宝塚歌劇花組公演「復活/カノン」(東京宝塚劇場)

          

 初めて宝塚を観ました。いやぁ面白かった。宝塚ワールドに魅了されました。ミュージカル、ダンスは好きな方で、若い頃、ミュージカル観劇を目的にニューヨークへ3回行きました。特に「クレイジーフォーユー」が好きで、シューバート劇場で3回観ました。この世にこんなに興奮するものがあるのかと嵌りました。
 その後は、バレエやオペラの方がよくなりご無沙汰だったのですが、久しぶりの踊る舞台にワクワク、興奮しました。まさかこんなに面白いとは。演出、ダンス、舞台装置、歌どれも質が高くてびっくりです。いろいろと舞台を観てきたつもりですが、こんなに豪華絢爛、金ピカで眩しい舞台は生まれて初めてです。

 日比谷線日比谷駅のA5出口から出て真っ直ぐ進むと、右側に東京宝塚劇場が見えてきます。外観は普通のビルです。チケット代行サービスでしょうか、「〇〇の会」の紙をもった人が複数います。角の先には募金をしているような女性が6~7人立っています。よく見ると箱には出演者の名前が書いてあり、ファンからのメッセージを代表で受け付けているようです。


          

 中に入ると赤い絨毯とシャンデリアで豪華です。皆さん楽しみで仕方ないという幸せな雰囲気があります。

 階段を上がり、更にエスカレーターで上がったフロアが1階席になっています。席は1階の一番後ろの中央のブロックです。席は前列の前2席の間から前方が見えるようズレて配置されています。小さい女性への配慮だと思いますが、我々大きい男性も後ろを気にする必要がなくていいです。
 後ろが気になることもあり、今回、席を予約した際に一般的に傾斜の付いている後方のブロックを選択したのですが(S席8500円)、これなら選択可能だった最前方の左右のブロックでもよかったです。広い劇場だと前方の脇はあまりよくありませんが、ここは劇場の幅もあまりないので全く問題ないです。ただ、同じブロックに熱心に拍手するおそらく古参のファンが多くいたので、後方でも中央の席がいいというファンもいるのかもしれません。いずれにしても最後方でも23列と劇場は狭く、どこで観ても悪くはありません。

 舞台と客席の間にはオーケストラピットがあり、ニューヨークのミュージカル同様にオケの練習の音がピーヒャラ鳴っていて、指揮者もいましたが、実際に演奏しているのかどうかはよく分かりません。

 観客の90%以上は女性です。晴れの観劇に気合の入った服装が多いのかと想像しましたが、結構、普段着です。また、上演中に何か独特の掛け声でもあるのかと思っていましたが、事前にしないように放送がありました。

 15:30~17:05 ミュージカル・プレイ『復活 -恋が終わり、愛が残った-』
 17:05~17:35 休憩
 17:35~18:35 レビュー・ファンタシーク『カノン』 -Our Melody-

 15時30分になると劇場が暗くなり、時間通りに始まります。復活はトルストイ原作のカチューシャの物語、かなりこってりしたメロドラマですが宝塚に期待するイメージに近いストーリーです。ミュージカルとバレエと演劇がミックスされたようなお芝居です。
 ストーリーは省略しますが、舞台装置の転換が次から次へとあって飽きさせません。ここまで転換の多い舞台も初めてです。物語は劇的に進んでいきます。中央の舞台の両脇の張り出しも長く、また、観客席とオーケストラピットの間に花道が設けられていて、前後左右に広がりがあります。ただでさえ劇場は狭いのに更に前に出てくるので目の前でスターが光り輝きます。途中で観客席の通路を使う演出もありました。こういう驚きもありワクワク楽しめます。

 休憩後はカノンというレビューショーです。リズム、タンゴ、ムードミュージック、カンカン、サンバ、ロックなどなどの音楽に合わせてめくるめくダンスの世界です。お約束のラインダンスもあり、最後はこちらもお約束でしょうか大階段を使用した演出です。繰り返しになりますが豪華絢爛、金ピカ、オールピンク、これでもかとド派手でギラギラな演出が続きます。衣装は一体何回代えているのか。こんなショーを観れば誰でも夢中になります。

 最後はオペラや演劇のような一人一人のカーテンコールはなく、幕が降りてさっと終了です。

 てっきり宝塚風の振り付け、宝塚風の言い回し、宝塚風のダンスをするのかと思っていたら、とんでもない高水準のプロの演技、プロのダンスです。少々大袈裟で大味なイメージとは違いました。素晴らしい演技、ダンスに魅せられます。

 現在の花組の男役トップは蘭寿とむで私が見てもいい男、色気があります。娘役トップの蘭乃はなも華奢ですが舞台では大きく見えて華がありました。その他、次を狙うメンバー達も魅力的です。

 本当に楽しかったです。観ておいてよかった。昨日までは宝塚を知らない人生でした。また観たい。宝塚には複数の組があり、次から次へと出し物が続きます。雪組の舞羽美海や月組の蒼乃夕妃のような宝塚らしい華やかな雰囲気の娘役も観てみたいと思いました。
 次の王冠をかけた恋の話し(エドワード8世)は好きではないので、次回は4月下旬からの雪組のドン・カルロスでしょうか。


〔2012年2月19日(日)〕

 3月24日からの月組公演「エドワード8世」の一般前売開始日で予約しようとしたのですが、土日の席は完売したのか空席なしです。平日も残り僅かで一番後ろとか2階席しか空きがないようです。男役と娘役の両トップのサヨナラ公演なので人気なのか、もともと月組が人気なのか分かりませんが、次回は前の方の席で観劇したいと考えていたので、ちょっと想定外です。蒼乃夕妃が最後なので観てみたいと思ったのですが、どうするかちょっと考えます。今後も人気公演のチケットが取りにくいのであれば宝塚友の会に入会するしかないですね。


 その後、宝塚のチケットを安売りする金券ショップがあることを教えてもらいました。確かに大量のチケットを扱っています。ただ、基本は安売りではなくてプレミア金額での高額販売です(8500円のS席を場所により9500円~25000円くらいで販売。直前まで売れないと逆に安くなるようです)。機会の限られる観光客なら喜んで利用するのですが、こういう券は何か不愉快ですね。楽しみにしていたけどどうしても行けなくなったので仕方なく売るのではない立場を利用したお小遣い稼ぎチケット。お金で解決したい人もいる訳でニーズがあるんでしょうけど。どうするかまた考えます。


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