白い月

白い月

念祷 

2014-03-01 10:07:51 | 心事ポエム
手に持った 蝋燭の先で

変容する大悲の泪したたる

身に覚えのない時の秋波          

吹き込む風を受けて立つ

去り際を心得た

眼施の月は逍遥する

あなたの哀しみは わたしのもの

手をこまねいて

一滴の飛沫の行方に溺れている 

絶え間なく流れ出るこの世の毒

大事な事は聴かされてはいない 

知らされないから知りたくない不遜なわたし

鏡に映る顔が溶けていく

パコが逝った寒い日

遠い日の空も消えた

何を見るために生まれたか

見えないものを観つくしたか 

海を渡るわたしの祈りは届くか今宵


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