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絵じゃないかおじさんぐるーぷ
* 東方の鼻人・その2
「
「鼻」は、大正五年(1916)二月の
第四次「新思潮」に掲載され、
同年四月の「新小説」に再掲された。
芥川の文字通りの出世作であるとともに、
代表作の一つとして文学史的にも
重要な短篇である。
池の尾の禅智内供は、その腸詰めのように
大きな鼻で有名であった。
内供は始終この鼻を苦に病んでいたが、
それを人に知られたくないので、
気にしていないようによそおっていた。
しかし、実際に鼻の長いのは不便であった。
飯を食う時にも、弟子に鼻を持ち上げていて
貰わねばならない。
ある時など、代理の中童子がくさめをしたために、
鼻が粥の中へ落ちたことさえあった。
つづく