唐史話三眛

唐初功臣傳を掲載中、約80人の予定。全掲載後PDFで一覧を作る。
その後隋末・唐初群雄傳に移行するつもりです。

餞別

2006-07-30 09:25:25 | Weblog
「エッ!、遊懷が戻ってくるのか」

「まさか? あいつの子供は謀叛を起こしたんだぞ」

「免官や左遷は当然と思っていたが」

朝から邠寧節度府は大騒ぎである。

節度使韓遊懷が、子供の謀叛のために離鎮して二週間。

まさか戻ってくるとは誰も想像していなかった。

遊懷は上に良く、下に厳しい人間であったので、

邠寧での將士の評判は極めて悪い。

しかし皇帝の信任は厚いということで皆はガマンしていたのだ。

そこに子欽緒が謀叛に連座するという事件が起こった。

將士のふんいきは

「ざまあみろ、あいつもこれで終わりだ」

「餞別も見送りもいらんだろう」

というもので、離鎮する時は誰も見送らなかったのだ。

ところが、遊懷は皇帝に謝罪するとともに、
辺境の築城について持論を滔々とぶちあげ
感心した皇帝は罪を許し復帰させることにしたのだった。

「奴が戻ってきたら大変だな・・・・」

「今から機嫌をとってもどうなるものでも・・・」

代表格の范希朝は荷物をまとめて鳳翔に逃げる準備を始めていた。
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