バンザイ

本(絵本も)を中心に、息子たちとのくらしをつれづれなるままに。ウレシカッタコト、ハッケンを。

『この本が、世界に存在することに』角田光代著

2007-05-09 10:04:13 | Weblog
角田光代さんの本を読みました。

『この本が、世界に存在することに』角田光代著
この本が、世界に存在することに

メディアファクトリー

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角田さんの本を読むのはこれで3冊目。
それまでの2冊ですっかり私は角田さんのファンに。

対岸の彼女』と『しあわせのねだん

角田さんの書く文章には、共感が多いせいかなぁ。

さて、この『この本が、世界に存在することに』は
9編+あとがきエッセイ付からなるこの本。

表紙の青が、私好みのステキな色で
本を手に取ったときから、これよ!!と言った感じです。

どれも本とのおつきあいの内容の短編集。

いろいろな形で本が登場する。

その中で私がもっともそうそう!と唸ってしまったのは、
(以下、引用)

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「不幸の種」より
年を経るごとに意味が変わる。かなしいことをひとつ経験すれば意味は変わるし、新しい恋をすればまた意味が変わるし、未来への不安を抱けばまた意味は変わっていく。(中略)一年前にはわからなかったことが理解できると、私ははたと思い知る。自分が今もゆっくり成長を続けていると、知ることができるのだ。

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同じ本なのに、本当にそうなんですよね。
中学生のときに読んだ『友情』武者小路実篤と、社会人になって再読した『友情』
これには、本当に驚いた。
そういう本は、山とある。

そうそう、このとき再読したいなぁと、ふと思ったのが、
中1のとき、それはそれは時間を忘れて読みふけった
『はてしない物語』
はてしない物語

岩波書店

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ものすごく感激したのを覚えている。
が、今は内容もおぼろげだ。

そして、もう一箇所

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「ミツサワ書店」より
頭のなかは、読んだほんの言葉であふれかえっていた。しかしそのどれも、だれかが書いた言葉であって、ぼく自身の言葉というのは、あいかわらず、阿呆な一言しかなかった。

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こうして文章を書いていて、まさにそうだ。
いっつも自分の読書記録や息子たちとの絵本を楽しんだときの
ことを書こうにも、
相変わらず、自分から出てくる語彙・文章は、楽しかった。すごかった。
しか表現できないのだから、悲しい。


この短編集には、古本屋さんが結構出てくる。
そう古本屋さんって宝探しみたいで楽しいですよね。
あの独特の匂い。

あさっているうちに、鼻がムズムズしている感じ。
埃もあるかもしれないけど、

本に呼ばれているのではないかとキャッチしようとする私の鼻。

この辺にあるかなぁ~。神田の古書街に行きたい。

そういえば、角田さんの著書に
『古本道場』
古本道場

ポプラ社

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があったな。と思い出す。
こちらも近々読みたいと、読後思った。