★木下氏blogがうまく表示されないので、皆で掲載して欲しいと呼びかけがあった。
2012-09-18 03:33:16
「アスベストは、世田谷で4億8,000万本、江戸川で11億4,000万本の排出(1日推定量)。本日夜、下関講演。」
ガレキの話で、アスベストのことを確認しているのですが、アスベストの焼却は、少なくとも東京23区では、1988年以降は、一般ごみでアスベストを燃やすという事を基本的には、やらなくなっていたそうです。もちろんそれまでも大量にアスベストが一時に燃やされる状況は極めて少ないです。建造物等に使われていますから、そういうものが清掃工場で燃やす焼却物として入ってくること自体が珍しいです。それを考えると、アスベストを含んだガレキを大量に燃やしていることは、これも前代未聞の話ということです。東京や北九州のような人口集積場所で、アスベストが一時、大量焼却されるのは、尋常な話ではないということです。そして、核種と有害物質は少なくとも200種類を超えるのではないかとも推測されています。人類未知の状況への突入に驚かされます。
「3.26政府交渉ネット」がことし、8/13に出した「都内清掃工場の排ガス中から検出されたアスベストの発生源に関する推定について」の中で、アスベストが一日あたりどのくらい出ているのかを推定していますが、やはり、びっくりするくらいの量が出ていると推定されます。何億本にも及ぶアスベストの脅威です。引用しておきます。
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今回の事務組合の調査で判明した3工場の焼却炉の排ガス中に検出されたアスベスト繊維の総本数を算出すると、以下のような膨大な繊維数になることがわかる。
1.世田谷工場
1号炉 0.64本/LN=640本/㎥N 150t/日 排ガス量(※)31,250㎥/h 2,000万本/h 4億8,000万本/日
2号炉 0.13本/LN=130本/㎥N 150t/日 排ガス量31,250㎥/h 406万2,500本/h 9,750万本/日
2.光が丘工場
1号炉 0.26本/LN=260本/㎥N 150t/日 排ガス量 31,250㎥/h 812万5,000本/h 1億9,500万本/日
3.江戸川工場
2号炉 0.76本/LN=760本/㎥N 300t/日 排ガス量 62,500㎥/h 4,750万本/h 11億4,000万本/日
(※)排ガス量の算出については、環境省の「ダイオキシン類の排出量の目録(排出インベントリー)」(平成14年12月)の「5.各発生源の排出量の推計方法 (Ⅰ)大気への排出 1)一般廃棄物焼却施設 ①平成9年」の項に記載されてる以下の記述をもとに算出した。
「算出に当たっては、ごみの焼却量については平成5年度実績、排ガス量原単位(焼却ごみ1t当たりの乾き排ガス量)については5,000㎥N/tを用いている。」
【疑問点1】このアスベスト繊維はなぜバグフィルターで除去されなかったのか?
0.1㎛以下の微細な粒子状物質はバグフィルターで除去できていない可能性がある。
【疑問点2】アスベストはいったいどこから来たのであろうか?家庭ゴミか?それとも震災ゴミか?
東京都環境局がまとめた『アスベストQ&A』(平成20年2月)によると(参考資料3)、家庭ゴミに含まれる可能性のあるアスベスト製品は、すでに相当以前に使用禁止になったり、メーカーによる代替化措置が講じられることによって、ほとんど混入する可能性は極めて少ないことがわかる。となると、可能性として考えられるのは、震災ゴミ以外にはないのではなかろうか。いずれにしても、両方のゴミ中のアスベスト調査を徹底的に行う必要がある。
なお、今後、工場周辺に飛散したアスベストによる中皮腫等の健康リスク評価を行う際、以下の文献が参考になる。
車谷典男・熊谷信二『尼崎クボタ旧神崎工場に発生した周辺住民の中皮腫の疫学評価』(2006年3月31日)
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福岡講演は200人近い人が参加しました。ここで山口県下関の住民の方も来られていました。山口県下関市は、一番近い場所(彦島)で、北九州の焼却工場から海を挟んで、2.7キロから5キロしか離れていません。直接、排出した煙が襲います。北九州のガレキについて、山口県議会議員が複数で、北橋北九州市長に申し入れをしています。山口県側からの焼却一時中断と山口県での説明会の開催を北橋市長に要求しています。放射性物質とアスベストのダブルの脅威にさらされることになる、この地域の住民は、あまりにも理不尽な立場です。
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