きしめん

店の中にはグリーンがいくつか置いてあって

ある朝　いつものように水やりしてると　コケだけだったはずの中に

キノコがヒョロロ～と生えている。

「 なんだ？これ 」

夕食の時　カミサンに報告すると

「 あー　あれねぇー　急に生えてきてさぁ…　あれアンタに食べさせよかなー　ケケケ 」

（このアマならやりかねんわ…）

なぜそう思うのか。二年ほど前の出来事である。

夕方カミサンが

「 今晩何食べたい？ 」

と聞くので

「 きしめん！ 」

と答えた。

「 きしめんかぁー　それ家にないし　買い物行かないから　アカンわ 」

「 んじゃ　聞くな 」

「 まぁ　適当にしとくねー 」

家に帰り　テーブルに着くと　きしめんが出てきた。

「 あれ　あったのか？ 」

「 うん　あった　一つだけ 」

「 あーそう　そりゃいいわ♪ 」

食べたいなぁって思った時にそれを食べられるのは幸せである。

が、

少し食べてみて（どーも　マズイ…　マズイって言うか　変な味がする）

少し遠慮がちに

「 あのー　これさぁ…　マズイ… 」

「 えー　そんなことないでしょ 」

「 んー　って言うかさぁ　変な味する　ちょっとカビっぽいって言うカナ… 」

そう言いつつ　もう少し食べてみたが　やっぱりもう食いたくないなぁっていう味である。

そう思いながら　フト向かいのカミサンを見ると

下を向いているが　笑いをこらえている。もう必死でこらえている様子である。

「 ナンカ隠してんだろー　調味料間違えたとか失敗してんだろ　コレ　このきしめんっ！」

（ 少し食べる？って聞いた時　プルプルッて首振ったしなぁ ）

プププ　ククク　クケ　クキョ　プァ　ギャハハハハー

涙浮かべて笑ってますわ。イテテテテ　おなか　イタイ

身をよじって笑うばかりである。

「 もぅ　アカン　正直に言えッ 」

「 あー　おかしッ　実はさ　賞味期限がさ　ちょっと過ぎとったの」

「 はぁ？どのくらい 」

「 だから　ちょっと 」

（ 信用できませんわ ）

スゴクいやな予感がして　ごみ箱に走った。5歩だけど。

きしめんの袋を探して賞味期限を確認すると…

3年も前に切れてましたわ。