大御所下川センセの徳間文庫の新刊。と言っても今春(5月頃)の刊行だがずっと気付かずにおり、
先月偶然見かけて購入した。下川センセの本はかれこれ10冊以上読んでいるが、正直下川節には毎回鼻白んでしまう。しかしサイン本を持つ身として買わずにはいられないところが悲しい性。鼻白んでしまうのも、紀行ものの中では水戸黄門ばりに安定していることの裏返しかもしれない。
本書だが、タイトル通り訪れたアジアの国々の越境に関するエピソードのみを集めたものである(徳間文庫向け書き下ろし)。本書中では盛んに「自分は国境おたく」と語っているが、そう感じさせる熱めの筆致である。しかも各エピソードとも下川センセの手描きイラストと思われる国境周辺図が添えられており、過去に例を見ない構成となっている。
自分の行ったことのない南西アジアを扱った第3章「南西アジア国境紀行」、第4章「越えられなかった国境」編が特に興味深い。
下川センセらしく、タイがらみの越境話が多いのはご愛嬌。
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アジア国境紀行(あれ、画像がない:w)
下川 裕治 / 徳間書店
スコア選択: ★★★★☆