プリマベーラ進化論。

不思議の国のアリスは、
大海原に小舟で漕ぎ出ました。

ワンダーランドへの入口につながる部屋。

2010-05-02 12:01:46 | つぶやき
朝からまた洗濯機を回して、お風呂場の掃除をして、
昨日やり残した部屋の片付けに取り掛かる。

誰もいない部屋にひとり、昔好きだった人が教えてくれたCDをかけて。
今でも彼は大切な友達だけど、私の中に残る彼の残した想い出は、
結構ロマンチックで、時々引っ張り出しては馴染むのだ。

彼の美意識は見習うところが多い。教わったものはいくつあるだろう。
ちょっとおしゃれな雑貨とか、部屋をきれいに飾ることとか。

だから私も背伸びしてみる。
自分のことや自分の住んでいる場所を「飾る」ということ。
それが「空想」の中で生きることじゃ味わうことのない、
地に足のついた楽しみがあるってこと、はじめて知ったから。

高校生のころからお世話になっている美容師さんと、
しみじみいつも話すこと。「きれいになるって大変よね」
でも老若男女、自分らしく美しくある努力って永遠に続くのだと思う。
それは、見た目だけでなく「どのように生きたいか」ということ。

***

私にとって、仕事というか働くことがとても大切で。
でも同時に誰かを大切だと思う気持ちが、人生に欠かせない。
人間はあまりたくさんのものを持って歩くことはできないから、
知識ならば自分の一部になるまで繰り返し染み込ませるし、
思想ならば自分の軸になるまで、何度でも考える。

それならば人間関係は??

時間がとどまってはくれないように。
水が常に高い場所から低い場所に流れるように。
季節が春夏秋冬移ろっていくように。

たくさんの人の人生が交錯して社会が成り立っている。
その何十億の中からめぐり合う人生。それは奇跡に近い。
悲しむべきか、人間関係もひとところにとどまってはくれず、
何度でも思い出になっていく。何層も、心に積もっていく。
だから、私はちっとも悲しくはないのだ。

今の地球から、いろんな要素を引き算してみればわかること。
痛み、悲しみ、喜び、笑い、怒り…あらゆるものに無駄はない。
ただ憎むべきは、悪意や欺瞞、故意に傷つけあうこと。

そんなものはいらない。でも人間は完全なものではないから。
傷つけあって、泣くこともある。数奇な運命をたどることもある。
それでも…あぁこの世の中は一体どうして美しいのだろう。

神が人を裁くのか。人と人は許しあうことのみ許されているのか。
誰も誰かを傷つけることはできない身でありながら、許すという行為を教えられた。
笑うということ、言葉を持つことを与えられた私たちは、何を学ぶべきなのか。

***

つい2年前までは、ワンダーランドの入口さえ見つけられていなかったのに。
いらいらして、くすぶった感情のぶつけ場所さえも分かっていなかったのに。

世界中に電気を届けたり、人々の生活を豊かにするものを届けたり、
そういうお仕事の一端を知ったから、そしていろいろ経験したから、
もしかしたら、今ワンダーランドの入口につながる部屋を見つけたのかも。

そんな空想をしながら、電卓をたたく。カードの請求書を見る。
ひどく現実。でも生きていくってそういうこと。

***

それならば、人間関係は??

壊してしまうことは一瞬で、構築するにはエネルギーがいる。
維持をするにも愛がいる。大切な人をどこまでも大切にするには。
25年間。私は破壊の天才だったと思う。

でもそうじゃない。大切にすること、その方法が最近少し分かった気がする。
それは中学時代の相方、高校時代の相方、浪人時代と大学時代の仲間…
あとたくさんの甘美な時間をくれたヒトたち、そして家族。
今、私の周りにいるたくさんの人に教わったこと。

それならば人間関係は??
疎密波のように寄せては返し、また寄せる。
よく分からない、これも幻想だったりして。