大泉の仲間たち

大泉高校15期生の交流/親睦のためのブログです。

スタートアップ企業育成

2022-10-07 09:31:11 | 日記

 先頃に、政府がスタートアップ企業の育成を図る、と言い出し
ました。なんか、小手先な活動にて、成果を上げて済ます企業が
多く出来てしまうような気がします。^^; ま、それはそれで結構
なことなのでしょうがね。

 今までの日本の産業をを支えてきたのは、絶え間ない技術開発
と製造現場での惜しみない努力の積み重ねなど、製造力の向上に
依るものが大きいものと思います。これらには、すぐには成果が
出ない事柄も多いものです。

 例えば、製鉄も単に鉄鉱石を熱して溶かせば良い、というわけ
ではありません。同じ鉄でも鋳造と鍛造とでは、その機能/性能
に大きな差があるのはご存知だと思います。刀を鋳造しても使い
ものにはなりません

。 中に含有される成分の比率とか、冷えて固まる際の分子の構造
や結晶構造の違いなどで異なった製品になります。現場での工夫
や研究に基づいて工夫した結果によって製品化出来たのです。

 日本には100 年を超える企業は二桁くらいあり、中には1400年
も続いている企業(宮大工の金剛組のこと)もあります。
 物を作り続けるために、製造現場は多くの工夫が生み出された
成果の積み重ねなのです。それを支える化学技術研究も大切で、
この産学協調体制が巧く組み合わされている例が見られます。
 近年は、完成品の製造に関しては、近隣の国にシフトしている
ような感がしますが、こういった努力が必要な素材や部品の開発
や製造には、日本の底力が感じられます。

 完成品の製造には、人手が必要ですから、労働力が豊富で労働
単価が安い国の方が有利なので、近年は、海外での生産が増えて
きました。しかし、これから組み立て作業のロボット化が進むと
労働単価の違いが問題にならなくなるのではないか。ロボット化
は働く人の体力や習熟度の差がカバーでき、携わる作業者の人的
資源も拡大します。組立工が製造装置とかロボットのオペレータ
に変化してくることになるでしょう。よって、製造業の国内回帰
も十分にあり得る話なのです。

 政府は、このことも考慮に入れて、産業の育成/発展には何が
必要なのか、長いスパンを考えた上での対処法を考えて欲しい。