11月6日のブログで四次元球や四次元立方体について考えてみました。
ところでこれら球や立方体の表面積、体積は一体どうなっているでしょうか。
半径をrとするとき
二次元円の円周は2πr、面積はπr²
三次元球の表面積は4πr²、体積は4πr³/3、以上は学校で習いました。
四次元球の表面積は2π²r³、体積はπ²r⁴/2であることがわかっています。
円については面積をrで微分すれば円周、球については体積をrで微分すれば表面積という関係になっています。
逆に言えば表面積を積分すれば体積になります。
今半径rの球の表面積をSとして、この球の半径をごく微小のΔrだけ増やした時の体積の増分ΔVはΔV=SΔrとなりますから、S=dV/drすなわち体積をrで微分すれば表面積となることがわかります。
半径が同じrであるとき、次元を上げてゆくと表面積は七次元球が、体積は五次元球が最大になることがわかっています。
立方体ではどうでしょう。
一辺をaとするとき
二次元正方形の周囲は4a、面積はa²
三次元立方体の表面積は6a²、体積はa³です。
四次元立方体の表面積は8a³、体積はa⁴であることがわかっています。
正方形については面積をaで微分すれば周囲の半分、立方体については体積をaで微分すれば表面積の半分という関係になっています。
一辺をaではなく2aと置けば半分ではなく球体と同様、体積の微分が表面積になります。
これは一辺をaにすると、aをごく微小Δaだけ広げても正方形または立方体の中心から見れば辺までの距離a/2を四方へΔa/2づつしか広げていないことによるのだと考えられます。
四角でなく三角の場合は
二次元三角形の面積は底辺×高さ÷2
三次元三角錐の体積は底面積×高さ÷3とここまでは学校で習いました。
四次元三角錐の体積は底体積×高さ÷4となることがわかっています。
三次元では底面積だったものが四次元では「底体積」という訳のわからないものになるところが四次元らしいところです。
この公式は三角錐だけでなく円錐、四角錐など錐体に共通です。
ところで、学校で錐体の体積の公式を習ったとき、どうしてちょうど柱体の1/3になるのだろうと、とても不思議に思ったものです。
これを証明するには積分の知識が必要ですが、立方体の場合簡単には次のように考えて理解することができます。

立方体(a)を(b)、(c)、(d)の3つの四角錐に分けます。
(b)、(c)、(d)はどれも合同ですから体積はそれぞれ(a)の1/3となります。
鉛筆は円錐状に削って使いますから、1本の鉛筆もその2/3は削りかすとして捨てていることになります。
面積と体積の不思議な関係のお話しでした。
関連ブログ:
・四次元世界(2012.11.06)
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