下北沢

今や若者の街となって下北沢だが、僕が生まれ育った昭和２０年後半から.３０年前半は静かな住宅街であった。僕が生まれたのは、下北沢から世田谷代田に行く途中。代田の住民の多くは下北沢で日常の買い物をしていた。肺切除をし、呼吸がままならない母でさえも、下北沢に出掛けて買い物をしていた。代田より格段に安かったのである。
つつじヶ丘に移っても縁は切れなかった。桜美林に行くのには、明大前から井の頭線で下北沢で乗り換えて町田に向かった。井の頭線が数分遅れただけで僕はやきもきし、腕時計と睨めっこをし、乗り換え通路を走った。
その下北沢が駅が地下に潜り、建て替えられると言う。どんな駅になるのか楽しみである。しかし、井の頭線への乗り換えは時間も掛かり不便になりそうだ。
下北沢はこれから再開発が進むだろうが、街の変貌も気になるところだ。３軒あった映画館もなくなり、20年代から残っている商店も少なくなってしまってた。僕にとっては寂しい限りである。