1989年
ヤクルトの新外人ロン・デービス投手(33)=192センチ、90キロ、右投げ右打ち=三十日、神宮室内練習場で初練習、前日来日したばかりとは思えない軽いテンポで35球を投げ込んだ。投球フォームは横手投げに近い。長い腕が「体に巻きつくように」(小谷投手コーチ)振られ、低めに力のある球を集めた。変化球はフォークボール、スライダーが中心。横手からだけでなく、時折アンダースローも交えるなど変幻自在の投球ぶりだった。時差の関係で疲れはあるものの「状態は非常にいい。きょうからベンチ入りできないのが残念なくらい」と、デービスはやる気を見せた。-両日中にも一軍登録され、六月三日からの中日2連戦(神宮)からマウンドに上がることになりそうだ。
七回無死二、三塁でヤクルトは新外人のデービスを初めて投入した。大リーグ通算130セーブの輝かしい戦歴。気後れしたようにジョージが144キロのストレートで三振。落合の四球も、ヤクルトベンチにしてみれば「かえって守りやすいぞ」だった。その時、宇野は入念にタイミングを計っていた。「四球のあとはストライクを取りにくる。まっすぐだけを待った」ヤクルトの捕手中西は、おそらくデービスのストレートに魅せられていたのだろう。迷うことなく直球サイン。144キロ。宇野のバットは完ぺきに捕らえた。
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