あめ~ば気まぐれ狂和国(Caprice Republicrazy of Amoeba)~Livin'LaVidaLoca

勤め人目夜勤科の生物・あめ~ばの目に見え心に思う事を微妙なやる気と常敬混交文で綴る雑記。
コメント歓迎いたします。

あめ~ば狂動通信66

2007-07-31 23:21:33 | あめ~ば狂動通信
「いつ雨が降るか教えてくれる傘」商品化 米国

元記事

インターネット上の情報を利用した日用品の開発などを手掛ける米アンビエント・デバイセズが、いつ雨が降るかを教えてくれる傘を開発した。

柄の部分に電波受信器を内蔵したこの傘は、独自の無線ネットワークを通じ、天気予報サイト(Accuweather.com)から全米150カ所の気象データを受信する。

向こう12時間以内の降雨予報を受信すると傘の柄が光り、光の点滅が遅い場合は少量の雨、早く激しい場合は雷雨などを知らせる仕組みになっている。

同社のスポークスマン、マーク・プリンス氏はロイターに対し「この傘は扉の近くに置くことも傘立てに入れることもでき、外出する際、その日に傘が必要になるかどうかを教えてくれる」と述べた。

この傘は今週、米国で約140ドル(約1万7000円)前後で発売される。(ロイター)


「ズッコケ発明狂時代」に、「ラジオ付き傘」ってのが出てきましたが、それに近いものがありますね。

あめ~ば的夏休み

2007-07-30 22:22:40 | 不本意ながら勉強の話題
09:15  塾へと家を出発。
12:10頃 昼食のため帰宅。
13:25  再び塾へ出発。
19:00頃 帰宅。

恐らく↑の時間割がテンプレとなって、夏休みの半分は斯様に過ごすことになるでしょう。

何が辛いってピアノを弾く時間が殆ど無くなること。帰ってきて晩飯すますともう弾くには遅い時間になってしまうし。

雨場人格は「これじゃ一日一冊本読めるか怪しいし、第一買いに行く時間が無いじゃないか!」と憤慨しているが、主人格としては聞き流しているのが現状。

あめ~ば狂動通信65

2007-07-29 21:26:38 | あめ~ば狂動通信
6人前ラーメン完食失敗・・・所持金7円男逮捕

元記事

盛岡東署は27日、住所不定、無職◆◆◆容疑者(37)を詐欺(無銭飲食)の現行犯で逮捕した。所持金が底を突き、完食すれば賞金がもらえる大盛りラーメンを注文したが、6人前というあまりの量に食べきれなかった。「最近あまり食事をしておらず、食べきれると思ったが、空腹で、逆に多くの量を食べられなくなっていた」と話しているという。

調べによると、◆◆容疑者は同日午前0時50分ごろ、盛岡市中央通のラーメン店で、めん6玉(約900グラム)とスープ3・5リットルが入った「特製大盛りラーメン」を食べ、代金2070円を支払わなかった。

特製大盛りラーメンは、30分以内に完食すると、代金が無料になる上、賞金5000円ももらえる。

ラーメン店によると、◆◆容疑者は、一心不乱にラーメンを食べ、時間内にめんは食べきったが、スープを半分残して、そのままカウンターに突っ伏すように寝始めた。店が込み始めた午前2時30分ごろ、店員が起こして支払いを求めたところ、7円しか持っていなかったという。(読売新聞)


麺食べきったなら、賞金はともかく無料にはしてやれよと思わなくもない……


(記事は匿名化処理をしています)

雑多雑文雑感雑記。(7/28)

2007-07-28 21:10:27 | 雑多雑文雑感雑記。
・一週間連続で書評記事を書いていたら、いよいよ主人格が腹を立てて雨場を追い出したため、今日は普通の更新とします。

・しかしながら最初は本の話をさせていただくのである。

宇宙のあいさつ/星新一
ボンボンと悪夢/星新一
凶夢など30/星新一
夜のかくれんぼ/星新一
ひとにぎりの未来/星新一
盗賊会社/星新一
妖精配給会社/星新一
途中下車の味/宮脇俊三
死者の奢り・飼育/大江健三郎
魚へん漢字講座/江戸家魚八
超・殺人事件/東野圭吾
大阪学/大谷晃一
続・大阪学/大谷晃一
大阪学 阪神タイガース編/大谷晃一
裏切りの特急サンダーバード/西村京太郎
夜のピクニック/恩田陸

以上16冊に、父親の本4冊を加えた20冊で、新潮文庫のキャンペーンに応募。これで手に入る予定のブックカバーは5つに増えたことになる。そんだけ沢山持ってて何に使うんだって?自分でもいまいちわかっていないのであった(爆)


・ひょんな事で知った「東京ブラススタイル」というバンドのCDをしばらく前にCD屋に注文していたのだが、ようやく届いたので聴いてみた。「アニメソングのジャズアレンジ」専門のブラスバンドなのだが、かなり良かった。選曲も普通だし(「檄!帝国華撃団」を除いては(笑))。ただしインディーズバンド故CDの入手は面倒なので、興味を持った方は8月8日のメジャーデビューを待ちましょう(収録曲は全く違うけど)。東京ブラススタイル公式サイト


・まさか母親から、ボン・ジョヴィのCDをツタヤで借りてくるように言われる日がやってくるとは夢にも思わなかった。

雨場毒太の気まぐれ書評35

2007-07-27 15:05:48 | 雨場毒太の気まぐれ書評
real survivors
漂流
吉村昭 著
新潮社 1976年


日本地図が手元にある方は、東京の南方の太平洋を見ていただきたい。八丈島と小笠原諸島のちょうど中間あたりに、鳥島という島があるはずだ。親切な地図ならば、「あほうどり繁殖地」と但書がしてあるかもしれない。時は江戸時代、天明年間・寛政年間に、その鳥島に漂着し、無人島生活を行った船乗り達の物語である。

同じ作者の「破獄」同様、実話を基にした物語であり、こちらは登場人物も実名が使われている。
淡々と描かれる、生々しい漂流生活。水、食料、怪我――生きていくに際した問題点は次々と浮かび上がり、漂流者の間にいさかいも起こる。厳しい生活の中で病で死んでいく者もある。それでも、時には発狂寸前の極限の精神状態に身を落としながら、ただひたすら「いつか故郷の土を踏む」ことを拠り所に生き続ける男達。控えめな文体だが、それがかえって恐ろしいまでの迫力を生み出す。

生き続けることだけを考える生活で、人間の思考は本能に近づく。食欲と性欲は人間の二大欲求だと言うが、思い出話をすると食べ物と女の話にしかならないという記述は、その事を改めて思い知らせる。人間の生きる糧とは一体何であるのか、そのような所にまで思いを馳せさせられるサバイバル巨編。おすすめの一冊である。

なお、この本を読んだ方におすすめしたいのが、小説ではなく歴史本のスタイルをとる単行本「鳥島漂着物語」。漂流生活から生還した者達はどのように生きていくのか、どのように扱われるのか、まで詳しく記述されている。

雨場毒太の気まぐれ書評34

2007-07-26 20:30:47 | 雨場毒太の気まぐれ書評
火車に乗った者の行方
火車
宮部みゆき 著
新潮社 1992年
★第6回山本周五郎賞受賞作


かしゃ【火車】
火がもえている車。生前に悪事をした亡者をのせて地獄に運ぶという。ひのくるま。
(出典:広辞苑)

この小説の始めのページには上のように広辞苑からの引用が載せられている。やはり書評もここからはじめなければならないだろう。

足を銃で撃たれて怪我を負い、リハビリのために休職中の刑事・本間俊介。彼のもとに、遠縁の男性が人捜しを頼みにやってきた。彼の婚約者が突然姿を消したというのだ。消息を追う本間は、失踪の背後に潜む驚くべき事実を次々と知ることになる・・・

この作品はミステリであり、当然主人公の本間俊介が「探偵役」ということになるわけだが、彼は決していわゆる「名探偵」ではない。謎へのアプローチ方法もいたって平凡、地道な捜査を重ねてゆくだけである。平凡だが、確実な方法。そして、謎が幾重にもタマネギのように折り重なったこの小説において、その性格はきわめて効果的である。

題名が示すとおり、この作品のテーマは「借金」「破産」である。人は何故借金を抱え込み、破産に追い込まれるのか。ごく普通に暮らしているつもりの人々にも、ふりかかってくるかもしれない恐怖を鋭く描いている。「幸せになりたかっただけなのに・・・」の台詞が重みをもつ。

また、主人公が真相を求めて日本各地を回るので、ちょっとしたトラベルミステリ要素もある。大阪弁については東野圭吾のアドバイスがあったという(笑)

宮部みゆきファンの友人が「最高傑作」と太鼓判を捺すだけあり、確かに素晴らしい作品だった。ただ、読んでみようという方は腰を据えること。文庫とはいえ600ページ近くあるこの小説はすさまじいボリュームがある。お覚悟あれ。

雨場毒太の気まぐれ書評33

2007-07-25 21:53:47 | 雨場毒太の気まぐれ書評
風刺のカタマリ、笑いの小包爆弾
日本以外全部沈没 パニック短編集
筒井康隆 著
角川 2006年
★第5回星雲賞短編賞受賞作「日本以外全部沈没」収録


ツツイストの皆様にとっては大変遺憾なことと思うが、しばしば「時をかける少女」が一番の代表作のように扱われてしまうSF作家・筒井康隆。彼の本領はスラップスティック――ドタバタ小説にこそある(「鍵」等のホラー作品も捨て難いが)。そのドタバタコメディがふんだんに詰まった短編集。

表題作「日本以外全部沈没」は、2006年にSMAPのクサナギ(文字化けを恐れてカタカナ)主演の映画「日本沈没」の向こうを張って制作された劇場版で知名度が上がった作品。当然小説の方も小松左京の名作「日本沈没」のパロディである(注;筒井康隆と小松左京は親友同士の間柄)。元ネタとは違い、こちらは「既に他の全世界が沈んでしまった後の日本」を舞台に、ひたすら日本に媚び諂う外国人達と、それを受け止める日本人達とのやりとりを、まったくシーンを変えずに、笑いのペースを落とさずに、わずか23ページでオチまでつけて描き上げてしまう。収録された全ての短編において、冗長なシーンの一切を省いた、テンポの良さが魅力である。「ヒノマル酒場」は、大阪を舞台にした異星人来訪モノ。東野圭吾然り、大阪出身の作家が大阪を舞台にして大阪人が駆け回る小説を書くと傑作が生まれやすいのは大阪という風土の為せる業なのだろうか。

しかし私は映画の方の「日本以外全部沈没」を観ていないので、23ページの作品をどのように長編映画にしたのか気になるところではある(笑)


※冒頭で「時をかける少女」について触れましたが、一つお断りしておくと、私は「時をかける少女」を不当に貶めるつもりは一切ございません。あれも名作であると思います。ただ、筒井康隆を「『時をかける少女』の作者」としてのみ認識すると非常に間違った方向に向いてしまうという事を言いたかったのです。あの作品は「筒井康隆らしくない」作品ですので。

雨場毒太の気まぐれ書評32

2007-07-24 23:54:51 | 雨場毒太の気まぐれ書評
ほのぼの系学園日常ミステリ準文学
氷菓
米澤穂信 著
角川 2001年
★第5回角川学園小説大賞奨励賞受賞作


以前紹介した小市民シリーズの作者・米澤穂信のデビュー作。小市民シリーズと同じく学校を舞台にした短編連作形式の日常ミステリだ。

主人公である高校一年生・折木奉太郎は、面倒事を極力避ける「省エネ」主義の少年だが、姉の勧め(というより命令)により、新入部員が無く廃部寸前だという、「伝統ある文化部」古典部へ入部する。すると既に同じく一年生の、旧家のお嬢様・千反田えるが入部していた。普段は楚々とした美少女である彼女だが、一度スイッチが入ると、自分の気になる事が解決するまで周囲を振り回す好奇心の権化と化すのである。「省エネ」主義の奉太郎も、渋々ながら謎の解決に付き合う事になるのだった・・・

はじめ角川スニーカーで出たという経緯が示す通り、小市民シリーズよりライトノベル色が強い作品である。ライトノベル的なキャラクター・背景設定と、ミステリ要素のミックスは作者の得意とするところであり、その手腕が存分に生かされた仕上がりになっている。

全部で200ページ強しかない短い小説で、ライトな調子であるもあり、ちょっとした暇つぶしに手軽に読むのに適した小説である。ただし、あちこちに笑いが散りばめてあるので、笑い上戸の人は思わず噴き出して周囲から変な目で見られないように読む場所を選ぶこと(笑)

雨場毒太の気まぐれ書評31

2007-07-23 20:44:58 | 雨場毒太の気まぐれ書評
一人の罪人の向こうに見える時代
破獄
吉村昭 著
岩波書店 1983年
新潮社 1986年
★第36回讀賣文学賞受賞作
★昭和59年度文化庁芸術選奨文部大臣賞受賞作

(注;現在は表紙イラストが変わっています)

昭和十一年六月十八日、青森刑務所脱獄。
昭和十七年六月十五日、秋田刑務所脱獄。
昭和十九年八月二十六日、網走刑務所脱獄。
昭和二十二年四月一日、札幌刑務所脱獄。

昭和以降の日本で類を見ない、4度の脱獄を成功させた囚人・佐久間清太郎。彼の生き様を通して、戦前から戦中・戦後と移り変わっていく日本を描き出した作品。著者は歴史小説の大家・吉村昭。

この本の注目すべきところは、佐久間清太郎という主人公がいるにもかかわらず、その主人公の視点からの描写が全く無いことである。あくまでその周りを取り巻く、警官や看守からの視点でのみ描かれる。だがそれがかえって、4度の脱獄を成功させる男の知力・体力・行動力を効果的に浮かび上がらせ、その向こう側に時代が見えてくる。これも作者の緻密な表現力と、徹底した資料収集に裏打ちされたものであると言えるだろう。

なお、この作品は史実をもとにして書かれたものであるが、佐久間含めほぼ全ての登場人物は仮名になっている。さしあたり少し調べてみたところによると佐久間のモデルは白鳥由栄という人物だそうだ。網走監獄博物館には、彼の脱走を再現したジオラマもあるとのこと。

「このトーチカ房から逃げられると言うのか。逃げられるなら逃げてみろ」
看守が、蔑笑する。
「人間のつくった房ですから、人間が破れぬはずはありませんよ。あんたの当直の日に逃げてみましょうか」
(本文53ページ)

雨場毒太の気まぐれ書評30

2007-07-22 23:26:04 | 雨場毒太の気まぐれ書評
静かに、しかしはっきりと謳い上げられる「生」と「死」
水の時計
初野晴 著
角川 2002年
★第22回横溝正史ミステリ大賞受賞作


長らく脳死状態にあり、生命維持装置によって身体の機能を保っている少女・葉月は、特殊な装置によって月明かりの晩に限り言葉を話すことができた。そんな彼女の願いは、自分の臓器を残さず全て、それを必要としている人に移植すること。彼女はドナー登録をしていなかったため、それは違法になる。正規の手段では届けることのできない臓器を運ぶ役に選ばれたのは、一人の暴走族の少年だった・・・

「生は人の為、死は己の為」という言葉をどこかで聞いた気がするが、生と死の狭間にある彼女は、自分の生の証を人に分け与える事を選んだ。そこから生まれるドラマを、淡々と描ききった作品。臓器を明け渡す少女、届ける少年、届けられる患者とその家族、と様々な風景が絡み合い、一つの物語を構築している。

この本は横溝正史ミステリ大賞の受賞作であり、確かに物語の根底にある謎が最後に浮かび上がり明かされる展開はミステリと呼べるかもしれないが、私はこれをただミステリとくくってしまっては良くないと思う。言うなれば「モダンファンタジー系ヒューマンドラマ・ミステリ要素含」だろうか(長いって)。

この本の印象を一言で表すとすれば、「透明」だ。展開も文章も、ガラスのような「透明」さを感じさせる。そしてその透明さは、ガラスのように儚い人の命を連想させ、一層強く読者の胸を打つのである。出来る限り斜め読みなどせず、ゆっくりと味わって読めば、自分が享受している「生」を強く噛み締め、やがて訪れるであろう「死」を静かに見つめることができるはずだ。

私は母方の祖父を腎臓移植の後の拒絶反応で喪っており、臓器移植を扱う作品には特殊な思い入れが生まれているのかもしれない。それは否定できない要素だが、それを抜きにしてもこれは素晴らしい作品だ。読書で切なさを存分に味わいたい人に、大いにお勧めする小説である。