臨床心理士の第一歩

2015年に臨床心理士(CP)試験に,2018年に公認心理師試験に合格しました。もうすぐ68歳。CP5年目の更新年です。

少年法「改正」

2014-04-27 11:12:00 | 大学院修士2年
少年法「改正」法案は,4月1日に衆議院,
4月11日に参議院で賛成多数で可決されました。

与党が大半なのだから,十分な議論がされたかされないかではなく,
それは,賛成多数になるんでしょうね。



少年法に関して,以下のサイトは中学生向けに書かれていて,
わかりやすいです。

http://www.kodomonoshiten.net/kaiseiQ&A.htm

上記サイトによると,

“子どもの犯罪は成長の過程での(広い意味での)マイナスの影響による場合が多いので、苦痛を与えて懲らしめるよりも、犯罪に至ったプロセスを理解し、これらの影響を取り除き、自分のやったことの意味をじっくり考えたり自分に自信を持てるようにサポートし、暴力によらずに自分の考えを表現できたり他人ときちんと人間関係が持てるようにすることが、社会に戻って再び犯罪をおこさないようにするためにも、その子がよりよい人生を歩んでゆくためにも大切です。”

そのために,

“刑務所とは違う扱いをするところとして少年院を作り、ひとりひとりの問題に応じた教育をするようになりました。裁判所も大人の裁判所とは別のもの(家庭裁判所)を用意し、子どもがこれまで育った環境などを調査できるようにしました。こうした考えから、子どもの場合は一見軽い事件で大人なら起訴されないような事件でも少年院に送られる場合もありますし、また、実際に犯罪をおこさなくても、おこすおそれのある場合には審判に付され、少年院に送られることもあります。その意味では大人より「重い」といえますが、少年法は大人の犯罪に対するのとはまったく違った考え方で作られているのです。”

そして

“第2次世界大戦のあと1948年に新しく少年法と家庭裁判所、少年院が作られて本格的に保護主義が実行されるようになったのです。”

そのはずなのに,少年法は「改正」のたびに,次第に厳罰化されています。


被害者支援は当然されるべきであって,それが今までなさすぎたというのは,
法律の作り方のよくなさだと思います。
被害者支援で取り組むことは,もっともっとたくさんあるのではないでしょうか。
厳罰化することが,そのまま被害者の方や被害者の家族の方が
救われることに結びつくわけではないように思うんです。
マスコミ報道や政治家の言動は,
被害者やその家族の方の悲しみを全面に出すことで,
我々の感情のみに訴え,
少年法「改正」を正当化しているようにさえ思えますが,
少年法の理念と,被害者のためにほんとうに求められていることに関して,
もっと別の観点から論じられることが必要ではないかなーと感じます。


加害者が心から罪を悔い,謝罪をし,
被害者の方の被害が無駄にならないよう,
社会のために貢献できるような更正がなされることが,
求められているのではないか。
そのためには,単に厳罰ではなく,
上記にも書かれているように,犯罪に至った経緯をよく解きほぐし,
彼らの生育をサポートしていく,
遠回りのようだけれど,必要なことだなあ,
そんなことを考えます。

そして,臨床心理士も,
更正の分野に関わりサポートする役割を担うのだと思います。

以下の意見,記事も考える参考になります。
http://www.huffingtonpost.jp/2014/03/02/juvenile-crime_n_4883656.html
http://mainichi.jp/opinion/news/20140418k0000m070124000c.html

臨床心理の世界の方々は,どのように考えていらっしゃるのかなと思います。
自分自身もどう捉えるか,考えていきたいと思います。

大人としての責任は,
子どもたちがより良い人生を歩んでいけるような社会にすることだと思います。
生きてて良かったなあと思えるような,
若年者の死亡の第1位が自殺ではないような(今はそうです),
http://www8.cao.go.jp/jisatsutaisaku/whitepaper/w-2013/html/gaiyou/chapter1-03.html
未来に希望のある社会です。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。