もっともっとNippon

日本がもっと豊かな国にならないか、と思ってい、気がついた事をコメントします。ご意見、異論、反論も募集中です。

2011年は、Jobless Recoveryの年に

2011-01-02 01:01:03 | 日記
年が明けましたね。おめでとうございます。 さて、NHKで「日本の生きる道2011」を放送を見ましたが、いつも、非常に残念に思います。 それは、「日本企業の成長と日本の成長」を未だに、同じように考えていることです。

この種の番組では、必ず
1)安い製品をより多く、という戦略を改め、高付加価値で海外市場を狙おう
2)新興国の社会インフラにソリューションを提供する力をつけよう
などが、常に議論になります。(年末のテレビ東京の番組もそうでした。)

1)について 
海外に生産工場を移してしまった製造業には、商品の高付加価値化は、全く関係ないことです。勿論、高付加価値化は技術発展とともに進められるでしょう。しかし、生産を海外に移してしまえば、高付加価値化は、成長の必須条件ではなくなります。同じ技術を使って新興国内で生産するだけでも、充分、競争力は確保されます。 急拡大する新興国市場では、適正な技術で安価に製品を供給できるかが、市場獲得のカギになります。

日本で生産する事を前提にすれば、高付加価値製品への移行こそが成功の必須条件となりますが、日本での生産を諦めてしまえば、市場が限られている高付加価値化商品の市場だけに力を入れる必要はありません。

企業の成長を考えれば、市場の限られる商品の高付加価値化を迫られる日本国内での生産を諦めることが、企業戦略としても理にかなっています。既に、この2~3年で多くの製造業企業が海外に生産基盤を移しました。2010年後半をみても、発表される投資計画は国外ばかりです。 

恐らく2010年度の多くの製造業の決算は、きっと不況にあえぐ日本程に、悲観したものにならず、2011年は、多くの日本企業は、再び成長を始めるでしょう。

しかし、日本企業の業績が回復しても、日本での雇用が生まれない環境になってしまっている、日本企業の成長と日本の成長は、急速に一致しなくなりつつある、という事を認識するべきです。 Jobless Recoveryです。

2)について
日本企業の成長を考える時に、これは当を得ていますが、現地インフラである限り、雇用は現地国で生まれます。日本での雇用増には、ほとんど結びつきません。


議論をする時には、日本企業の成長戦略を述べているのか、日本の成長戦略を述べているのか、明確に分けて考えないといけない時にきています。そして、日本で如何に雇用を生み出していけるのかを見定めて、実行を始めなければいけない、2011年は試練の年になるでしょう。


そして、企業の成長戦略は、優秀で経験豊富な企業自身が一番良く知っています。政治家が考えなくてはならないのは、如何に日本の市場を魅力的にして、日本で雇用を生む企業が育ってくれるか、ということでしょう。



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