地獄へ道づれ：イーグル・アイ(2008)

Eagle Eye(2008)

スピルバーグがアイデアを出し、プロデュースしたアクション・サスペンス。誠に久しぶりに「国家陰謀にいやいや巻き込まれた一般市民が大活躍」映画を見た気がします。シャイア・ラプーフがIQ180のコピー屋店員、それを追う捜査官がいい感じにひなびて来たビリー・ボブ・ソーントンですから、私に期待するなと言っても無駄です。

ビデオ屋の店員ショー（シャイア・ラプーフ）が、兄の葬儀から帰ると、大量の危険な荷物が届いていました。謎の女の電話で行動を指示されるショー。逮捕された警察署から女の指示で逃げ出したテロリストと疑われた彼を追うモーガン捜査官（ビリー・ボブ・ソーントン）は、事件に事故死した空軍勤務のショーの兄が関係あるのではないかと推測します。同時期、やはり謎の女の指示で無理矢理行動させられるレイチェル（ミッシェル・モナハン）は、女にワシントンDCに向かう息子が乗った電車を脱線させると脅されていました。


シャイア・ラプーフ、ワシントンを走る！この人ひげ面似合いますよ～！！

出尽くした感の有るこの手の「素人がわけも判らず陰謀に巻き込まれてだんだん話がでかくなる」タイプ。しかしネタは決して目新しくないのですが、IT監視社会とテロリズム、最先端IT技術というキーワードを使ったストーリーの面白さとクライマックスまでの緊張感は素晴らしいです。この映画はネタバレ禁でしょうから、あまり細かく書けませんが、映画後半にいままで謎だった部分や意味の無かった部分が全て一つに繋がってくるあたり、お見事。それがジェットコースターのようなスピードですすみますから、ハリウッド映画はこうじゃなくっちゃなあ、と。


モーガン捜査官（ビリー・ボブ・ソーントン）。どんな役でも相変わらず怪しげです。

登場人物もヒーローではなくあくまで一般市民。シャイア・ラプーフも頭はいいけど、ただただ駒の様に動かされるのみ。ミッシェル・モナハンはもう少し抵抗しますが・・今風だとは思ったのは、やはり女性の活躍。ペレス捜査官役のロザリオ・ドーソンが大活躍です。ビリー・ボブ・ソーントンも活躍するんですけど、オチがちょっとありきたり。

決してイケメン俳優ではない、しょぼ顔シャイア・ラプーフが許せる人も許せない人も、面白いサスペンスを見たいのでしたらおすすめです。テロリズム関連でも、イスラム圏やアラブ系アメリカ人にも配慮したストーリーなのも好印象の一つ。