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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
アンタに、オッさん呼ばわりされるほど年食って無いぞ、
この古狸!
と思うが、身体はブルブル震えていた。
[今時、見上げた心掛け。天晴れ! 天晴れ!]
何のことだか、訳が分からない。
その大狸によると、
今どきコーヒーカップに命を張るヤツも珍しい。
そのカップもワシラも同じ焼き物仲間。
何処に連れていかれるのか、わからないので、
子分どもが助けようとしたのだ。
しかしながら、日が昇ればワシラは動けなくなる。
結局は今助けてやったとしても、カップは何時かは
誰かに買われてゆく運命にある。
それならば、お前のような者に連れていってもらったら、
きっと大事に使ってくれるだろうから、彼女も幸せだろう。
必死にしがみついている姿を見てそう感じた。
連れて行ってくれ。
そして、大事に使ってやってくれ。
何か困った事が起きたら、いつでも相談にのってやる。
気に入ったぞ、
というような事であった。
片腹痛い。
私は、ヘソクリで買ったOさんへのお土産を、
取られたくなかっただけだ。
?千円もしたものだから執着しただけだ。
ヤツらが小さかったので見縊っていたこともある。
大狸を見ていたら、ボオーッとつっ立って、
為すがままにされていたであろう。
運が良かったのだ。
これで大狸とも縁が出来たし。
サヤカを起こして家路についた。
標識には信楽と出ていた。
もう恐いものは何も無かった。
大狸が後に付いていてくれていると思うだけで、
気持が何10倍にも大きくなっていた。
信楽の 愛敬狸の 道の番
深夜の走りに 徳利サイン
ち ふ
この項おわり