ラッコ庵日乗

「不思議な話」や「ヘンな話」が大好きなラッコ庵の日記。

邦人脱出

2020年01月29日 | 世間話
邦人200人が政府の用意したチャーター機で武漢から帰国。
今回のように海外で感染症や紛争で危険な状態になった場合、国が自国民に帰国を促したりチャーター機を出したりするのはやむを得ないことだし、当然のことだと以前は思っていました。
しかし東日本大震災のとき、原発の事故で放射線の影響を心配した外国人が続々と日本を脱出するのを見て、脱出することのできない、置いていかれる側の悲哀をはじめて感じました。恥ずかしいことに自分がその立場になってみないとわからなかったのです。

診察まで一万人待ち、とか聞くと自力で脱出できる現地の人が逃げ出したくなるのもわかる気がします(かといって拡散していいわけではありませんが)。また今回帰国された方たちの胸中も「よかった」だけではない複雑なものがあるのではないでしょうか。
日本でも中華街は春節なのにガラガラ、中国語を話していたら避けられた、というような話も聞きます。怖いのはウィルスであって中国人ではないので、放射線の時と同じく「正しく恐れる」ようにしたいと思います。

東国三社参り

2020年01月25日 | おでかけ記録
ちょっと遅い初詣に、近頃人気?の東国三社参りに行ってきました。
鹿島神宮(茨城県)
息栖神社(茨城県)
香取神宮(千葉県)
の三社がほぼ三角形に位置していて、三社を巡るとご利益あらたかなのだとか。本宮と奥宮それぞれの御朱印や三社廻ってはじめて完成するお守りとかもあって、商売上手~。
それはさておき、それぞれに雰囲気のある歴史あるお社で、いい気をいっぱい浴びてきました。

「十角館の殺人」綾辻行人

2020年01月15日 | 本あれこれ
久しぶりに「探偵小説」的なものが読みたくなって、今さらですが読んでみました。
この作者のものを読んだのは初めてですが、京大ミステリ研出身、いわゆる「新本格ブーム」の旗手という位置づけのようです。この作品は作者の代名詞「館シリーズ」第一作で、出世作でもあります。

某大学ミステリ研に所属する男女7人が、無人島に建つ館で1週間の合宿生活を行うことになるも、メンバーが一人ずつ殺されていき…というストーリーは、古典的な「孤島もの」として大きな破綻もないかわりに「トリックのためのストーリー」のような感じがするのは否めません。
ただ、当時流行っていた「社会派推理小説」へのアンチテーゼとしての「本格宣言」の面もあり「その意気やよし」というところでしょうか。

それより気になったのは、この本が初めて刊行された1987年と現在との変化です。
スマホ、携帯はおろかパソコンは大学の研究室に一台、という時代。そもそもスマホがあったらこのストーリーは成り立ちません。作者あとがきにもありましたが、学生たちは当然のように喫煙し、炊事はすべて女子学生の担当。あれれ、1980年代の後半でもこんなだったっけ?そう考えると、昔よりよくなってる面も多いのかな。

作者あとがきで驚いたこともうひとつ。
この作品には、プロトタイプともいうべき別の作品があって、メインのトリックは同じだそうです。そしてそのトリックを考えたのはなんと!小野・十二国記・不由美さんなんだって。大学は違うけど、同時期に京都の大学に在学していたミステリ仲間ということでしょうか。巡り合わせって不思議なものですね。
いろんな意味で面白い作品でした。

※最初に、この作者を読んだのは初めて、と書きましたが、そうでもなかったことに気づきました。
佐々木倫子のマンガ「月館(つきだて)の殺人」の原作が綾辻さんだった。こちらは、鉄道ミステリでもあり「館シリーズ」の一作でもあるという絶妙のストーリー(読めばこの意味がわかります)と、佐々木倫子のとぼけた味が相まった快作?怪作?です。おすすめ。

皆さん聞いて!

2020年01月02日 | 世間話
たくさんのかたが実家に帰られるお正月だから、今言います。
昔の写真があったら、ご両親や親戚のかたに見てもらって、何の誰の写真か特定して!
うちでもご多分に漏れず、押し入れから山ほど古いアルバムが出てきたのだけれど、私にわかるのはせいぜい祖父祖母の代まで。それも祖父母の兄妹になるともうわかりません。
母が生きてるうちに聞いとくんだった。
母も外から嫁いで来たからあまりわからなかったかもしれませんが。
その母の子ども時代から結婚前のアルバムも出てきてびっくりしました。革装風の赤いかわいいアルバム。こんなのがあったなら一緒にながめておしゃべりしたかったと、と思ったら、亡くなったときにも出なかった涙が溢れてきました。
皆さんも後悔なさいませんように。