唐史話三眛

唐初功臣傳を掲載中、約80人の予定。全掲載後PDFで一覧を作る。
その後隋末・唐初群雄傳に移行するつもりです。

黒餅

2006-09-19 18:38:25 | Weblog
「勅使たる俺にこんなゴミのようなものを食わせるのか」

陝州の山中の驛のことである

地方に使いした宦官達は権威を振り回している。

宿泊した宦官達は夕食に出た餅をみて激怒した。

雑穀がまじり黒ずんだ餅はみるからにまずそうである。

勅使として常に最高の食事を出されていた宦官にとって
はがまんのならないものであった。

「この付近ではこんなものしか手に入らないのです」

驛吏は必死で謝罪するが、かえって宦官を逆上させるだけだった。

「殺されずにすんだだけありがたいと思え」と

宦官達は驛吏たちを激しく鞭打って去っていった。

驛吏達より報告を受けた観察使高少逸は

その餅を封じて宣宗皇帝に進め弁明した。

「お前達は思い上がっている、深山では食を得ること自体が大変なのだ」

「民の苦労を味わってこい」と

皇帝は怒ってその宦官達を陵墓の番人に追放した。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 守門 | トップ | バランス »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事