ピアノ調律師(滋賀県、京都市)の独り言

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水とピアノ

2012-02-25 23:16:51 | Weblog

そろそろ震災から1年が近づいています

あの日津波をかぶったピアノ

地震で倒れたピアノ

などが多くあったと聞きます

また震災後、安価なピアノが東北で売れているとも聞きます

倒れたピアノはどこに衝撃を受けたかで復旧の可能不可能が決まるでしょう

しかし、津波をかぶったピアノは復旧できるとは考えにくい

 

先輩調律師の方ともその事を話したのですが

やはり、弦を打つハンマーが水を吸うと膨らみ

音の緊張がなくなり

乾いても二度と原型に戻る事が無い事

弦などの金属部は湿気をふき取り乾燥させて

復旧可能と思いますが

ピアノの外装部の接着部が弱くなる事

また湿気を持った事で変形を起こす事

それらを考えると「不可能だろうな」と言う結論に至ります

 

これは津波ほどの事でなくても

湿気の多い場所に設置されても同じケースが生じます

湿気はピアノの敵

木の変形を生じさせ、金属部をサビさせ

接着部を弱くさせます

 

高額な乾燥剤を用意する必要までは思いませんが

安価な乾燥剤をこまめに交換したり

カラッと晴れた日には天屋根を空けてみたり

カバーを干したり

そういったケアが必要な楽器です

楽器一般にそうだと思います

また内部のホコリが湿気を保持してしまうので

内部の清掃もとても重要です

 

調律の際には調律師に内部清掃をお願いしましょう

電化製品でも同じパソコンでも同じ

ホコリと湿気は製品の寿命を短くします

結露の多い窓の傍にテレビなどを設置すると長持ちしません

パソコンの得意な人はきっとエアースプレーなどを使って

ホコリを定期的に除去してたりします

突然のデータの消失などをふせぐ為にも日頃のケアは大切ですね


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