唐史話三眛

唐初功臣傳を掲載中、約80人の予定。全掲載後PDFで一覧を作る。
その後隋末・唐初群雄傳に移行するつもりです。

高祖前史 その3

2020-06-17 10:01:39 | Weblog
高祖前史 その3
隋煬帝としての大業十四年/傀儡政権としての義寧二年/5月以降は唐の武徳元年
正月丁未朔,隋恭帝[代王]詔唐王劍履上殿,贊拜不名。
簒奪に向けて準備を重ねていきます。

東都では李密と隋将王世充が激戦を重ねています。主役はそちらのほうで、唐王は辺境の反乱者でしかありません。

二月、山東方面への経略に務めます。

三月丙辰,隋煬帝が江都で麾下の宇文化及に殺されます。これで地方情勢が一変しました。今まで隋への忠誠に縛られていた者達が遠慮なく自立や服属できるのです。
化及は秦王浩を擁立して傀儡政権を作りましたが、江都を捨て東都へ帰ろうとして北上していきます[隋臣のほとんどは關内の蕃族出身なのです]。

三月戊辰,隋恭帝進唐王位相國,總百揆,備九錫,唐國置丞相等官,立四廟。
簒奪第二段階です。これで全権を握ったことになります。

五月武都、宕渠、五原等郡皆降,張長遜為五原太守。

五月、蕭銑即皇帝位於荊州,置百官,准梁室故事。
銑は「後梁」の一族です。煬帝が死んだのでこのように各地に皇帝や王が自立していきます。
荊南・嶺南の広い範囲が銑の支配下に入ります。

五月甲子,即皇帝位於太極殿。
隋東都留守元文都及左武衛大將軍王世充立越王侗為皇帝。
簒奪完成しました。東都でも傀儡政権ができあがりました。

五月辛未,突厥始畢可汗遣骨咄祿特勒來,宴之于太極殿,奏九部樂。
突厥が高祖を冊立した事をさらりとごまかして書いています。突厥の属国というのが唐の立場です。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 高祖前史 その2 | トップ | 武德元年 西暦618年 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事