「ザ・ハンター」(ジェニファー・ウォーンズ)

             

 「クラブ・ステラ」のジャズ&ポップス欄からの1枚です。

 こちらは、クラシック編と違い、推薦文を読んですぐに聴いてみたくなりました。グレゴリー・ポーターの「リキッド・スピリット」とジャニス・イアンの「ブレイキング・サイレンス」です。しかし、アマゾンで検索するとジャニス・イアンの方は到着が2~3週間後の予定とあり、それならと一旦止めておきました。その代わり、『私にとって本作「ブレイキング・サイレンス」は、ジェニファー・ウォーンズの「ザ・ハンター」や「フェイマス・ブルー・レインコート」と同じくらい、音楽的にもオーディオ的にも好きなアルバム。』と紹介されていたジェニファー・ウォーンズ盤を注文することにしました。

 まず、グレゴリー・ポーターの「リキッド・スピリット」の素晴らしいこと。冒頭から録音の良さ、演奏の良さが分かります。安定した低音と艶のある高音の張りのある歌声、そして落ち着きがあり、雰囲気満点のアルバムです。オリジナル曲もいいですが、「ウェン・ラブ・ワズ・キング」、「アイ・フォール・イン・ラブ・トゥー・イーズリー」は痺れます。最近のジャズアルバムでここまで出来の良いものがあったか、すぐには思い出せません。本作でグラミー賞を受賞したというので既に有名なのでしょうが私は今回初めて知りました。

 
 ところが、です。まさかこれを凌ぐアルバムを直後に聴くことになろうとはです。

 「ザ・ハンター」は、名盤中の名盤で、オーディオ好きで知らない人はいないんだそうです。恥ずかしながら私は知らなかったので、オーディオ好きとはいえないです。調べると1992年の作品。私は1989年に社会人になったのですが、それから4~5年の音楽については特に疎くて、この間の音楽は大ヒットのものでも全く知らないことがあります。

 クリアで弾むような立体的サウンド。耳の幸福です。そしてジェニファー・ウォーンズの包容力のあるやさしい歌声。リンダ・ロンシュタットを思わせるカントリー風ポップです。どの曲もミディアムテンポのメロディアスな音楽で魅力的。アルバム全体が完璧に仕上がっています。女性ボーカルものでは、スティーヴィー・ニックスの「ベラ・ドンナ」、バーブラ・ストライザントの「ギルティ」、ウィルソン・フィリップスのデビュー作、あと何だろう。個人的に大好きなアルバムに匹敵する完成度の高さ、親しみやすさがあります。

 いくつかあるエディションのうち、評判のよさそうだった「24K GOLD SPECIAL EDITION」で聴いています。他と比べていないので何とも言えませんが、確かにこれは音がいいです。

 ジェニファー・ウォーンズは、「愛と青春の旅立ち」をジョー・コッカーとデュエットしたシンガーなんだそうです。それなら思い出しましたが、このアルバムでの眼鏡をかけた知的な雰囲気の女性とは随分印象が異なります。


 ジェニファー・ウォーンズを選びましたが、「ザ・ハンター」と「リキッド・スピリット」、どちらも録音の良さは驚異的です。




          



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