ピアノ調律師(滋賀県、京都市)の独り言

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(077)576-2236大石ピアノ

草津市にある某会館のピアノ

2012-06-11 23:33:16 | Weblog
Pollini plays 2 preludes by Debussy as encores in Japan


ポリーニで検索をしたらドビュッシーの演奏もあった
この人はテクニックが相当凄いので有名なので
エチュードなんかの方が聴き応えはあるのかも知れないが
日本公演の時の動画とあるのとドビュッシーが好きなので

このピアノ、前にポリーニとプレートが埋め込みされているように見える
きっと自分のピアノを持ち込んだんだろう

やっぱり会館のピアノの信頼というものが無いのも
ピアノ持込の一つの理由だろうと思う
一流のホールならおおよそ問題ないだろうが
幾つかの地域をツアーする場合は
やはりピアノが不満足だったりするのだろう

先週末に久々に草津市にある某会館のピアノを調律に伺った
そこのピアノは年数も経ってきてるのもあり
20年ぐらいまえから、問題はあったのだが
驚きました、あまりの状態の悪さに・・・・

高音部の上から2オクターブ程の音が
低音、中音、中高音の音と
簡単に言えば、音量とトーンがぜんぜん違う
上から2オクターブの音が音量は小さい、トーンは完全に曇っている

ピアノというのは音色などを叩いてるハンマーのフェルトに
針を入れて調整をしたりする
新品の出荷前の状態のハンマーなどは叩き針と言って
中音部で肩口から斜めに多い場合3本付いた針刺しで
20~30回程度思い切り1センチ以上の深さで
通常、針を叩き入れているものである

それ以外にも音を微妙にコントロールするのに
弦溝の前後に針をさしたりする
しかし基本、針を絶対に刺してはならない箇所もある
例外も勿論あるが、極力刺さないものである

しかし某会館のピアノは
打ってはいけない所にどこかの調律師が
思い切り針を入れている、そういう音だった

おそらくそこに針を入れないと
「音がキャンキャン」と鳴ってしまうからだと思うが
そこに針を入れず違う箇所に強く刺してやれば
キャンキャンした音は解消する

会館の職員さんに、ハンマーのファイリングと
整音を申し出たが、予想通り
メンテナンス契約以外の会社の整音はNGだそうだ
この職員さん達に食い下がっても仕方ないので
(この人達も契約の業者さんなので)
調律で少し目立たないように誤魔化して
とりあえずイベントは開催されました

そんなピアノを貸し出して金を取る会館も問題だが
メンテナンスを請け負ってちゃんと調整をしてない調律師も問題
こういうのはこの会館だけの問題でなく
レベルこそ違えど、問題のあるところが他にも存在しています

家庭のピアノでも同じで
今日始めて調整に行った大津の方のピアノ
メルヘンというメーカー名のピアノだが
非常に変に鍵盤が重く、あきらかに可笑しかった
お客さんは、小さい頃からこのピアノは
「メーカー的に重くて直らないもの」と思われてた

それなりに料金は頂いたが
タッチ調整をして、重さを軽減させました
いろんなバランスが無茶苦茶でした
こういう問題いっぱいあり心を痛めます