飯山市議会議事録より:令和元年12月12日(木曜日)
◆6番(松本淳一)
・・・ 千曲川が国、皿川が長野県の管理であっても、住民の生命財産を守る責務は飯山市にあります。
そのため、市長には避難勧告、避難指示を出す強い権限があるというふうに理解しています。
皿川堤防が本堤防より1.7メートル以上低い、そういう状態が57年、58年の水害の後、堤防が整備されたと思っていますので、30年以上そのままになっていたということについて、飯山市に責任はないのかお尋ねをします。
◎建設水道部長(坪根富士夫)
皿川につきましては、昭和60年度から平成8年度にかけ、築堤及び護岸工、橋梁工の工事を県が実施しております。
その後、平成18年に、同年7月の千曲川洪水を受け、皿川のかさ上げを含む堤防強化等について県へ要望しております。
当時、堤防のかさ上げについて要望しましたが、かさ上げについては、計画降水にプラスされる余裕高は確保されているという理由で実施されませんでしたが、平成20年度から平成23年度にかけ、護岸工を174メートル、堤防腹づけ工を150メートルについて実施をしていただいております。
このように、これまでも長野県において改修整備が実施されてきております。
なお、内水排水対策につきましても、飯山市千曲川等災害対策連絡協議会を通じまして、県へ内水排水施設設置の要望を継続しているところでございます。
コメント: ここで述べられている「内水排水施設設置の要望」というのは皿川についてのものであると思われる。
それから「かさ上げについては、計画降水にプラスされる余裕高は確保されているという理由で実施されませんでした・・・」という所の計画降水、それは最終的に皿川の計画流量になるのだが、それは当時から現在までは50.2m^3/ S に設定されている。そうしてこの値による皿川右岸堤防の高さは標高で318.0mである。ちなみに皿川堤防の余裕高分は60㎝である模様。参照資料は下記。
・長野県による皿川堤防改修:https://www.pref.nagano.lg.jp/hokuken/documents/5.pdf
さてそれから 「平成20年度から平成23年度にかけ、護岸工を174メートル、堤防腹づけ工を150メートルについて実施をしていただいております。
このように、これまでも長野県において改修整備が実施されてきております。」と坪根さんはそう答弁しているが、その時にも皿川右岸堤防とJR線路との接続部に存在した2つの弱点は修正されることは無かった。つまり「長野県が行った皿川堤防の改修整備は不完全のまま終了した」という事である。
そうしてそこに存在した2つの弱点の為に今回、台風19号によって右岸堤防はその部分から破壊、決壊が起きたのでした。この件についての詳細記事は「・その16・皿川堤防にあった二つの弱点」を参照願います。
さてそうであれば「2つの弱点を知りながら放置した長野県の責任は相応に重い」という事になります。
そうしてまた「2つの弱点を残したまま終了した平成20年度から平成23年度にかけての長野県の改修整備」について「それで完了した」とした飯山市の責任もまた相応に重いという事になります。なんとなれば、その2つの弱点を残したまま終了した皿川右岸堤防については飯山市は「改修が終わった皿川堤防を実際に自分の足で歩いて、自分の目で確認する」と言う事をせず、従って「そこに残された弱点の存在を知る事はなく」、それゆえに「皿川堤防に存在したその弱点部分を水防上の重点監視箇所に指定する事もなかった」のであります。
追伸:飯山市議会議事録については飯山市のHPからアクセスして閲覧する事が可能です。:https://ssp.kaigiroku.net/tenant/iiyama/SpTop.html
参考資料・一覧