あめ~ば気まぐれ狂和国(Caprice Republicrazy of Amoeba)~Livin'LaVidaLoca

勤め人目夜勤科の生物・あめ~ばの目に見え心に思う事を微妙なやる気と常敬混交文で綴る雑記。
コメント歓迎いたします。

「相棒 劇場版」レビュー

2001-01-03 00:00:00 | 鑑賞記
このエントリには「相棒 劇場版」に関するネタバレが含まれます。ご了承ください。

























【あらすじ(ネタバレ)】
ニュースキャスターが一人殺され、テレビ塔からロープで吊り下げられ、現場には謎の記号が残されるという猟奇的な事件が発生し、世間を騒がせている折、警視庁の窓際・特命係の杉下(水谷豊)と亀山(寺脇康文)に指令が下る。国会議員片山(木村佳乃)のもとに小包爆弾が届けられるという事件があったため、仕事のため海外へ渡航する片山を空港まで警護すべしというものだ。出動した二人は、彼女を狙った爆弾テロを間一髪食い止め、任務を果たす。テロの現場には、またしても謎の記号が残されていた。

この件について二人は独自に調査を始めると、協力者である経理担当の陣川警部補(原田龍二)が、とあるSNSを発見し、そのことを二人に教える。様々な有名人を「処刑リスト」に加え、処刑方法を添えて列記するという悪趣味なものだ。リストには片山の他に、先ごろ殺されたニュースキャスターも含まれており、一連の事件は処刑リストに即して行われていると二人は結論付けた。早速SNSを立ち上げた人間を突き止めるが、彼は既にサイト管理権を別の人間に委譲していた。ごく普通のSNSであったところを処刑サイトに作り変えてしまったのはその人間であり、その相手は名も知らぬSNS会員の一人で、わかるのはメールアドレスだけだという。

一連の事件の被害者のもとに必ず面会を申し込んでいる若い女性がいるとわかり、警察はその女性守村(本仮屋ユイカ)を取り調べようとするが、弁護士武藤(松下由樹)によって阻まれてしまう。
他にリストの中に先日ひき逃げに遭って死亡した判事もおり、そのひき逃げ事件について調べたところ、そこにも同じような記号が残されていた。それがチェスの棋譜であると見抜いた杉下は、SNS管理人にメールを送ると、チェスの対局を持ちかけるメールが届く。熱戦の末に杉下が勝利を収めるが、投了図は近く行われる「東京ビッグシティマラソン」のコースを模していた。マラソンは元首相の御厨(平幹二朗)、元法務大臣の瀬戸内(津川雅彦)とともに、片山も発起人に名を連ねていた。杉下はマラソンの日に片山を狙うという犯行予告と見なし、そのことを片山に告げる。片山はマラソンの発起人を辞退することを決める。

警察は武藤に依頼人についての情報開示を要請していたが、守村本人がそれを承諾したため、守村、武藤、そして守村の父親である木佐原(西田敏行)の三人が警察に出頭した。ここで木佐原親子の過去が回想される。

***回想部分***
木佐原の息子・渡は、5年前、紛争真っ只中の南米の国エルドビアにボランティアとして渡航、ゲリラの人質となってしまった。ゲリラは多額の身代金を日本政府に要求したが、政府がエルドビアの在留邦人に対して行った退去勧告よりも後に、彼が人質になったことから、マスコミを中心に「自業自得」という風潮が世論の中心となり、木佐原家は度重なる取材攻勢や、世間の誹謗中傷に苦しめられた上、政府は世論を優先する形で身代金要求を無視、渡はゲリラによって射殺されてしまったのだった。
***回想部分終り***

さらに、守村は渡の友人である塩屋(柏原崇)からの手紙を警察に見せた。そこには、もともとエルドビアに渡航するのは塩屋のはずだったこと、しかし直前になって紛争中の国への渡航が恐くなって渡を代わりに送り出してしまったこと、その罪を悔いて、悪人を断罪するための処刑サイトを立ち上げたこと、が綴られ、処刑サイトの会員パスワードが添えられていた。守村は塩屋を助けてくれと警察に頼む。

それまでの一連の事件で殺された人物は、全て5年前に「人質になった方が悪い」という意見を主張していたということがわかり、警察は事件は塩屋が渡の復讐をしているのだと結論付けた。
そこへ、処刑サイトの動向を見張っていた陣川から、サイトに動きがあったと連絡が入る。杉下が早速ページにアクセスすると、そこには「Sファイルは本当に実在するのだろうか もし実在したとしても、伏魔殿の奥に眠るSファイルをどうやって白日のもとにさらせば良いのだろうか」という言葉と、チェスの棋譜表、そして東京ビッグシティマラソンの出場者と観客全てを標的とする旨が書き込まれていた。塩屋の復讐の矛先は、世論で渡を死に追いやった全国民に向けられているのだ、と杉下は判断する。そして伏魔殿、つまり外務省に「Sファイル」という、5年前の事件に関する文書が存在する可能性があるとということも。当時の首相は御厨、既に亡くなっている当時の外務大臣は、片山の父親なのである。

マラソン当日。警察はハイテク技術を駆使して塩屋のゼッケン番号を突き止めるのだが、あまりの人の多さゆえ塩屋の確保は失敗し続ける。その間、処刑サイトに掲載されていた棋譜の裏に隠されていたメッセージを杉下は解読し、それに合わせて亀山が爆弾テロを未然に食い止める。
そんな中、守村から杉下に連絡が入る。塩屋が渡の復讐を考えているのなら、塩屋と渡が初めて出会った思い出の場所(二人のバイト先だった倉庫)に塩屋は現れるに違いない、今からその場所に向かうと彼女は言う。杉下の制止も聞かず彼女は電話を切る。その場所はマラソンのゴール地点のすぐ近くである。杉下と亀山はそれぞれその場所へ急ぐ。

杉下が亀山よりも一足早く到着したが、彼が倉庫に入った途端扉に鍵がかかり、閉じ込められてしまう。とにかく中に入った彼だが、そこで彼が見たものは、既に青酸を飲んで死にかけていた塩屋と、その傍にすがりついて泣く守村、そしてカウントダウンが残り数分に迫った時限爆弾であった。
すぐに亀山も到着、扉を破って押し入ろうとするがびくともしない。爆弾のタイムリミットが迫るが、すんでのところで杉下がマンホールを見つけ、蓋を開けて守村と共に中に飛び込む。その直後に爆弾が爆発。爆発の衝撃で壁に開いた穴から亀山が中に入り、下水道から杉下と守村を引っ張り上げて救出する。塩屋は既にこときれていた。
救急車を呼んで守村を病院に運ぶよう頼むと、杉下は亀山を連れ、「真犯人を捕まえに行きましょう」と言ってマラソン閉会式の会場に向かった。

閉会式では発起人の御厨がスピーチをしていたが、そこに大会職員に紛れて潜んでいた木佐原を、特命係の二人が取り押さえる。木佐原は拳銃を一丁携えていた。

逮捕された木佐原は、取調べに素直に答え、主犯は自分であること、息子の仇である御厨を射殺するつもりだったことを自白する。
しかし杉下は、木佐原の拳銃に弾丸が無かったこと、彼が実は癌に冒されて余命半年であること、彼が持っていた手紙の内容などから、犯行の真の目的を、こう推理した。
「マラソンで大騒ぎを起こして逮捕されれば、その裁判は衆目を集める。その場でSファイルについて言及すれば、外務省もその存在を明らかにせざるを得なくなる」
この推理を聞いた木佐原は、それを認め、早く自分を送検してくれるように杉下に懇願する。

しかし上層部の圧力によって木佐原の送検は先延ばしにされ、木佐原は病状が悪化して重体に陥る。あと数日が山、と医者に宣告されるが、そこで片山がSファイルの内容を電撃公表する。それは、退去勧告がエルドビアの渡のもとへ届いたのは、彼が人質になるよりも前であり、「自業自得」という意見は誤りである、というものであった。それは木佐原が持っていた手紙――渡とともにボランティア活動をしていた外国人青年の、渡は退去勧告を知らなかったという証言――とも一致していた。

ラスト、兄の遺志を継いだ守村が海外へボランティアに向かうシーンで幕となる。
【あらすじ 終】


非常に内容の濃密な映画でありながら、長さは二時間弱であり、ここに書いた「展開を急ぎすぎている」という感想はそのため。なにしろ主軸となるはずのマラソン当日の描写は全体の半分もないのだから。

しかしそれ以外にもいろいろ腑に落ちないところがあり、それについていくつか書く。


(1)社会問題をからめたことについて
この映画の背景にあるのが、イラク邦人人質事件であることは皆様おわかりのことだろう。自分たちの家族を滅茶苦茶にしたマスコミの過熱報道に対する、西田敏行の憤りの演技は熱のこもったもので、映画を作ったのはテレビ朝日であるから、反省ともとれなくはない。
しかし、最終的に映画の展開は「全て政府が悪い」ということになっている。これはどうもおかしい。実際に「退去勧告が届いていなかった」という疑惑が無ければ政府批判にもならないし、最終的に政府に責任を押し付けた展開ではマスコミ批判(反省含む)にもならない。これでは社会問題をからめた意味はないのではないか。


(2)何故チェスによる頭脳比べなど行ったのか
一応その理由として二つばかり考えられる。

・頭脳比べという世間の興味を引くような行動で、より裁判に注目を集める
・チェス好きという設定のある御厨や片山の父に対するあてつけ

しかし、チェスの一件を警察が公表するかどうかはわからないし(なので御厨がチェスの一件を知らぬままに終わる可能性がある)、注目を集めるためならもっとストレートな方法がありそうなもので、どうもすっきりしない。


(3)連続殺人は何のため?
もちろんこれも上に同じく「世間を騒がせるため」である程度説明はつく。しかし片山まで狙ったのは何故なのか。彼女自身はSファイルに関わっていないのだ。もし特命係の機転が無ければ確実に片山は爆死していたはずで、そうなれば最終的にSファイルは闇に葬られたままになってしまったはずだ(片山がSファイルを暴露することを木佐原が予想していなかったとしても)。別に騒がせるためなら、三人(あらすじには書かなかったが、「自業自得」を主張していたコメンテーターも一人殺されている)殺せば充分のはずだ。
(なお、仇である片山の父がもう亡くなっているので、代わりに片山を殺そうとした、という考えは成り立たない。仇本人である御厨にすら弾丸の無いピストルを向けるだけで殺そうとしていないのに、片山なら死んでもいいと思ったというのはナンセンスである)


(4)何故塩屋は死んだか
雨場が「不自然のひとこと」と言ったのはこのこと。塩屋が死んだのが自殺なのか他殺なのかは映画の描写だけでははっきりとは不明(状況証拠的には自殺)。しかし自殺だろうが他殺だろうが、事故でない限り塩屋が死なねばならない説明がつかないのだ。
なぜなら、塩屋が生きてさえいれば、たとえ木佐原が死んでも塩屋が裁判で証言する事で目的は果たせるはずなのだ。映画の描写を見る限り処刑サイトを運営していたのは塩屋であり(つまりSファイル云々を書き込んだのは塩屋)、彼も「Sファイル」という言葉を知っていたことになる。Sファイルの意味を塩屋が知っているなら、彼は渡のために裁判で戦っただろうし、知らなかったら木佐原に聞いただろう。木佐原がそれを教えない理由はちょっと考えられない。私は観ているときに塩屋が何故死んだのかさっぱりわからず、守村が実は黒幕で、渡をエルドビアに行かせた彼を恨んで毒を盛ったのではと邪推したくらいである。


・・・結局、どうも脚本に粗が目立ちすぎる。無理に社会問題をからめたのが失敗のように思える(動機があれじゃなければ、塩屋の死は不自然でないものにできたはず)。動機が不明瞭でも、他の要素がきちんとしてればエンターテイメントとして極上のものができる、というのは私が「ダイハード4.0」を観て実感したことだが(笑)、そちらの道を行くことも可能だったはずだ。「動機のない犯罪劇」か「主張のない社会派」かの選択で、制作サイドは後者を選んだ。その真意は、私にはわかるはずもない。

2007/07/20 楽曲形式の解説

2001-01-02 00:00:00 | 弾くこと聴くこと唄うこと。
2007年7月20日のエントリの答えです。

<英語>
・行進曲―マーチ。説明不要ですね。

・組曲―スイート。原語の方はほとんど使われませんね。

・夜想曲―ノクターン。ショパンの夜想曲や、リストの「愛の夢」などが有名ですね。

・狂詩曲―ラプソディー。有名なのはリストの「ハンガリー狂詩曲」でしょうか。「狂」の字が差別的であるため最近は訳語の使用を控えるレコード会社も多いそうですが、私はこういう言葉狩りには賛成できません。


<伊語>
・協奏曲―コンチェルト。独語の「コンツェルト」で呼ぶ事も多いようです。

・輪舞曲―ロンド。ベートーヴェンの「エリーゼのために」が最も有名でしょう。

・鎮魂曲―レクイエム。本来は「死者のためのミサ」を表す基督教用語でした。

・奏鳴曲―ソナタ。どうも語呂合わせで作った訳語のように思えてならないのですが(笑)

・小奏鳴曲―ソナチネ。「ソナタの小さいものだから」ということでしょう。

・遁走曲―フーガ。バッハのものがつとに有名ですね。

・諧謔曲―スケルツォ。デュカの代表曲「魔法使いの弟子」がスケルツォです。

・狂想曲(奇想曲)―カプリチョ。イタリア語で「気まぐれ」の意味です。フランス語では「カプリス」となり、当ブログのタイトルに使われているCapriceはそれです。

・嬉遊曲(喜遊曲)―ディヴェルティメント。モーツァルトに「音楽の冗談」というこの形式に属する曲があります。

・聖譚曲―オラトリオ。ヘンデルのオラトリオ「メサイア」の第二部ラストが有名な「ハレルヤ・コーラス」です。

・交声曲―カンタータ。有名どころではバッハの「主よ、人の望みの喜びよ」。


<仏語>
・前奏曲―プレリュード。ショパンのものはCM等にも使われていて皆様も耳にしたことがあるでしょう。

・練習曲―エチュード。本来の意味、すなわち楽器学習者が練習するための曲としては、例えばピアノではツェルニーのものが有名で、私も一時期弾いていました。高度な技巧を主軸にした短い曲にも「練習曲」と呼ばれるものがあり、ショパン「別れの曲」「黒鍵」「革命」、リスト「超絶技巧練習曲」など有名作品が多数あります。

・即興曲―アンプロンプチュ。ショパンの「幻想即興曲」が有名ですね。

・譚詩曲―バラード。本来詩の形式の名前であった「バラード」を楽曲形式に持ち込んだのはショパンだそうで、この辺も彼が「ピアノの詩人」と呼ばれる所以なのかもしれません。私がピアノ発表会で初めて弾いた曲がブルグミュラーの「バラード」でした。


<独語>
・円舞曲―ワルツ。これも説明不要でしょうか。

・小夜曲―セレナーデ。「さよきょく」と読み、本来は代表的なセレナーデであるモーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」に付けられた訳語でした。仏語では「セレナード」となり、こちらもよく用いられます。

・間奏曲―インテルメッツォ。ビゼーのオペラ「カルメン」で使われるものが有名でしょうか。

・追複曲(追復曲)―カノン。何と言っても「パッヘルベルのカノン」こと、パッヘルベル作曲「3本のヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ ニ長調 第一曲」が断トツの知名度を誇ります。

・夢想曲―トロイメライ。シューマンの代表曲「トロイメライ」はよく知られています。


全てわかった方は相当な音楽マニアでしょう(笑)

2007/04/05 英文早口言葉の訳と解説

2001-01-01 00:00:00 | ことのは
1、consider×4
訳:私は相当数の日本人はかなり思いやりがあると思う。
解説:consider、considerable、considerably、considerateを全部辞書で引いてみてください。

2、that×5
訳:私はその生徒が昨日白板に書いたthatはあれだと思う。
解説:最初のthatは接続詞のthat。2つ目のthatは形容詞のthatで、次のthat(「白板に書かれたthat」なので訳さずにそのままにする)にかかる。4つ目のthatは関係代名詞。5つ目のthatは形容詞のthatで、studentにかかる。
もともとは「これどう訳せばいいんだ?」と友人ynoahが持ち込んできて、私もわからずお手上げ、MYMY-kon先生のところへ持っていって訳してもらった、という代物。しかしこれ、文法的に正しいのだろうか。

3、that×6
訳:その生徒が昨日白板に書いたthatはまさにそれだ。
解説:で、2の訳がわかった上で、私が改良(改悪?)し、強調構文にしたもの。


他にもっと面白いのを知っている方、是非教えてください(笑)