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plainriver music: yuichi hirakawa, drummer in new york city

ニューヨークで暮らすドラマー、Yuichi Hirakawaのブログ

一軒家の地下室でスタジオ録音

2007年01月05日 | 音楽
三ヶ日が終わったというのに、今日の日中は10℃を越える暖かさ。夕方近くに出かけた頃でもまだ春先か?と思えるほどだった。



クイーンズの北から直接ブロンクスに渡ってすぐの地域に住んでいる、ミュージシャン仲間のトニーさん宅を訪れた。彼と奥さんは去年の夏に念願のマイホームを購入し、地下室=ベースメントを録音スタジオに改造した。



そして自分のスタジオで使おう、とトニーさんは弟さんからドラムセットを引き取ったけれど、何度も又貸されていたので皮はすっかりボロボロ。もともとギタリストであるトニーさん、ドラムのチューニングはもちろん組み立て方も良く知らないので、なす術も無くスタジオの隅にしまっておいた。

そこへきて数日前、彼のクライアントがドラムの生演奏を希望したのをきっかけに、トニーさんは僕にドラムのメンテナンスと生演奏を依頼した。ここで何故あえて「生演奏」と書いたかというと・・・ドラムのパターンに繰り返しの多い曲を録音するには、近頃すっかりお手軽でクオリティの高くなった打ち込みまたはサンプリングした音源でドラムパートを作り上げるのが殆どになったからです。



今日のメンテナンスは、皮を新品に張り替えること。と一言で片付いたけれど、実際は3個のドラムの両面に皮を張るボルトと金属の枠を全て外し、胴体や枠の内側に溜まった埃をきれいに拭き取り、際ボルトに機械油なりワセリンなりを少量つけ、滑りを良くしてから締め、ドラムの音が出るようにチューニングする、と結構手間がかかる。またスネアドラムにはその他にスナッピーという、螺旋状の針金を7~8本束ねたものを下の皮に当てるので、下の皮を取り替えるにはまずスナッピーを外し、最後にそれをまた都合の良い位置に戻さないといけない。

スタジオの一角にある、防音した3畳ほどのブースにドラムをセットアップ。トニーさんはそのブースを主にボーカルやアコースティックギターを録音するために作った。もとい、正確には彼のお父さんが、壁作りからガラス張り、防音窓、電気配線の全てをしたそうです。ちなみに彼のお母さんが作るイタリア料理はとてもヘルシーで美味しいです。仲が良くて頼りがいのあるトニーさんのご両親は、トニー夫妻宅から歩いて行ける距離に住んでいます。



しっかり録音できるようになったドラムセットで演奏したのは、カントリーっぽい早めの2ビートのオリジナル曲。中途半端な小節数が所々にあったけれど、いかにもカントリー!という構成のおかげでなんとなく先読みすることができ、初めて通しで曲を聴いた時に録音したテイクを含めて2テイクでお役目完了。トニーさんやクライアントのエドさんとは、友達としても音楽仲間としても随分長い付き合いなので、仕事をしつつも楽しい時間を過ごすことができた。



To Tony and Ed: You would not know what a f**k I wrote on this blog, but I can tell you THIS for sure: as you could see on these pictures, it was FUN working on these drums and recording that song. Thanks a lot! Nice f**king card game...