年末年始のテレビ番組の感想


 1月5日にキーボードの故障でパソコンを富士通に修理に出していたところようやく本日戻ってきました。送付、見積もり、修理内容の確認、発注・修理、戻ってきたら今度は画像が暗くなっていて再送付、見積もり、修理中の不具合にお金を取られるのは納得がいかないと交渉、結果2回目の修理は無料、修理、そして本日到着。16日間もパソコン不在の生活を送りました。


 遅くなりましたが、年末年始のクラシック音楽番組を見た感想です。

・ラトル/ベルリンフィル「バッハ ヨハネ受難曲」
 大好きなボストリッジ、クヴァストホフがソリストとして素晴らしい歌唱を聞かせてくれ楽しめました。ただ、この曲に関心が持続するのは1時間くらいなので最後は聴き流しました。この曲はメンゲルベルク指揮とリヒター指揮の昔のディスクしか碌に聴いたことはないので、それに比べると鋭利な印象のある演奏でした。正直言ってバロック音楽ではあまり切り込みのある演奏は好みではありません。

・ラトル/ベルリンフィルの来日公演
 フルートがパユ、オーボエがマイヤーではありません。個人的にはあまり聴かないドビュッシーの牧神、R・シュトラウスの英雄なので、それで名手の姿が見れない、聴けないと自分が会場にいたら少しがっくりするかなあと思いました。いい演奏でしたが、メインが英雄の生涯では物足りないです。この手の放送はだいたいあまり魅力的でない演目の演奏会が取り上げられるのはどうしてでしょうか。ディスクとしてリリースされているかどうかがあるのでしょう。前日の演奏会はベートーヴェン英雄、フルートはパユだったみたいです。

・ヤンソンス指揮ウィーンフィルのニューイヤーコンサート
 結局、最後まで観てしまいました。輪郭がくっきりしたスケールの大きい演奏で、始めはいつものウィーンのワルツとはちょっと違うかなあという印象を持ちましたが、これはこれで面白かったです。特に、後半はモーツァルトの生誕250年ということでフィガロの結婚序曲などモーツァルトにちなんだ曲が数曲演奏されて楽しかったです。
 ウィーンフィルは女性解禁後、少しずつ女性奏者が増えてきたなあと思っていたのですが、テレビで見たところ今回は3名(ヴァイオリン、チェロ、ハープ)いました。そして、画像でも何度かクローズアップされていましたが、第1ヴァイオリンの後列にイケ面のアジア系(韓国人?)奏者がいました。ウィーンフィルの中にアジア系奏者を見たのは私は初めてです。

・イスラエル・フィルの創立60周年記念コンサート
 指揮者はメータですが、目玉は、スターン、パールマン、ズッカーマン、ミンツ、シャハム、ヴェンゲーロフの6人のユダヤ系ヴァイオリニストが登場するというものです。
 ヴィヴァルディの4本協奏曲、バッハの2本協奏曲、ブラームスの交響曲第2番他。オーケストラよりもこの6人のヴァイオリニストの演奏に聞き惚れるという内容でした。表現力も当然あるのでしょうが、まずその美音が共通した特徴点です。
 ミンツを以前、モーストリー・モーツァルトに出演した時にオーチャードホールで聴いたことがあるのですが、そのヴァイオリンの輝かしい美音は今でも覚えています。なんて艶のある音なんだろうと驚きました。ただ、ヴァイオリンン音に聞き惚れて、どういう演奏内容だったのか忘れてしまったとその時思ったのも覚えています。
 楽器の質もあるのかもしれませんが、ユダヤ系ヴァイオリンの世界ではまずこういう美音を出せる資質かあるかどうかということで線引きされるのでしょうか。
 ブラームスの第2番は創立コンサートで演奏された曲なんだそうです。私も来日公演で聴きました。高水準でしたが、「世界一の弦」と宣伝されるほどではないかなあとと思ったのを覚えています。

・ザルツブルク音楽祭2005「ヴェルディ 椿姫」
 素晴らしかったです。この年末年始では一番、それどころかこれまでテレビで見たライブ映像でも最高レベルです。まずよく雑誌で見ていたザルツブルグ音楽祭らしい斬新でオシャレな舞台デザインです。演出、舞台はこういう面白さが欲しいです。そしてウィーンフィルの美音にネトレプコのヴィオレッタには痺れました。舞台姿も美しく歌も上手いです。ヨーロッパでの人気も分かります。
 これまで椿姫はショルティ指揮、ゲオルギュー、アラーニャの映像を楽しんできましたが、21世紀の決定盤登場です。早くDVDの発売をお願いしたいのと、今後もザルツブルグ音楽祭の映像を放送して欲しいものです。

・アバド/ポリーニ/ルツェルン音楽祭
 ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番、さすがに絶品でした。ただ、この曲は凡庸な演奏でも美しく聞こえる名曲で、オーソドックスな名演奏揃いなのでそれらと比較しても上という印象はありませんでした。
 調べていたら、今年の秋にルツェルン音楽祭の来日公演があるんだそうです。S席45000円です。以前は高すぎることに怒りを覚えたものでしたが、最近はそもそも購入できるものという意識がないので、どうでもよくなりました。アバド、ポリーニ、凄いオーケストラにいくらまでなら出すか。私なら曲目にもよりますが1.5~2万円です。1500円で聴ける新交響楽団の30倍の価値があるとはとても思えません。クラシックのチケットは、バブルの崩壊後、上限はオペラ6万円台で止まっていましたが、景気が回復してきたのですぐに7~8万円なんて数字になるのだと思います。2010年には10万円でしょうか。


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