ラッコ庵日乗

「不思議な話」や「ヘンな話」が大好きなラッコ庵の日記。

マグニチュード10.5

2008年04月30日 | 映画・ドラマ・マンガ・アニメ
WOWWOWで4日連続放映された
「合衆国壊滅M10.5」
というテレビムービーをご覧になった方いらっしゃいますか?

<DVDの紹介から引用>
ワシントン州シアトルで、マグニチュード7.9の巨大地震が発生。だが、それはまだ空前のパニックのほんの始まりに過ぎなかった…。やがてサンフランシスコやロサンゼルスなど、アメリカ西海岸の各大都市を、最大マグニチュード10.5という“連鎖地震”の波が襲う。


…というわけで、 
のっけから、シアトルの高層タワー「スペースニードル」が倒壊。サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジも崩壊。サンアンドレアス断層が動いたという、ありそうな設定でこれでもかこれでもかと巨大地震が起こり、結局カリフォルニアは本土から分断されて島になってしまいます。
これだけもコワイですが、ここからが想定外。地震の連鎖は西海岸だけにとどまらず結局合衆国は…以下はDVDで見てね。

テレビムービーなので、人間ドラマもCGによる崩壊シーンもそれなりですが、地震大国に住む日本人としては他人事ではない、というところがあって真剣に見てしまいました。大多数のアメリカ人は「宇宙人襲来」とか「地球最後の日」のノリで見てたのではないでしょうか。
でもあくまで前向きなところがアメリカだねえ。断層の崩壊を人間の力で食い止めようとするなんて。そしてそのためにとった手段がアレだなんて。日本人には絶対にできないね。「日本沈没」は見てないけど人々の対応はどうだったのでしょうか?

前半と後半が2004年と2006年に分けて放映されているのは、好評だったから続編が作られたのかな?途中で主演の地震学者の女性が、急に太ったのもこれで理由がわかりました(笑)

「戦闘美少女の精神分析」斉藤環

2008年04月02日 | 本あれこれ
「戦闘美少女」…なんと甘美な響き!

と思うのが普通の感覚かどうかよくわかりませんが、この題名に惹かれて読んでみました。
著者は精神分析医で、自らは「おたく」ではないと言っていますが、周りにたくさんのおたくがおり、またマンガ・アニメなどおたく的コンテンツにも平均以上は親しんでいるというスタンス。

しかし、戦闘美少女と言いながら手を広げすぎじゃないのか。おたくの歴史に始まって、おたくとはなにかの「おたく論」が本筋のような。もっと、この日本で戦闘美少女がうける理由を精神分析的に掘り下げて欲しかった。
戦闘美少女の定義もちょっと???冒頭に「じゃりんこチエ」の名がでてきたときには違和感大爆発でした。また、いくら戦う少女たちだからと言って、ヘンリー・ダーガーのヴィヴィアンガールズに多くのページを割いているのは、これはこれは別個に論ずるべきことであっても、日本の戦闘美少女と一緒にするのは無理があるでしょう。
一方、「戦闘美少女」人気は日本に特有の現象(欧米のアマゾネス系女戦士とは一線を画する)という考えには賛成ですが、そこにこだわるあまり、ジャンヌ・ダルクを意図的に排除しすぎてるような気がします。私見ですが、甲冑をまとった聖少女ジャンヌ・ダルクは、(日本のそれと関係があるかどうかが別にして)元祖戦闘美少女だと思うので。
この本の発行年は2000年ころで、当然それ以後の動きについては言及してないので、それも物足りない理由のひとつです。「精神分析」の名にふさわしい億編を期待します。

おりしも、
「非現実の王国で・ヘンリーダーガーの謎」
というドキュメンタリー映画が上映中。見たいような、怖いような。
http://henry-darger.com/