Everyone says I love you !

毎日、泣いて笑って喜んで哀しんでる、かなりラテンの血の濃い、そんな宮武嶺のエブリワンブログです!

【鬼のいる間に放水決定】新型コロナまん延にまぎれて菅政権が放射能汚染水の海洋放出を決定。被害が風評被害だけで健康被害はないとはだれにも断言できない。他の手段を尽くせ!

2021年04月20日 | 福島原発事故

原発事故の「主犯」の一人、「ミスターアンダーコントロール」安倍前首相が原発新設のための議連の名誉会長になったのも許せませんね。

これからもぜひ毎日一回、上下ともクリックしてくださると大変うれしいです!!!

にほんブログ村 政治ブログへにほんブログ村


社会・経済ニュースランキング

 

 

 2011年3月11日の福島原発事故でメルトダウンした原子炉を冷やす冷却水と、流れ込んだ地下水が合わさって生じる大量の放射能汚染水。

 その汚染水の中の一部の放射性物質を取り除いて貯蔵しているタンクが増え続けている姿は、原発が一度事故を起こしたら取り返しがつかないという事実の象徴です。

 この放射能汚染水をもう一度ALPSで処理して放射性物質はトリチウムだけにして、2023年から太平洋に3~40年間放水し続けると、2021年4月13日に菅政権が発表しました。

 第一に、もう一度処理したら放射性物質はトリチウムだけになるという保証はどこにもありません。

 第二に、トリチウムを希釈すれば、海洋での生物濃縮などによる放射線被害が本当に出ないのかは、実際には誰にもわかりません。

 

 そもそも、海洋の放水するしか方法はないのでしょうか。

 今のタンクの数を前提にすれば確かにタンクはいっぱいになろうとしていますが、福島第一原発のそばには第二原発があります。

 私は原発事故から一年後の2012年3月12日に

がれき処理問題の解決策はある!福島第2原発、女川ほか東日本太平洋沿岸の原発敷地を使おう!

という記事をすでに書いたのですが、これはがれき処理だけではなく、汚染水の貯蔵にも有効な方法で、専門家の中には同じ提案をしている人もいます。

 その廃炉をも決断できれば、福島第二原発の敷地にまたタンクを増設することができるのです。

 他にもまだまだ代案はあるそうです。

 要は政府にやる気がない!

 

 これは単なる先延ばしではありません。

 トリチウムの半減期はたった12年。すでに放射する放射線量は半分になろうとしています。

 ここからさらに時間を稼げば、トリチウムの放射線はどんどん減るのですから、できるだけ海洋に放出するのを後にすべきなのは当然です。

 菅政権の計画では、福島第一原発から出ていたトリチウムの10年分に匹敵する量を3~40年間も放出するというのですから言語道断。もちろん海水で希釈してもトリチウムの総量は変わらないので誤魔化しにすぎません。

 そして、東京電力が百万回、トリチウムしか残っていないといったとしても、新潟の柏崎原発でとうとう原子力規制委員会から操業禁止処分を受けたほどの嘘を今でもついている会社を、誰が信用できるでしょうか。

 

 ところで麻生副総理は、トリチウムのみが残る「処理水」は安全で飲める水だと言い切り、市民や周辺諸国から

「じゃあお前がまず飲め」

と総ツッコミを受けました。

 さらに中国の広報部に

「太平洋は日本の下水道ではない」

と言われて、

「じゃあ中国の下水なのか」

と反論したそうですが、そうじゃなくて、全世界の共有財産だということなのです。

 太平洋を日本の不始末で汚すのは極力避けるべきだという、日本の倫理観が求められています。

正直コロナ禍でなければ、放射能汚染水だろうが「処理水」だろうが太平洋に放出するなんてこと、市民はもっと敏感に反応できたと思います。

菅政権は自分でコロナ禍を拡大しておいてそれを汚染水放出に利用したも同然です。

しかも、その水は大阪湾でも流してくれていいと、大阪府民に断りもなく申し出る吉村府知事と松井市長。

自民も維新も放射性物質と同じくらい有害な代物です。

これからもぜひ一日一回、上下ともクリックしてくださると大変うれしいです!!!

 第1は、今回処分を検討されているものが、通常炉と異なり事故炉から排出された汚染水を処理したトリチウム水であるという問題である。

 

拡大細野豪志氏

 2019年11月17日、衆議院議員の細野豪志氏が『福島原発処理水の海洋放出を決断する時だ-福島に寄り添い、差別とは断固として戦う-』と題する論考を論座にて公開し話題となった。トリチウムの科学的な性質、WHOの定める安全基準、通常炉である原子力発電所からはトリチウムが常時排出されていることを示し、海洋放出という処分方法は理にかなっているというものである。

 

 たしかに、通常運転をしている原子炉からトリチウム水は排出されており、世界を見ると日本と比べ膨大な排出量の国も存在する。それ自体を問題視する意見もあるが、これまでも排出していたのだから、今回も同じことをするだけという考え方はあり得るだろう。

 ただし、今回の処分の問題は、世界中で注目された福島第一原発の廃炉の過程で排出された汚染水をALPSで処理し、トリチウム以外の核種を取り除いたうえで放出するという2重3重に説明を要する「水」である。そのため、核燃料に触れた汚染水自体を放出するのではないか、ALPS処理で本当に他の核種を取り除けているのか、発表されたデータ自体に誤りがあるではないか等、様々な疑念が生じやすい「水」なのである。

 トリチウム自体の科学的性質や国際基準の説明、処理方法自体の解説を丁寧に行い、国民的な理解が醸成されることが処分方法(あるいは貯蔵)を考える上での前提となるといえる。だが、これが出来ていないのである。

 第2は、これに関連して現在タンクに溜まっているALPS処理水の2次処理の問題である。実は、現在のタンクにはALPS処理後であるが、トリチウム以外の核種が取り除けていない状態の「処理水」が保管されている。小委員会報告書には下記の注が付されている。

 ALPSはトリチウム以外の62種類の放射性物質を告示濃度未満まで浄化する能力を有しているが、処理を開始した当初は、敷地境界における追加の被ばく線量を下げることを重視したことなどにより、タンクに保管されているALPS処理水*の約7割には、トリチウム以外の放射性物質が環境中へ放出する際の基準(告示濃度限度比総和1未満)を超えて含まれている。ALPS小委員会では、こうした十分に処理されていない水について、環境中に放出される場合には、希釈を行う前にトリチウム以外の放射性物質が告示濃度比総和1未満になるまで確実に浄化処理(2次処理)を行うことを前提に、ALPS処理水の取扱いについて検討を行った。したがって、本報告書の中のALPS処理水の表記については、特段の断りがない場合には、トリチウムを除き告示濃度比総和1未満のALPS処理水を「ALPS処理水」とし、十分処理されていない処理途中のALPS処理水を「ALPS処理水(告示比総和1以上)」とし、この二つ(ALPS処理水とALPS処理水(告示比総和1以上))を併せて指す場合は「ALPS処理水*」とすることとする。

 報告書の当初案では、この「十分処理されていない処理途中のALPS処理水」を「ALPS処理水(告示比総和1以上)」ではなく「中途ALPS処理水」と表記していた。当然、処分の際には2次処理(再度十分な性能を有する状況のALPSを通す)を行い、トリチウム以外の核種は告示濃度比総和1 未満まで取り除くことになるわけだが、この過程を説明し、この処理を担当する東京電力の実効性の担保を多くの国民に「理解」して貰うことは、単純な話ではない。相当に「丁寧」な説明が必要になると思われる。

 

拡大
タンクが並ぶ東京電力福島第一原発=2017年2月

 

 第3は、トリチウム総量約856兆ベクレル(Bq)を放出するとなると、希釈して濃度を基準値以下に下げたとして、事故前の排出量以上の量を毎年放出し続けなければならない点である。

 東京電力の試算によると、2025年に放出を開始した場合、年間22兆ベクレルずつだと2053年まで処分期間を要する。同様に、50兆ベクレルは2041年、100兆ベクレルだと2033年となる。廃炉までのロードマップが30-40年を想定しており、廃炉と共に放出を完了する場合でも、年間22兆ベクレルのトリチウムを毎年放出しなければならない(事故前の福島第一原発の年間放出量は2.2兆ベクレル)。事故前の10倍の量を30~40年流すということである。

 つまり、例えば海洋放出をする場合、トリチウム水の処分は数十年に渡り継続するため、漁業者は1、2年の我慢では済まず、長期間にわたりこの問題に向き合わなければならない。風評問題を含む様々な課題に対処しなければならなくなるのである。

6.なぜいまなのか? 廃炉と復興の矛盾

 2020年2月25日のコモンカスベの出荷制限指示解除により、福島県海域における水産物の出荷制限指示は全て解除された。福島県漁業は本格操業に向けて動き出している最中であり、なぜいまなのかという声があがっている。

 なかには、事故直後に出荷制限が続いていた間に処分をしてしまっていた方が、影響が小さかったのではないかという意見もある。そのくらい今回の処分に関するタイミングは現地を困惑させている。

 その背景には過去の苦い思いがある。2017年7月に、東京電力の当時の新会長から、トリチウムが残存した処理水の海洋放出を決めたかのような発言があり、その後、謝罪・撤回をし、話題となった。

 この時点で既に放出されていた井戸(サブドレン)の水は、くみ上げた地下水であり、放射性物質に触れる前の水である。当時発言のあったトリチウム水は、現在議論されている原子炉内部の冷却に使用されたいわゆる汚染水を処理したものであり、これまで海洋放出してきた地下水とは大きく異なる。

 福島県漁連は、東京電力福島第一原発の汚染水低減策として、建屋周辺の井戸(サブドレン)などからくみ上げた地下水を浄化した上で海に放出する計画に関して、2015年度から容認してきた経緯がある。しかし、これは安定的に廃炉作業進めるためにやむなく県漁連が了承したものであったが、当時の海洋放出に関する報道に際して、福島県の漁業者の方に批判が殺到したという事実があった。

 それは、海には境がなく、かつ公共のものであり、なぜ福島県の漁業者が勝手に承認をするのか、何の権限があるのかという海洋放出反対の方々の声であった。無作為であったにせよ、事故当事者の東電や政策決定者の国ではなく、被害地域である福島県の漁業者に海洋放出の責任が転嫁され、地元は翻弄されたのであった。

 震災から9年が経過した福島県漁業は、本格操業に向けて努力している段階であり、「トリチウム水」の海洋放出には反対の意向を伝えている。現在議論されている海洋放出には国内外からの風評も含めた批判が予想される。

 漁業者に海洋放出を容認するように説得する戦略では、漁業者が受け入れたから海洋放出したかのような印象操作がなされ、批判の矛先が地元に向かうことになる。地域の漁業者や、漁業関係者にとってもこの点は慎重にならざるを得ない。責任の主体は国と東電であることを改めて明確にしておく必要がある。

 廃炉を進めることと復興を妨げることが同時に行われてはならない。被害地の人々に震災・原発事故から10年経過した以降も苦痛と忍耐を与え続けることを前提とした政策になってはいけない。

 これを避けるためには全国民、近隣諸国も含め、多数が納得して処分方法を受け入れることが出来るか、その合意形成の準備がなされているかが重要となる。この点を見極めなければならない。それが成立しないとしたら、また多くの人々が困難を抱えて取り残されてしまう。

 経済産業省のHPには、現状で公開しうる限りの情報が掲載されており、小委員会の議論も包み隠さず公開している。2018年の公聴会においても厳しい意見も含め受け止めていたと私は思う。

 小委員会の報告書は制約のある中で、問題点も留意点も提示した。賛成・反対関係なく、多くの方々にトリチウム処理の現状ついて、まずは知っていただきたいと考えている。例えば、資源エネルギー庁が示す解説はこちらのリンクなどがある。

 政府は7月15日まで一般から意見を募集している。窓口はこちら

 

 

東京電力福島第一原子力発電所で増え続けるトリチウムなど放射性物質を含む処理水の処分方法について、政府は、国の基準を下回る濃度に薄めたうえで海へ放出する方針を決めました。東京電力に対し、2年後をめどに海への放出を開始できるよう準備を進めることや賠償も含め風評被害への対策を徹底するよう求めています。

政府は13日午前8時前から総理大臣官邸で関係閣僚会議を開き、東電・福島第一原発で増え続けるトリチウムなど放射性物質を含む処理水の処分方法について議論しました。

会議では、国の小委員会がまとめた基準以下の濃度に薄めて海か大気中に放出する方法が現実的で、海の方がより確実に実施可能とする報告書などを踏まえて、海へ放出する方針を決めました。

具体的には、東京電力に対し、2年後をめどに海への放出を開始できるよう設備の設置などの具体的な準備を進めることを求めています。

放出にあたっては、トリチウムの濃度を国の基準の40分の1、WHO=世界保健機関が示す飲料水の基準で、7分の1程度に薄めるとしています。

また、農林水産業者や地元の自治体の関係者なども加わって放出前後の濃度などを監視するモニタリングを強化するとしていて、IAEA=国際原子力機関の協力も得て国内外に透明性の高い、客観的な情報を発信し風評を抑えることにしています。

さらに、漁業関係者への支援や観光客の誘致、地元産品の販売促進などの対策も講じるとしています。

それでも生じる風評被害には東京電力が賠償を行うよう求めています。

このほか、関係閣僚による新たな会議を設けて必要に応じて追加の対策を機動的に実施します。

しかし、海への放出には、漁業関係者が反対するなど地元などの懸念は根強いことから、政府や東電は、安全性を確保し風評を抑える対策の徹底が問われることになります。

首相「風評対策徹底を前提に海洋放出が現実的と判断」

 
菅総理大臣は会議の中で「アルプス処理水の処分は福島第一原発を廃炉するにあたって避けては通れない課題だ。このため本日、基準をはるかに上回る安全性を確保し、政府を挙げて風評対策を徹底することを前提に、海洋放出が現実的と判断し、基本方針を取りまとめた。これまで有識者に6年以上にわたり検討いただき、昨年2月に海洋放出がより現実的との報告がなされた。IAEAからの科学的根拠に基づくもの、こうした評価がなされている。また、海洋放出は、設備工事や規制への対応を行い、2年程度のちに開始をする。トリチウムの濃度を国内の規制基準の40分の1、WHOの定める飲料水の基準の7分の1まで低下させる。さらに、IAEAなど第三者の目もいれて高い透明性で監視をする。さらに福島をはじめ被災地の皆様や漁業者の方々が風評被害の懸念をもたれていることを真摯(しんし)に受け止め、政府全体が一丸となって、懸念を払拭(ふっしょく)し、説明を尽くす。そのために徹底した情報発信を行い、広報活動を丁寧に行う。早速週内にも本日決定した基本方針を確実に実行するための新たな閣僚会議を設置する。政府が前面にたって処理水の安全性を確実に確保するとともに、風評払拭に向けてあらゆる対策を行っていく。国民の皆さんには心からのご理解をお願い申し上げる」と述べました。

梶山経済産業相「極めて重い責任 時期は適切」

 
梶山経済産業大臣は、13日の閣議の後の記者会見で、「福島をはじめ被災地の皆様が風評への懸念を持たれている中での今回の決定は、政府として極めて重い責任を伴う決断だ。これまで懸命に復興に取り組まれてきた皆様の努力をむだにせずに、復興の歩みをさらに前に進めるという強い決意をもって、私自身が先頭に立つ覚悟で対応したい」と述べました。

また、判断に至った経緯について、梶山大臣は、「安全性の確実な担保と万全のモニタリング体制の整備、漁業者などの懸念の把握と徹底した風評対策を確保できていると判断し、最終的な決定に至った。決定のタイミングは適切だった」と述べました。

一方、漁業者などから反対の声が根強いことについて、梶山大臣は、「実際の放出が始まるまでには設備の工事や規制の対応に2年程度の時間が必要になることから、放出までの時間を最大限活用して、懸念を払拭し、理解を深めていただけるよう努力していく」と述べ、風評を抑えるための対策に全力を挙げる考えを示しました。

東京電力 小早川社長「最大限風評を抑制」

 
東京電力の小早川智明社長は会議のあと、記者団に対し「大変重く受け止めている。政府の方針に従って適切に取り組んでいくとともに最大限、風評を抑制するべく我々の立場でできることはやっていく。長きにわたる廃炉の中で今回の件を含めて復興と廃炉の両立にしっかりと取り組んでいく」と述べました。

また、風評への対応については「まずは風評の影響を発生させないように最大限努力することはもちろんだが、それでもなお損害が発生するようであれば、適切に賠償したい」と述べました。

一方、海洋放出に反対する声も根強くあることについて、小早川社長は「しっかりと丁寧な説明を尽くすとともに、風評対策にしっかり取り組み、取り組みを通じて理解が得られるように、最大限努力したい」と述べました。

全漁連 岸会長「強く抗議 反対の立場変わらず」

 
全漁連=全国漁業協同組合連合会の岸宏会長は抗議の声明を発表しました。

この中で、岸会長は先週、菅総理と会談したことに触れ「海洋放出には、断固反対であることを改めて申し入れ慎重な判断を強く求めたところだ。それにもかかわらず、本方針が決定されたことは極めて遺憾であり、到底容認できるものではない。強く抗議する」としたうえで、「今後とも、海洋放出反対の立場はいささかも変わるものではない」としています。

そして、なぜ海洋放出の方針を決めたのかを漁業者や国民に責任を持って説明すること、また風評被害にどう対処するのか、安全性をどう国内外に説明し担保するのか、さらに福島県をはじめ全国の漁業者が安心して漁業が継続できるための方策を明確に示すことなどを改めて求めています。

福島県の漁業者からは怒りの声

 
漁業者が反対の姿勢を示し続けたにもかかわらず、政府がトリチウムなどの放射性物質を含む処理水の海への放出を決定する方針を決めたことについて、福島県の漁業者からは怒りの声が上がっています。

このうち、新地町の漁業者の小野春雄さんは(69)「漁業者が反対を表明していた海への放出の方針を議論もろくにせずに決定するなんて、私たちに寄り添おうという気持ちがないのかと怒りがおさまらない。自分は津波で亡くなった漁師の弟のためにも、そして息子たちのためにも一生懸命漁業に取り組んでいる。周りのみんなも復興に向けて頑張っている。その姿を政治家たちは見にも来ないで方針を語ることにも腹が立っている」と話していました。

そのうえで「政府は風評対策をしますと口では言っているが、現状、具体的なものも示されず、東電の信用度も落ちている中、全く信頼できない。自分たちが願っているのは、普通に毎日好きなときに漁をして生活すること。そのためには本当に福島の漁業に影響が出ないという保障が得られるまでは今後も反対の姿勢を続けていくしかないのではないかと思う」と話していました。

「海洋放出決定」に至るまでの経緯は

 
福島第一原発の原子炉建屋では1号機から3号機の溶け落ちた核燃料を冷やすための注水が続いていることに加え、建屋への雨水や地下水の流入が続き、1日140トンのペースで放射性物質を含む汚染水が発生しています。

この汚染水は専用の浄化設備に送られ吸着剤で大半の放射性物質が取り除かれますが、「トリチウム」(三重水素)という放射性物質は性質上取り除くことが難しく、処理しても水の中に残ってしまいます。

福島第一原発の構内には、この処理したあとの水をためる大型のタンクが1000基余り設置されていて、およそ137万トンの容量のうちすでに9割に水が入っています。

敷地内には空きスペースもありますが、国や東京電力は今後溶け落ちた核燃料や使用済み燃料の一時保管施設などを建設する必要があるためタンクを増やし続けることはできないとしています。

今の計画では来年秋以降にはタンクが満杯になる見通しを東京電力は示しています。

国はこのトリチウムなどを含む処理水をどのように処分するかについて有識者による委員会などを設け2013年から6年余りの時間をかけて検討を行ってきました。

まず、専門家チームによる処分方法の技術的な検討がおよそ2年半にわたって行われ、報告書では次の5案が示されました。

▽基準以下に薄めて海に放出する案、
▽加熱して蒸発させ大気中に放出する案、
▽電気分解で水素にし大気中に放出する案、
▽地中深くの地層に注入する案、
▽そしてセメントなどにまぜて板状にし地中に埋める案です。

このとき、トリチウムを分離して取り除く技術についても検討されましたが、すぐに実用化できる段階の技術ではないとの結論になりその後の検討には加えられていません。

これに続いて、社会学者や風評の専門家などを交えた経済産業省の小委員会が総合的な検討を3年余りかけて行いました。

5案のほかにもタンクなどでの保管継続を加えたおおむね6つの方法について議論を交わしました。

そして、小委員会は去年2月、基準以下に薄めるなどして海に放出する方法と蒸発させて大気中に放出する方法が前例もあって現実的だとしたうえで、海のほうが確実に実施できるとする報告書をまとめました。

この報告書を受けて、政府は、去年4月から7回にわたって地元自治体や農林水産業者、それに全国の関係団体などから意見を聞く会を開くとともに、書面による意見募集を4か月にわたって実施しました。

このなかでは、漁業関係者や地元住民などから風評被害を懸念して海への放出に反対や慎重な意見が出されたほか、具体的な風評被害対策を示すよう求める声や国民の理解が進んでいないなどの指摘が出されました。

また、選択肢については、海外で実績があるモルタルなどで固める案や船で離島などに移送する案、原発の敷地外に運んで保管や処分をする案などについて、検討を求める意見も出されていました。

一方で、福島第一原発が立地する大熊町や双葉町からはタンクでトリチウムなどを含む処理水を保管し続けることが復興の妨げになっているとして政府に対し、対応策を早急に決定するよう要望が出されていました。

経済産業省は去年秋、福島県の自治体に対して海洋への放出を前提とした風評被害対策などを示しましたが、全国漁業協同組合連合会などの強い反発もあり、その後も検討が続けられていました。

政府は、こうした関係者の意見を踏まえて風評対策や丁寧な情報発信などについて検討を進めたうえで、適切なタイミングで処分の方針を決める考えを示していました。

トリチウムとは

 
トリチウムは、日本語では「三重水素」と呼ばれる放射性物質で水素の仲間です。

宇宙から飛んでくる宇宙線などによって自然界でも生成されるため、大気中の水蒸気や雨水、海水、それに水道水にも含まれ、私たちの体内にも微量のトリチウムが存在しています。

トリチウムは、通常の原子力施設でも発生し、各国の基準に基づいて、薄めて海や大気などに放出されています。

水素の仲間で、水の一部として存在するため、水から分離して取り除くのが難しいのが特徴で、福島第一原発の汚染水から多くの放射性物質を除去する装置を使っても取り除くことができません。

国内の原発では、1リットル当たり6万ベクレルという基準以下であることを確認したうえで海に放出していて、海外でも各国で基準を定めて放出しています。

トリチウムが出す放射線はエネルギーが弱く、空気中ではおよそ5ミリしか進みません。

このため、人体への影響は外部からのものよりも、体内に取り込んだときのリスクを考慮すべきとされています。

国の小委員会は、体内で一部のトリチウムがタンパク質などの有機物と結合し、濃縮するのではないかといった指摘があることについては、体はDNAを修復する機能を備えていて、動物実験や疫学研究からはトリチウムが他の放射性物質に比べて健康影響が大きいという事実は認められなかったと結論づけています。

また、マウスの発がん実験でも自然界の発生頻度と同程度で、原子力発電所周辺でもトリチウムが原因と見られる影響の例は見つかっていないとしています。

放射性物質の性質に詳しく国の小委員会の委員をつとめた茨城大学の田内広教授は人体への影響を考える際、濃度の大小がポイントだと指摘します。

そのうえで田内教授は、「トリチウムが体内に取り込まれてDNAを傷つけるというメカニズムは確かにあるが、DNAには修復する機能があり、紫外線やストレスなどでも壊れては修復しているのが日常。実験で、細胞への影響を見ているが、基準以下の低濃度では細胞への影響はこれまで確認されていない」と話していて、低い濃度を適切に管理できていればリスクは低いとしています。

政府の決定について専門家は…

 
福島第一原発の汚染水を処理したあとの水の処分めぐって、技術的な検討を行ったトリチウム水タスクフォースと風評影響なども含めて総合的な検討を行った国の小委員会、いずれの会合でも委員長を務めた名古屋学芸大学の山本一良副学長は、今回の政府の決定について、「トリチウムは大量にあれば体への影響もあるが、非常に薄ければ影響がないことは生物学的にもいろいろなところでわかっていて、われわれの議論で海洋放出がいちばん確実と申し上げているので、方針決定の参考にしていただいたと考えている。大変難しい問題だが処理水の扱いは、福島の復興にとって先送りできない問題なので、この決定によって廃炉の進展がますます加速されることになればいいと思う」と述べました。

そのうえで、実際の放出にあたっては、「非常に薄くすることで、安全を担保するので、まずはタンクごとの濃度や、希釈後の濃度のチェックなど技術と科学で保障できる精いっぱいの所までやり、加えて、地元や国際機関の助けを借りてチェックしてもらうことで、実施本体の信頼の低下を補っていくようなシステムを作らないと行けないと思う」と述べ、東京電力の信頼回復の努力に加えて二重三重の仕組みが必要だと指摘しました。

また、今後の課題については、「国の小委員会では、福島や東京で公聴会も開き、いろんな方の本音を伺って誠実に答えてきたつもりだが、はっきりと意見を言う方以外にも静かに意見を持っている方がいて、そうした方となかなか話し合いができなかったことは今後の課題。専門家としてもできるかぎり疑問に答えていく必要があるし、いろんな立場の人間が協力して風評の根源になる誤解を解く努力を積み重ねていく必要があると思う」と述べました。

規制委初代委員長 田中俊一氏「廃炉に必要な処分方法」

 
東京電力福島第一原発の事故の翌年に発足した原子力規制委員会で初代委員長を務めた田中俊一さんは13日の政府の決定について、まず「なぜこんなむだな時間を5年も6年も使ったのか。丁寧な議論をしているように見えるが、結論が見えているものを早く決めないから時間ばかりむだにかかった」と方針決定に至るまでの対応を厳しく批判しました。

そのうえで、処理水の海への放出については「廃炉というのは放射能を水で洗い流しながら進めていくものだ。水を処理して排出濃度基準になったらその水を捨てるというプロセス抜きに廃炉は進まず、水をためておけばいいという考えは、『廃炉をやめます』というもので、廃炉作業全体として物事を考える必要がある」と話し、廃炉作業を進めるうえで必要な処分方法だという考えを述べました。

一方で、処分を実施する東京電力については「決して褒められる会社ではないが、『信頼できないからほかでやる』ということもできない。国が厳しく監視することで国民の不安解消に努めるべきだ」と述べました。

 

コメント (2)   この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« まん延防止等重点措置を拡大... | トップ | ミャンマーなど各国で迫害を... »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
どうしても汚染水と呼ばれたくないようですね。(苦笑) (ロハスな人)
2021-04-30 18:49:24
 2018年の地元説明会の際には「保管してある水をすべて『処理水』と表現し、あたかもすべてが『トリチウムしか残留していない』かのように見せかけていましたが、実際は『84%が放射性物質が基準値超えの汚染水』というべき代物でした。
 それが発覚したことで、説明会は反対の嵐となり、地元の合意はとん挫しました。(※現在は約7割が『基準値超えの汚染水』です。)

 その反省?か、今回は『トリチウム以外の放射性物質の含まれる水は基準値までALPSで浄化』し、トリチウムも『1リットル当たり1500ベクレル』になるくらい『海水で希釈』することにしたそうです。
 計画だけ聞くと『前回の汚染水放出』計画よりは100万倍マシに見えますが、
『(ALPSではトリチウムは取り除けないので)希釈するために(1日に100トン以上出てくる)処理水の『400倍の量の海水』が必要なこと、
そもそも「他の放射性物質の排出基準値」が『大量の(自称)処理水を海洋投棄した際に近辺の『放射性物質の汚染が本当に大丈夫な設定かどうか』を
政府と東電はしっかりと『世界中に明示』する必要があるでしょう。

☆ 1リットル当たり約62万ベクレル含まれてるという。
 政府方針によると、ALPS処理水に含まれるトリチウムは1リットル当たり1500ベクレル以下にまで薄めてから海洋放出する。>

https://buzzap.jp/news/20180929-fukuichi-osensui-lie/
☆福一の「処理済み汚染水」、84%でストロンチウムなどの放射性物質が基準値を最大100倍以上超過していたと東電が公表
2018年9月29日 BUZZAP!

◎東電は調査時点で88万7000トンあった処理水のうち、トリチウム以外の放射性物質濃度が基準値を下回っているものはわずか16%の13万7000トンにとどまり、84%の75万トンが基準値を超過していると推定。

その中でも全体の18%に当たる16万1000トンは基準の超過割合が10~100倍、7%の6万5000トンは100倍以上という絶句せざるを得ない数字が出ています。

問題は8月上旬の調査で東電がこの結果を知りながら、「処理済み汚染水」で他の核種が基準を大幅に超過しているにも関わらず「トリチウム以外は除去済み」と嘘を吐き、正真正銘の汚染水を海洋投棄しようとしていたこと。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/100829
☆☆東電が福島第一原発の「処理水」定義見直し 政府の海洋放出方針決定で
2021年4月27日 18時05分 東京新聞
 東京電力は27日、福島第一原発で発生が続く汚染水を浄化処理した後の水について、定義を見直したと発表した。政府による処理水の海洋放出処分の方針決定を受けた対応。セシウムなど62種類の放射性物質を取り除ける多核種除去設備(ALPS)で浄化処理してから排出基準を下回っている水を「ALPS処理水」とし、排出基準を上回っている水を「処理途上水」と定めた。

 東電によると、2020年末時点でALPS処理水は32万3900トン、処理途上水は82万2900トン。保管中の7割は、十分に浄化処理できていない。このため海洋放出する際には、サンプルタンク内で放射性物質の濃度を調べ、排出基準を上回っていた場合は再びALPSで再浄化するという。

 政府や東電の方針によると、放出前のALPS処理水についてはALPSで除去できないトリチウムの他、炭素14を含む63種類の放射性物質の濃度を調べ、結果を公開。第三者による測定結果も公開する
外国人の方が福島の事を考えていた話 (時々拝見)
2021-10-14 17:14:57
最近ディスカバリーチャンネルでFukushima Dreams& Beyondという番組をやっているのに途中で気づき、11/3くらいみました。コロナ禍の前の番組ですが、外国人の方がウ合の衆より福島のことを考えてくれてるじゃないか、というでした。
一応、日本政府インターネットTVでもなぜかひっそりとサポートしてたようです。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。