『プーランク全作品集』






 村上春樹の『意味がなければスイングはない』を再読していたところ、プーランクが紹介されていました。そういえばプーランクあったなぁと屋根裏部屋から出してきた20枚組コンプリートボックスです。
 調べると2012年の発売でした(今もAmazonで売っていて6500円)。確かある人に勧められたプーランクの小曲を聴くために購入したのだと思います。聴いてみたけどピンとこなくて、残りはいつかと思っていたら11年後になりました。
 すごくいいです。ピアノ、歌曲、室内楽からオペラまで。どれも時間の短い小編成のものばかりですが、かっちりした構成のクラシックの名曲とは違う緩くて自然な音楽。ドビュッシーとも違う脱力系の優しい旋律です。
 この選集には村上春樹が言及している演奏者がほとんど登場するので、記述の細部まで理解が進みます。

 ところで村上春樹のこの本にはシューベルトのピアノソナタ17番が取り上げられていて、ユージン・イストミン盤が推薦されています(Appleミュージックで聴くと本当にいいです。CDで持っていた内田光子とはかなり違う)。イストミンは学生の時、初めてアメリカ、ニューヨークに旅行した際、カーネギーホールでソロリサイタルを聴きました。確かテンペストやドビュッシーなど。途中で帰る観客をもう帰るんですかと顔で追いかけながら演奏していました。懐かしいです。


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