あめ~ば気まぐれ狂和国(Caprice Republicrazy of Amoeba)~Livin'LaVidaLoca

勤め人目夜勤科の生物・あめ~ばの目に見え心に思う事を微妙なやる気と常敬混交文で綴る雑記。
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基地になる村

2014-08-12 22:31:07 | 日替わりchris亭・仮設店舗
戦争を振り返る話が語られる季節。第九十四回歴史書籍レビューは軍事の話としましょうか。


松下孝弘『軍隊を誘致せよ 陸海軍と都市形成』(吉川弘文館)

「町おこし」というものにはいろいろな方法があって、さしずめ近年であれば「ゆるキャラ」とか「B級グルメ」などがイメージしやすいものかと思います。人の集まる施設を誘致するという方法もあり、では何を誘致するかというと工場だったり大学だったりするのですが、明治の日本には「軍隊」という選択肢もありました。

歩兵連隊の定員は約1700人。1700人の定住者が増えるだけでも食料品や日用品の大幅な消費増が見込まれますが、それに加えて見舞いや慰問に訪れる人々の滞在も期待できます。師団所在地ともなると連隊が2個置かれますので、単純計算で経済効果も倍となります。
さらには水道などのインフラ整備が軍によって行われる場合もありました。

となれば、各地で活発な誘致運動が行われるのも当然のなりゆきと言えます。各地がいかに所在地にふさわしいかのアピールを(時には嘘をついてまで)行い、「用地献納合戦」なども起こりました。
まだあまり研究の進んでいない分野とのことで、筆致は淡々としたものですが、かえって当事者の過熱ぶりが引き立っているように思いました。

戦後、自衛隊の駐屯地についても同様の誘致運動が行われたようで、目下研究中とのこと。そちらも本になれば読んでみたいところです。

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