毛唐もすなるブログといふものを

日本男児もしてみむとてするなり

宝塚線事故原因について

2005-05-08 14:50:53 | 社会
宝塚線の事故の直接の原因はどうやら運転士の速度超過ということのようです。つまりカーブ手前の「70キロ制限」の標識を通過する直前までそこに急カーブがあることを忘れていたということです。焦っていたのでしょうが、あまりにも酷い運転士です。

報道で知りうる限り、原因と考えられることを列挙します。

1.運転士の未熟
2.そのような未熟な運転士を電車勤務から外せなかったJR西日本の組織
3.安全システムの欠落

このくらいでしょうか。オーバーラン報道はようやく沈静化しましたが、これは無関係です。日勤教育は最後に書きます。

1.運転士は路線のことを熟知していなければなりません。それは職業人としての最低限の義務です。確かにJRは路線が多く私鉄のように路線を熟知するのに時間がかかるかもしれません。しかしそれは言い訳にはなりません。プロとはそういうものだからです。

2.路線が覚えきれないうちに単独で運転士業務に就かせるのはクレイジーです。更にこの運転士は車掌時代に居眠りをしていたそうで、そのような勤務態度の運転士を再教育したからと易々と運転士に就かせるのは管理者として失格です。

3.新型のATS設置が云々されていますが、それよりも、どうやらカーブ手前にしか「70キロ制限」の標識が設置してなかったらしいという点に問題があります。わたしの事実誤認かもしれませんが、報道を読む限り直前にしかその標識がなかったようなのです。運転士が路線を知り尽くしているという前提ならばこれでも問題はないし、実際事故が起こるまで問題はなかったのでしょう(もちろんいわゆる「ヒヤリハット」は頻発していたのかもしれませんが)。しかし、ダイヤが過密化して速度を上げたからには、カーブ手前で通常減速する辺りから複数の標識を立てておくべきでした。それは安い出費で可能な安全対策だったはずです。それを怠ったのは新型ATS設置云々とは別の、JR西日本の最大の失策だったとおもいます。

最後にいわゆる「日勤教育」が問題とされていますが、まずその実体を把握しなければ批判する気になれません。実態も知らずして批判するのは無責任と考えるからです。最低限、日勤教育の実体、そのルーツ、それを推進した主体、他のJR各社にも存在するのかしないのかなどが明らかにならないと、何とも言いようがありません(談)。

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