あめ~ば気まぐれ狂和国(Caprice Republicrazy of Amoeba)~Livin'LaVidaLoca

勤め人目夜勤科の生物・あめ~ばの目に見え心に思う事を微妙なやる気と常敬混交文で綴る雑記。
コメント歓迎いたします。

何もない春です

2015-02-24 20:27:46 | 日替わりchris亭・仮設店舗
もうすぐ冬も終わりではありますが、第百十五回歴史書籍レビューは北国のお話です。


合田一道『北海道 地名の謎と歴史を訪ねて』(KKベストセラーズ)

「難読地名」をコレクションすることは私のちょっとした趣味の一つで、旅先や本やテレビなどから地名を見つけてはパソコンのリストに入れているのですが、北海道と沖縄の地名は内地とは違う言語体系から生まれたために独特で、入れるときりがないということで対象外としています。
「札幌(さっぽろ)」「稚内(わっかない)」「苫小牧(とまこまい)」といった、「知識として知っているから読める」北海道の地名は、多くがアイヌ語に日本語の字を当てたもの。一方で、旭川のようにアイヌ語を意訳して日本風の地名をつけた場所や、函館のようにもともと日本語由来の地名もあります。

前々回と同じく作者は地方紙の記者(こちらは既に引退なさっているようですが)。北海道新聞に長く勤めた経験を活かし、北海道の様々な地名についてその由来、その土地の歴史的経緯とそれに伴う道内における位置づけなどをまとめた新書がこの本です。
アイヌの人々はほぼ全ての地名を地理的条件から名付けるので、アイヌ語由来の地名からはその土地の特徴がわかり、一方日本語由来の地名からはそう名付けられた歴史が見えてきます。

地図や写真が豊富なので読みやすく、源義経生存説を扱った章やご当地スイーツの紹介なども含まれていて、遊び心のある歴史探訪ガイドと言えます。
ただし、題名に反して主要な市の地名由来が書き洩らされているなど、やや散漫な印象も受けます。まあ、肩肘張って読むものでもないですし、自宅で手軽に北海道旅行気分を味わうには良いのではないでしょうか。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿