1970年
「ことしこそ一軍でがんばるゾ!」とハッスルしているのが、村越捕手、昨年神奈川大から入団して二年目の大型捕手である。ノッポの村越が張り切る理由は二つある。一つは仙台商からドラフト1位で入団してきた八重樫へのライバル意識。もう一つは新婚早々で「女房の分まで働くゾ」というわけ。旧ろう十二月に新家庭を持った村越という男、よほどきちょうめんな性格なのか愉快なエピソードが残っている。昨年のシーズン中、ファームにいた村越は武山球場での練習が終わると、佐藤コーチにまじめな顔でこう尋ねたという。「佐藤さん、もしボクが結婚するとしたら監督の許可がいるんでしょうか?」これには佐藤コーチも口をあんぐり。「バカだなおまえも…。おまえが好きで結婚の相手に選んだ娘さんを監督がいいの悪いのというとでも思っているのかい?いくら監督の権限が絶対だといっても、そこまで監督する監督などいるわけがないじゃないか」と大笑い。「そうですか、ボクはまた一人前になるまで結婚なんておあずけかと思っていました」「でも、結婚したら責任が重くなるんだからいま以上にがんばらなきゃダメだゾ」というわけで、村越の意気込みは大変なものだ。
「ことしこそ一軍でがんばるゾ!」とハッスルしているのが、村越捕手、昨年神奈川大から入団して二年目の大型捕手である。ノッポの村越が張り切る理由は二つある。一つは仙台商からドラフト1位で入団してきた八重樫へのライバル意識。もう一つは新婚早々で「女房の分まで働くゾ」というわけ。旧ろう十二月に新家庭を持った村越という男、よほどきちょうめんな性格なのか愉快なエピソードが残っている。昨年のシーズン中、ファームにいた村越は武山球場での練習が終わると、佐藤コーチにまじめな顔でこう尋ねたという。「佐藤さん、もしボクが結婚するとしたら監督の許可がいるんでしょうか?」これには佐藤コーチも口をあんぐり。「バカだなおまえも…。おまえが好きで結婚の相手に選んだ娘さんを監督がいいの悪いのというとでも思っているのかい?いくら監督の権限が絶対だといっても、そこまで監督する監督などいるわけがないじゃないか」と大笑い。「そうですか、ボクはまた一人前になるまで結婚なんておあずけかと思っていました」「でも、結婚したら責任が重くなるんだからいま以上にがんばらなきゃダメだゾ」というわけで、村越の意気込みは大変なものだ。