いくらメインサイトで言うべきことは言いつくしているとはいっても、
GM最高峰と勝手に信じる18話です。
これだけは、おつきあいください。
二つだけ。
南極基地で、
クラッシャー隊の面々と、工場長(だっけ)の会話。
工場長「……ギシン星の位置を突き止めていたんです」
ケンジ「しかし長官はなぜ、このことを我々にかくしていたんでしょうか」
工場長「敵を欺くためには、まず味方からといいますからね。だから秘密にしていた」
さらに、
「これがあれば太陽系外のどこにでも、自由に行くことができる」
アキラ「そりゃあ凄いや」
このかみ合ってなさには、めまいがします。
ケンジの「このこと」は、話の流れからして、ギシン星の位置を確認できていたことです。
ワープカタパルトについては、少なくともケンジは知っていたのだから。
工場長のセリフの前半はケンジの質問に対する答えと思われますが、
後半いきなり、ワープカタパルトについての説明になってしまった。
いや、「秘密にしていたこと」が、
ワープカタパルトにしても、
ギシン星の位置確認にしても、
工場長のセリフの前半から後半へのつなぎは、非常にぎくしゃくしている。
「どうしてそんなことを訊くんだ。
しかも明神タケルの前で。
わかりきっているじゃないか
いかん、話を変えなきゃ」
そんな舌打ちと焦りが見えるようです。
そして彼の努力を敏感にみとって、
アキラが「そりゃあ凄い」と、わざとらしく感嘆してみせる。
クラッシャー隊も、工場長も、
タケルの前では、即席のセリフを投げ合って、必死に芝居をしている。
ナミダが一行から外されたのは、やはり理由があった。
子供は空気を読んで、アドリブの演技ができないから。
タケルと地球人は、もともと一枚板ではありませんが、
ここにきて目に見えない(目に見えてはならない)分裂が、
最高潮に達したきらいがある。
外見は仲良しこよしの彼らが、事実はいかにバラバラか。露呈してしまった。
この短いやりとりは、その象徴なのでしょう。
そこに持ってきて、マーグのセリフが突き刺さる(前後するけど)
マーグ「だがあのマーズという男、
なぜ我々に反抗するのだ。
奴はギシン星だといったな?」
これは凄い。
16話で「なぜかマーズのことが気にかかる」とつぶやいた時は、
もちろん「弟」を思い出しかけていた。
記憶に引きずられて、マーズが気になっていたんです。
だが、今回は違う。
血のつながり云々ではなく、
タケルの行動を客観にみて、
「マーズこそは自分の唯一の同胞ではないのか?」
そう疑問を提起している。
そしてこの18話の時点では、
確かに、タケルの同胞は、宇宙でマーグただ一人でした。
遠く離れながら、
それぞれの理由で、
強烈にお互いだけを必要としている。
紛れもなく敵同士だというのに。
次の19話になると、
タケルはすこうし地球人よりになるんだけどね。
(だからマーグを殺す決心をする)