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プロ野球 OB投手資料ブログ

昔の投手の情報を書きたいと思ってます

迫田七郎

2018-01-06 14:31:27 | 日記
1965年

「ローテーションに確実にはいる投手が五人いる」と真田コーチはいう。小山、坂井、妻島、西そして迫田である。さる十三日小野田での対大洋戦で迫田はすばらしいピッチングをした。4イニングス投げて被安打1。「あんないいピッチングされたらワシらが出る幕はないがな」と小山がいったほどすごい投球内容だった。癖ダマの持ち主である。直球は外角へいけばナチュラルにスライド、内角にはいるのは小さくシュートする。スピードも豊かだ。カーブはまず普通だが沈むタマがとりわけいい。本人は「シュート」というがシンカーの感じ。三十㌢ほど落ちているようにみえる。メガトン打線といわれる大洋もこのタマにはかすりもしなかった。中央球界には無名の鹿児島照国高の出身。高校を卒業すると大阪の板谷商店に勤め軟式野球をやっていた変わりダネ。野球選手の消息には地獄耳の青木スカウトが彼のうわさを聞きテストの結果採用した。入団一年目の昨年イースタン・リーグで12勝をあげ最優秀投手に選ばれた。シーズン後半一軍に昇格したが勝ち星なしの1敗だった。しかしこの公式戦での投球を見て真田コーチは「来シーズンは使えるぞ」と見通した。あこがれのハワイキャンプにも選ばれて参加した。ここまで自力でのし上がってきた。そしてことしから投手陣の一翼をになう。東京のホープといえばすぐ巨額の契約をもらって入団した山崎、井石とくるところだが、彼らの盛名よりもテスト生あがりの迫田の台頭の方がもっと価値がある。ホープにとり上げたゆえんだ。ベンチで迫田を捜した。背番号43はなかなか見つからない。中西投手にたずねてみると「どこにいるかわからん存在だがいいピッチャーですよ」とほめた。ハワイ焼けしたナインのなかでとりわけ黒い顔が迫田だった。ことしの目標を聞くと小さな声で「ローテーションにはいりたい」とボツリと答えた。これはもうOKだ。何勝したい?しばらくたってから「まず1勝」マウンド上では奔放大胆なピッチングをするのにふだんはこのように口数も少なくおとなしい。真田コーチは「完投能力もある。きっかけさえつかめば10勝や15勝はかせぐ」とみている。大いに期待される投手である。

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