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プロ野球 OB投手資料ブログ

昔の投手の情報を書きたいと思ってます

城戸則文

2016-11-15 21:49:27 | 日記
1962年

「城戸ってどんな男だい」と聞かれて真っ先に浮かぶのは青い顔と金歯だ。この二つは深い関係がある。プロ入り三年目の三十四年、城戸は近鉄の黒田(勉)投手からアゴに死球をくらって口の中がグチャグチャになった。それまでは「コンクールに出たら一等になる」ような真っ白な歯だったそうだ。死球がケチのつきはじめで虫歯にとりつかれ、いまでは自分の歯は一本もなくなった。金歯はそのときのもの。元来胃がじょうぶでなかったのがこれで慢性になった。「目がさめるとスッぱい液が朝のあいさつをするんだ。青い顔がますます青くなりました」悪いことにウエスタン・リーグのホームラン王(33年)はボール恐怖症にもなった。「死球から顔が逃げるようになった。手が手長ザルのように長いから外角球でもバットを当てることはできるが、ヒットがでない」こう酷評された城戸が青い顔にほんのりくれないを浮かべて決勝の三塁打を説明した。「内角寄りの直球でした。シュートしたかな。きょうは球に向かっていった」城戸は常盤高出身、坂井は田川中央高から専大に進み、それから大毎。プロ入りしたコースは違うが、高校ではよく対戦したので気安さがあったという。「走者が出ると坂井はスピードがなくなった。それにしてもぼくにしては真シンの当たりだった」開幕以来四本目の安打。打点ははじめて。六本のバットと製菓会社の三塁打賞をもらって城戸は宿舎へ。その途中で「きょうは腰が逃げなかったでしょう」と思い出したように笑った。キャンプで中西監督は三塁城戸、一塁田辺を打撃競争させた。「負けた方のポジションをオレが守る」と中西監督はいった。城戸は「いまのところ完全にぼくの負けだ」と率直に認めている。十八日、中西監督が二十四日の大毎戦から三塁を守ると声明した。「あの声明が刺激になった?城戸はしばらくニヤニヤしていた。「とにかく試合に出たら体当たりでいく。まだ二十二歳ですからね。先は長いですよ」この話を中西監督にしたら「体当たりでいくって?いい刺激になったな。オレは別に出なくたっていいんだ。ほんとうはそれの方がいいんだ」とうれしそうな顔をした。

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