
返信する
当たり前 (桜木)
2013-02-12 12:36:35
参拝するのは当たり前、外国が文句言うことが内政干渉というか、失礼!!新聞、テレビはそれに加担している。煽っている責任は重い、
返信する
内容はともかく (風太郎)
2013-01-04 12:01:36
首相になる資格があるかどうかはあなたが決めることではない。
返信する
あなたは、GHQに洗脳されている。自分の頭で考えよ。 ()
2012-10-20 18:39:01
回天の展示してある大展示室は、撮影禁止なのだが。
返信する
英霊にも罪は有る (kei)
2012-10-19 21:58:28
英霊だから何でも許されるのでしょうか?
シビリアンコントロールが出来なかった=英霊になりたかった一部の軍人が暴発したということです。
彼等の合言葉は「靖国で会おう」ですから。
上記コメにも有る通り、戦争を厭わない人種がいつの時代にも一定数は居り、まるで自分こそマトモであるかのように非戦派を批難します。
そのDNAは英霊崇拝から来ているのです。
上記コメの方だって、もしバイトじゃなく本気なのだとすれば、愚かな表現方法では有りますが日本を愛してはいるのでしょう。
でも、愛しているから全てが許されるとでも?
戦争を起こすのは彼等のような愛国主義者達です。結果弱者である子供が一番犠牲になります。
私の叔父・叔母も終戦の年に生まれて亡くなっています。
栄養失調でした。
中国の「愛国無罪」も日本の靖国崇拝も私には過去の戦争から何も学習しない野蛮人の感傷論にしか思えません。もしくはシオニストの洗脳商法に引っ掛かったカモとしか。
まずは自国の過去を反省してから国交を正常に保ち、その上で相手国国に意見しないと、相手は聞く耳など持つわけが無いでしょうね。
返信する
靖国に祀るのは (英霊たちへ)
2012-10-19 21:02:57
後で読み直すと、文章におかしいところがあり、誤解を招くかもしれないので、追記します。

日米戦の要因となったのは、明治憲法の不備、中共などの罠により、ドロ沼になった日中戦というところ。
(ちなみに、アメリカは、和平交渉の裏で、米国軍需産業は、国民党軍、日本軍両方に武器を売り、日中戦を激化させていました。)

靖国に祀るのは、戦争で亡くなり、英霊となった日本兵だけでなく、日本軍と闘い、亡くなった方達も祀った方がいいということです。
国籍の違いなく受け入れる寛容性が、本当の神道精神であり、本当の日本人の精神だと思うから。
ただ、信仰の違いや、相手の方に失礼であったり、遺族の反対があれば、祀らない方がいいでしょう。


嶺さんの反貧困、格差反対、軍国主義復活反対には、賛同しますが、
戦争を望む保守は少なく、靖国に参拝するからと言って、軍国主義を復活させたいわけではありません。
そう思って参拝するのは、よほど民族主義で、自国の事しか考えていない偏狭な右翼でしょう。

ただ、意見の違いにも関わらず、私のような保守(というか、嶺さんから見れば右寄りか、右翼?)
反論コメントを削除せず、アップする度量と寛容性には、敬服します。
返信する
反論するとすれば長くなりますが (英霊たちへ)
2012-10-19 18:09:23
反論しようとすれば、長くなるので、短く止めるつもりですが。
嶺さんのような、左寄りのブログにお邪魔してごめんなさいm(_ _)m

黄禍論については、分かるだろうと思って、一発変換出来なかったので、カタカナ表記のままでした。申し訳ない(^_^;

戦没者慰霊については、靖国以外のところにも、行くべきです。
わざわざ靖国神社に行くのは、靖国で英霊となっていると信じている信仰があるからで、軍国主義復活させたい為ではないです。

神道=軍国主義とするのは、国家に利用されてきた為で、神道自体が悪いわけではないでしょう。
日本の歴史を見れば、神道自体は平和主義で、仏教、儒教と共存してき、他宗教についても寛容でした。

しかし、明治政府の国家神道が日本人のナショナリズム形成の為に使いました。
その為、創価学会以上の信徒数だった大本教は、神道でありながら弾圧されました。

日本政府として、日米戦争を避ける努力をしてきたのは、数々、証拠が残っています。
陸軍の日中戦を止められなかったのは、帝国憲法の不備で、シビリアンコントロール出来なかった為に、(中共やKGBにのせられたのもあるが)ドロ沼に嵌り、東條により、止めようとしたというのもあります。しかし、日米戦の要因となったのは間違いないでしょう。

個人的には、首相として、靖国参拝はやめておいた方がいいとは思うものの、韓国、中国許すまじの 保守層、右寄りの人達は、溜飲を下げるでしょうが。

個人的には、日本と闘って亡くなった方も祀るのが、いいと思ってます。信仰の関係で遺族の方が嫌がるでしょうが。

色んなことを知ってるんだぞと誇示に見えたら、残念ですが、日本だけが悪いとする史観には、疑問を持たざるを得ないので、色々書きました。

私から見れば、日本の左派は、中共、韓国などに利用されているように見え、何故、中国のチベット、ウイグル、南モンゴルなどでの残虐さは、書かないのかと疑問に思ってしまいます。
返信する
↑ だったらなぜ (浪速姫)
2012-10-19 16:16:49
 千鳥が淵戦没者霊園に行かないのかな?

 東南アジアに放置された兵卒の遺骨を収拾しないのかな? 戦後67年も経っているのに。

 いろいろなことを知ってるぞと誇示したいんだろうが、
まずは17世紀以降の領域主権国家のレーゾン・デートル (raison d'tre 存在理由。存在価値。)は国家利益(national interest)の追求であることを学んでおこう。

 絶対王政下で明確化され整備された国家機関(国税・官僚・常備軍)は「市民革命」によって議会をよりどころとして産業資本家が掌握、彼らが牽引した「産業革命」の
結果、原料供給地・商品の市場として、19世紀に入って資本の輸出先として植民地が求められた。いわゆる「帝国主義」の時代。
 そうした海外進出は如何に強大であれ資本家個々の活動として行い得ることではない。かれらは政権を握ることでそうした対外進出・植民地支配を「国家の行為」としてなさしめた。
 もちろんそこで得た利益は「国民の利益(national
interest)]と喧伝された。

 そして当然、各国家の利害は衝突する。第一次世界大戦はまずもって「植民地の再分割」のためであり、「国益のため」の名分のもと、国民は動員された。

 参戦国のどれが「戦争は嫌だけれどやむを得ず」参戦したというのか? 口ではそう言っていても。

 むしろどの政府も参戦を「国益」獲得の機会ととらえていた。 日本がヨーロッパが主戦場になった戦争に「日英同盟」のよしみで参戦し、ドイツが山東半島に持っていた植民地を占領したのは「嫌だけれども止むを得ず」と言えるのか? 「バスに乗り遅れ」ないようにしたのである。

 「戦争反対世論が占める米国民」<
 アメリカ国民が平和主義者・反戦論者であったわけではない。自国と関わらぬと思った地域での戦争に自分たちが払った税金が、家族が投入されることに反対だっただけである。すなわち得にならぬことに金を使うなというだけのこと。

日米戦になって、日本国民が溜飲を下げたのは、アメリカの日本に対する数々の仕打ちがあったからなのだ。
アメリカは何故戦争を数々起こすのか、それは、政治のバックの軍需産業、ユダヤ金融、アングロサクソン勢力などがあり、正義の戦争と称して、それらを栄えさせる為というのが大きい。

 「日本人はコウカ論で、恐れられた。有色人種で、白色人種に支配されず、戦った国民として。」<

「コウカ論」は「黄禍論」ときっちり表記しよう。カタカナじゃ意味が通じない。効果?高価?硬化?工科? 硬貨?降下? 校歌?…… 日本人を恐れて日本をやっつけようとしたなら、それは「自衛」の戦いになる。「嫌だけれども仕方なくしたこと」と。

「日本の為、アジアの為と信じて亡くなった人達を弔う伝統を大切にしたい。 」<
 戦争賛美の「蓮国神社」への公式参拝が唯一それに当たる行為というのだろうか。

 死者を悼むという人間的感情を、軍国主義への道再開のために利用することこそ死者への冒涜である。




 
 

 

 
 

 「自国の利益獲得・確保」のための政府の行為に国民も賛同したのである。1部に反戦論があったとしても。

「戦争は忌むべきものだ。しかし、戦争をしたくて、したわけではない。」<
ノン ノン 政府が戦争をしたくてしたのです。

 

 

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戦争は忌むべきもの (英霊たちへ)
2012-10-19 12:19:24
しかし、国の為に亡くなった人を英霊として悼むのは、美徳だ。
中共、KGBの罠に嵌り、中国戦争のドロ沼にハマった。
中国人がアメリカで力をつけた為に、アメリカ人は勤勉な日本人を恐れ、排日棄民法により排斥した。日本人の反米感情は高まった。
補給路として、要衝地である満州をソ連にとられる危険性から、満州事変が起き、石原莞爾に続けと下克上の陸軍となり、中共の罠に嵌って、国民党軍と日本陸軍のドロ沼の日中戦となった。
蒋介石はアメリカでのロビー活動に成功し、アメリカの反日感情は高まった。
ABCD包囲網にて、日本が戦争に向かわざるを得なくした。陸軍を抑え、戦争を避ける為に、東條を首相とし、戦争回避の努力をしたがそれも虚しく、対日強硬策は収まることはなかった。
ヨーロッパ戦線に入り、アメリカの時代到来とする為、戦争反対世論が占める米国民を納得させる方策として、日本を追い詰め、日本から戦争を仕掛けさせるのが得策であった。
日米戦になって、日本国民が溜飲を下げたのは、アメリカの日本に対する数々の仕打ちがあったからなのだ。
アメリカは何故戦争を数々起こすのか、それは、政治のバックの軍需産業、ユダヤ金融、アングロサクソン勢力などがあり、正義の戦争と称して、それらを栄えさせる為というのが大きい。
日本人はコウカ論で、恐れられた。有色人種で、白色人種に支配されず、戦った国民として。
戦争は忌むべきものだ。しかし、戦争をしたくて、したわけではない。
日本の為、アジアの為と信じて亡くなった人達を弔う伝統を大切にしたい。
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↑確かに「どうしようもないですね」 (浪速姫)
2012-10-19 05:09:32
ray先生のおっしゃる通り。

 「靖国神社参拝して悪いんか、参拝しない奴らは非国民」から「シナ人&チョーセン人日本を舐めるな、いつでも戦うぞ!」への唐突な飛躍はとりわけ嗤わせます。

 瑣末なことながら「人を馬鹿にする」という意味の「なめる」は「蔑(なみ)する」が原形と考えられます。「馬鹿にする」を「 舌の先でなでるように触れる」という意味の「舐める」だと考えているとすればそれこそ気色悪い。

 本題に戻って、遊就館のみならず境内の灯籠には明治以降の戦争の「勇敢なる水兵」「爆弾3勇士」的なレリーフがいっぱい。それだけを見ても軍国主義称揚が分かります。(傍らのホテルに泊まったとき見に行ったのですが。) レリーフは戦前のものだと思いますけれど、敗戦後GHQがあった時期には隠していたのでしょうか。
 
 commando氏、果たして靖国神社に参拝したことがあるんですかね。多分場所も知らない感じです。 

 当然千鳥が淵戦没者霊園も知らないでしょうね。 靖国からそれほど離れていないのですが。

 阿部氏は千鳥が淵の方には行ったのかな?
 平河町の自民党本部から近い方の靖国神社にしたなんて言ってるのではないでしょうね。

 「靖国神社」は戦争で亡くなった人々―戦没者全員の異例のためというイメージが持たれがちですが、今回の記事に「、靖国神社には大空襲で亡くなった方も、原爆投下で亡くなった方も、およそ戦争で亡くなった一般人の方々は祀られていません。自分たちの先祖、先輩に対して尊敬の念を持つこと自体は良いことですが、A級戦犯14人とともに、軍人として戦争で死んだ人だけを特別扱いして神様として祀る」ところなのです。

明治期、国家神道」形成のための廃仏毀釈・神社合祀令の強行は、地域の伝統文化を、共同体を解体していきました。「強兵策」において兵士は地域の共同体から切り離された、天皇のため「滅私奉公」すべき「人材」でなければならなかったからです。 国家神道は何らかの教義を持った「宗教」ではなく「天皇制ファシズム」の補完物でしかないのです。「靖国神社」は「神社」ということばを用いることで人々の共同意識となる宗教を装い、民間信仰における素朴な敬神の感情を利用したのです。

 そして現在においてはそれを逆手にとって、宗教法人という、国家とは関わりのない組織と称し、「だから誰が参拝してもよい、首相・閣僚、政治家がその立場として参拝してもよい。『信教の自由』は憲法でも認められている。」と主張できる立場をとったのです。

 問題は「公式参拝」ということです。為政者がその為政者の立場として特定の「宗教」施設を訪れることは「政教分離」の原則に反していることは言うまでもなく、ましてその対象が日本国民を、他国民を「戦争の惨禍」の只中に陥れた軍人であるにおいておや。

 中国や朝鮮の人々だけではない、自国民をもです。戦禍の犠牲者としてのみならず侵略のための「捨て駒」―赤紙一枚で徴兵された「兵隊」として……。

 「靖国神社」を否定するのは、時に玉砕をさえ強いられた一般兵士を悼むことの否定ではありません。自国民を含め諸国民を戦争の惨禍によって苦しめた「国策」、それを賛美する者たちの否定なのです。
 

 

 

 
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↑ネットウヨクのサンプルです (ray)
2012-10-19 01:20:18
どうしようもないですね。
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靖国神社参拝しよ~ (commando)
2012-10-18 21:53:27
靖国神社参拝して悪いんか、参拝しない奴らは非国民、シナ人&チョーセン人日本を舐めるな、いつでも戦うぞ!
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