プリマベーラ進化論。

不思議の国のアリスは、
大海原に小舟で漕ぎ出ました。

nec liber indicium est animi.

2006-05-17 20:27:32 | キャンパスライフ
本も精神の証明ではない。

今日のラテン語の授業で扱った詩の1節です。
たとえば私が『30分で出来る時限爆弾の作り方』という本を書いたからといって、
私がテロリストである証拠にはならないっていう話です。

この言葉が発せられた状況はというと、
確か政治批判的な本を書いた人物が謀反の疑いを掛けられたっていう感じだったと思うのですが。
(いかにも古代ローマ時代にありそうな状況ですね)

この言葉は私にとっては新鮮な響きをもって訴えかけてきました。
言葉が文章を紡ぎ、文章が本を編み上げていくとなれば、本はその人の精神を宿す作品だと考えていたから。
でもよくよく考えてみれば、本に言葉が固定化された時点でそれはもう自分からは切り離されて自由に歩き出してしまうし、
言葉にしたためたときに思っていたことは、時を経ればどんどん更新されていってしまうんだから、
確かに本はその人の精神の証明にならないのかもしれません。

でもやっぱりその人から紡ぎ出された言葉はその人を反映していると思うし、
その人を理解するのに言葉は少なからず重要であるでしょう。

それはきっと楽器の音色も同じ。
その人から奏でられた音はその人を反映しているし、
言葉と違って解釈というバイアスが掛からないからもっとその人を顕著に表現してしまうかもしれない。


・・・日々いろんな経験をして考えて、自分の中にいろんなピースを溜めていったら、
愛にあふれた人生のジグソーパズルが完成するかしら。