成田文男

1970年
第二戦の先発とみられる成田は、約60球投げたが、タマにのびがなく、カーブ、チェンジアップなど変化球が多かった。セット・ポジションから投げたときは、モーションに気を配っていたが、これは巨人の足をよほど警戒しているからだろう。

山本勝則

1987年
プロに入ってフォークボールを覚えたが、ウイニング・ショットは、ストレート。常時、140㌔近くはでる。山本は「渡辺さんのように速球で押せる投手になりたい」とキッパリいう。首脳陣も「体ができてくれば、将来ウチを背負って立つ選手に育ってくれるだろう」と将来のエースにかける期待は大きい。

ビル西田

1959年
巨人軍にいたときアメリカ陸軍から召集をうけ、除隊後はドジャースのファーム・チームで働いた。この時にチェンジ・アップをマスターしたのがプラスとなり、昨年東映と契約して16勝をあげた。とくに西鉄に強い。ハワイ生まれだけにウクレレの名手である。

久保田治

1959年
駒沢大学を中退してプロ入りしただけに素質はあるが、ジが悪く、昨年暮にはもうすこしでクビになりかけたほど。性格的に弱いところがあるので、切れのいいシュートとシンカーも威力にかける。身体をひらいて投げる特異なフォームの持主だ。

鈴木隆

1959年
大洋きってのきかん坊といったところ。ことしで、プロ二年目だが、昨年のキャンプでは「どんな打者でも三振をとってやる」といきまいて同僚をおどろかした。メクラにへびにおじずといったらいいすぎかも知れないが、とにかくこわいものなしのピッチング。タコ踊りのような特異のフォームがおもしろい。ドロップやシュートも鋭いが、ムキになって投げる直球を打たれることが多い。ことしも左腕を駆使して上位チームをまどわすだろう。首位戦線かく乱の主。

土井豊

1959年
阪神には貴重なサウスポーの一員だ。シュート、速球、カーブと球質は豊富で制球力が加われば鬼に金棒。昨年2勝1敗と星こそ少ないが安定したフォームと自信で昨年の実績は軽くあげられそうだ。

井洋雄

1959年
ことし入った新人投手の最右翼。ピッチング・フォームは完全に出来ていると、コーチ陣はご自慢だ。速球にコントロールがあるので、シーズンに入ってカーブ、スライダーをうまく使えこなせるようだと面白い存在になるだろう。球は案外軽そうなのが心配だが…。

布施勝巳

1959年
毎年立上がりがおそく、調子がよくなった時はもうシーズンも終りという状態だったが、昨年結婚、義父が「10勝したら自動車を買ってやる」というので、今期はガ然張り切っている。シュートとシンカーが武器で、筒井コーチはリリーフ投手に仕込んでいる。

牧野伸

1959年
プロ二年生の三十二年に15勝をあげたが、昨年は原因不明の腰痛でなやみ、一年を棒にふった。今シーズンは腰も直り、筒井コーチは土橋よりも働くのではないかといっているほど。スクリューボールとスライダーが武器で、これが低目にきまると、西鉄も手こずるくらいだ。