トスカニーニ/NBC交響楽団「ベートーヴェン 交響曲集」

          

 トスカニーニのコレクション・ボックスが発売されます。85枚組。調べたら、アマゾンではなんと7524円、1枚あたり88円です。これは安い。おそらく利益度外視の破格値提示は凄いです。タワーレコードはネット9990円(店頭14690円)、HMVはネット8270円(店頭18680円)の設定で敵いません。

 1990年頃に発売されたこのトスカニーニのリマスターシリーズでは、レスピーギのローマ3部作、ロッシーニの序曲集、ベートーヴェンの交響曲集、メンデルスゾーンの交響曲4・5番を持っていました。8枚なので残り77枚、聴き応えがあります。  

 予約して、販売予定とされた4月16日、24日といった日を待っていたのですが、最近メールが来て、発送予定は5月の5~6日頃とありました。ゴールデンウィーク中にじっくり聴こうと楽しみにしていたので残念。

 気分的に待ちきれなくて、手元にあったディスクを聴き直してみました。レスピーギ、ロッシーニが絶品なのは変わりありません。今回、印象が随分変わったのがベートーヴェンの交響曲全集です。以前は、せかせかして筋肉質であまり好みではない演奏の印象でしたが、ふっくらとして歌のある、バランスよくて聴き易い演奏でした。それでも全体的にはトスカニーニらしい厳しい音楽なのですが、ベートーヴェンの音楽とうまくマッチングしています。

 第2番での弦の精緻な合奏の陶酔感、第3番での強靭なリズムとカンタービレ、第7番でのたっぷりとしたテンポのスケールの大きさ、第8番での端正な美しさと堂々とした迫力、第9番での透明感、激性、豊かさ。

 どの演奏も比較的テンポ速めですがニュアンス豊かな練りに練られた立派な演奏です。特に第2番と第8番が印象的でした。メンデルスゾーンの交響曲第5番「宗教改革」も名演です。


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