佐々木かをり氏をご存知でしょうか? eWoman(http://www.ewoman.co.jp/)を経営されている、とてもアクティブな女性 創業者社長です。
この佐々木氏が、8月28日(確か?)の日経新聞 朝刊の一面を使って、意見広告をだしていました。
それは衆議院選挙と同時に行われる「最高裁国民審査」で、きちんと国民の意思を示しましょう、特に、「一票の格差を是認する判決」は許されないので、趣旨に賛同されるなら、合憲とした裁判官に不信任の意思表示をしましょう、というものでした。
広告中には、対象となる9名の各裁判官の名前が、審査投票用紙と同じ順番にに並べられていて、2007年6月に最高裁が判断を下した「一票の格差2.17倍」は合憲という判決で、合憲とした(2名)、意見付与して合憲とした(1名)、関与していない(6名)、が、非常にわかり易く書いてありました。
この意見広告は、多数の著名人の賛同者の顔写真までつけた、それは人目を引くものでした。
さって、結果は、ご存知のように全員が信任されました。
さて2009年の衆議院選挙。 有権者の最も多い千葉4区の一票に対し、最も少ない高知3区の一票は2.30倍の価値があり、
その他、2倍を超えた選挙区が46あると、選挙前から報じられていました。
結果、高知3区では、75.554票を獲得した自民党 山本有二氏が当選。
(次点 民主 中山知意氏 64,777票 落選3候補獲得票合計 76,232票)で7万票獲得が当落のポイントでした。
同じ高知県1区は、何と 44,060票を獲得した 自民党 福井照氏が当選。
(次点 無所属 橋本大二郎氏 39,326票、落選4候補獲得票合計 91,405票)
どちらも13万票~15万票の総投票者から1名の代議士を選んでいます。
皆さんの選挙区では、10万票をとった候補者が、更に多い十数万票を獲得した候補者の為に落選するという事がありませんでしたか?(都市部では、沢山、こんな事が起こっていますよ。是非、ご確認を)
本来なら、10万票を獲得したどちらの候補も当選。高知の10万票以下の信任しか得られなかった両候補は落選となるべきでしょう。
一票の格差が2倍超ということは、こういう事なのですね。もの凄い重みの違いです。
最高裁裁判官の審査は、「任命後初の衆議院議員総選挙の投票日に審査を受け、その後は審査から10年を経過した後に行われる総選挙時」
となっています。 一度信任されてしまうと、再審査を受けるのは10年後。 最早、2倍以上の格差を是認した判事達は、不信任という国民の洗礼を受ける機会はないでしょう。
だから、この「最高裁判所裁判官 国民審査」は、裁判官を審査できる非常に貴重な機会で、とても大事なものですね。大切にしなくてはいけませんね。 今回は、佐々木かをり氏の想い届かず、という結果になってしまいました。
*注)投票率は、この考察にいれていません。 今回の選挙区で最も投票率が低かったのは千葉県の64.9% 全国平均69.3%より大きく下回って最下位です。あきらめてしまったのでしょうか?
最後まで読まれた方、長文にお付き合い頂きありがとうございます。