1957年
昨年八月神宮球場で行われた全日本大学野球選手権で関大が全国制覇した時の殊勲者は村山ー上田のバッテリーに平井ー難波というところだった。私はあまり目立った働きこそしなかったが、六番を打っていた西出のあらいプレーに注目していた。西出はどちらかといえば力だけの無器用な選手で、まだまだ完成された選手ではない。それだけに物足りないところがある半面、これから伸びる希望を私は感じたのである。守備では肩が強いこと。これは高校時代から彼の十八番だけに三宅などにヒケはとらないが身体が固いためかんじんなフットワークが十分でないのは致命的だ。このためダッシュがなく前後は強いが、どうしても左右に弱いのだ。前のゴロでもゆるい当たりが苦手なのもそのため。打率でも身体の固いことが欠点となって、いまのところはあなの多いバッティングだ。内角寄りでベルトから上のコースには絶対強く、リキがあるだけにこのコースにきた球はロングを飛ばすが、どうしても外角球には弱い。フォームに柔らか味がないのだ。川村関大監督も「バッティングのスケールはあるが、ムラがあるのが欠点だ。最初一発打てばつづけて打てるが、ひとつポイントをはずされるとさっぱり。別にお天気バッターではないのだが、調子づくと外角球も打てるのだが…」と語っていたし、御園生二軍監督も「いまのバッティングならプロの変化球は打てないだろう」と批評はきつい。身体に柔軟性を持たせることはもちろんだが、いままでのように力まかせではなく、もうすこしミートとタイミングに重点をおいて打つように心がければ、打てない外角球や低目の球にも手が出るようになるのではないだろうか。足もあまり速い方とはいえないが、足は野球の基本、すこしでもスピードをつけるようにしなければならない。こう書いてみる西出は、欠点ばかり多くて、あまり長所はないようだが、決して悲観することはない。まず彼は人一倍練習熱心なのである。西出は阪神渡辺博選手の母校大阪桃山学園高出身、二十八年関大に進んだが、高校、大学とも最上級生になるまで補欠であった。だがいつも持前の努力で、レギュラーになった時はつねにチークの中軸として働けるようになっている。大阪からのキャンプ便りでも「西出は大学生ながらいつも一番先にグラウンドに出て、最後まで練習している」と御園生二軍監督が感心していた。「彼はバッティングにしても守備にしてもまだまだ未完成なところばかりだ。しかしリキがあるだけに二軍でみっちりしこんでみたいと思っている。ヤマは二年間、ここで彼のプロ選手としての将来がわかるだろうが私は最近ウチにスケールの大きな選手が少なくなっただけになんとかものにしてみたい」という御園生二軍監督の言葉に彼のすべてが語られているようだ。
昨年八月神宮球場で行われた全日本大学野球選手権で関大が全国制覇した時の殊勲者は村山ー上田のバッテリーに平井ー難波というところだった。私はあまり目立った働きこそしなかったが、六番を打っていた西出のあらいプレーに注目していた。西出はどちらかといえば力だけの無器用な選手で、まだまだ完成された選手ではない。それだけに物足りないところがある半面、これから伸びる希望を私は感じたのである。守備では肩が強いこと。これは高校時代から彼の十八番だけに三宅などにヒケはとらないが身体が固いためかんじんなフットワークが十分でないのは致命的だ。このためダッシュがなく前後は強いが、どうしても左右に弱いのだ。前のゴロでもゆるい当たりが苦手なのもそのため。打率でも身体の固いことが欠点となって、いまのところはあなの多いバッティングだ。内角寄りでベルトから上のコースには絶対強く、リキがあるだけにこのコースにきた球はロングを飛ばすが、どうしても外角球には弱い。フォームに柔らか味がないのだ。川村関大監督も「バッティングのスケールはあるが、ムラがあるのが欠点だ。最初一発打てばつづけて打てるが、ひとつポイントをはずされるとさっぱり。別にお天気バッターではないのだが、調子づくと外角球も打てるのだが…」と語っていたし、御園生二軍監督も「いまのバッティングならプロの変化球は打てないだろう」と批評はきつい。身体に柔軟性を持たせることはもちろんだが、いままでのように力まかせではなく、もうすこしミートとタイミングに重点をおいて打つように心がければ、打てない外角球や低目の球にも手が出るようになるのではないだろうか。足もあまり速い方とはいえないが、足は野球の基本、すこしでもスピードをつけるようにしなければならない。こう書いてみる西出は、欠点ばかり多くて、あまり長所はないようだが、決して悲観することはない。まず彼は人一倍練習熱心なのである。西出は阪神渡辺博選手の母校大阪桃山学園高出身、二十八年関大に進んだが、高校、大学とも最上級生になるまで補欠であった。だがいつも持前の努力で、レギュラーになった時はつねにチークの中軸として働けるようになっている。大阪からのキャンプ便りでも「西出は大学生ながらいつも一番先にグラウンドに出て、最後まで練習している」と御園生二軍監督が感心していた。「彼はバッティングにしても守備にしてもまだまだ未完成なところばかりだ。しかしリキがあるだけに二軍でみっちりしこんでみたいと思っている。ヤマは二年間、ここで彼のプロ選手としての将来がわかるだろうが私は最近ウチにスケールの大きな選手が少なくなっただけになんとかものにしてみたい」という御園生二軍監督の言葉に彼のすべてが語られているようだ。
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