一期一会の日々

日々のあれこれ

初めての自転車伴走。

2018-11-21 07:00:05 | スポーツ

秋晴れの先週、職場のマラソン大会が行われた。
例年職場待機組だが、今年は人手が足りず簡単なお手伝いをということで
駆り出されることに

事前にオファーがあったのは、これが簡単な役目か定かではないが、
3レースある各レース毎のトラック内最後尾の自転車伴走
トラックから外回りのコースへ流れるところで、
別のスタッフにバトンタッチとなる。
本部や数百人の待機選手が見ている中、
ひたすらトラックを回り続けるおばさんの図が思い描かれ、
なんか絶対おかしなことになるとは思ってた
でも、伴走なんて初めてだし、ちょっと面白いかも
あっさり引き受けてしまったのが運の尽き

最初のレースは女性425人
この最後尾を自転車でキコキコ付いていく
そう、何だかもうあと数回漕げば
車輪が取れてしまいそうな不安定な自転車で…
さん頑張ってと選手よりも無駄に声援を受け、
嬉し恥ずかしの自転車漕ぎ
なんせこのお役目、いつもは専門職のスポーツマン達が担当する枠。
事務職員はもとい、この契約事務職員のポジションでは
昭和45年から続く大会の中で
あのラブ姉さんもやったことはないとやんややんやの大騒ぎ
おじ様達の大興奮の中でスタートしたからだ。
マラソン大会に来たこともないさんが何故このお役目をと、
誰もが不自然に思っている役どころ
立候補したのかと思われている方もいたり
密かにその謎を確認された方もいて、
単純に自転車通勤だからと短絡的な答えが返ってきたと教えてくれたりと、
大会前から何かと物議を醸している役どころなのだ。

曲がり角の2箇所の観察員の前を通過
直線に入ってほどなく行くと、
780人のレース待ち男性選手の片側花道状態が待ち受けていた
  こんなの聞いてないよ
女性選手に声援を送る大量の男性選手
最後にキコキコ自転車おばさん
一般の公園で行われていたため、男性選手の眼差しが
抜くに抜けない一般の自転車のおばさんの体になっている
2周目、またもやおじさん達の声援を受けこぎ続けると、
例の花道を前に女性選手達は外回りのコースへと旅立って行ってしまった
たった一人っきり、男性選手の中を通過する
おっ、また来た 声に出さずとも
明らかにに反応する大量の男性選手たち。
  恥ずかしすぎる

次のレースは待機していた男性半数。
よーいパンでまた最後尾をキコキコ
花の女性選手も彼方なので、もう花道はないだろうと思っていたら
まだ半数が居残っていた
謎の自転車… 今度は明らかに声に出して反応する
もはや、秋だというのに久々の陽気に頭の中が春めいたおばさんが、
楽しそうな集団に勝手に混じって
嬉しそうに自転車を漕いでいるようになっている
このレースの2周目、一人っきりで何が待っているのだろう
また花道に入っていくと、おっ来た来た~と大興奮
ハイタッチハイタッチと手を出してくる
黙って漕いでいるよりも、もはや乗った方が気楽だと
ハイタッチに応じようと手を出してみたものの今ひとつ届かず
あ~、届かなかった~の雄叫びをあとに、
もう恥ずかしくて恥ずかしくて仕方ない

最終レースはこのハイタッチ軍団420人の最後尾。
もう花道もないだろうとほっと胸をなで下ろしてよーいパンで出発
すると最後尾の選手軍団が、自転車来てるからよけてよけて!と声をかけ、
皆モーゼの十戒の如く道をあけてくれるではないか
最後尾伴走だから抜かしちゃいけないんですけど…
  もう可笑しくて恥ずかしくてたまらない。
よけてもよけても抜いていかないおばさんにあきらめたのか、
あっという間に歩き始める愚連隊
その後ろをつかず離れずマークするおばさん
ちらちら後ろを振り返られ、
関係者だとわかってもらうために頑張ってと声をかけると、
ヒーッと声を上げ走り出していった
慌てて追いかける陽気に誘われたおばさん
不審者が付いてくるとさっきまでのタラタラはどこへやら、
一心不乱に走る愚連隊選手
  もうあんまりだ

無事、外回りのコースへと送り出したあとはもうぐったり
トラック6周で4㎞と聞いていた。
その距離よりも精神的なダメージの方がはるかに大きい
人手が足りなくて簡単なお手伝いと聞いていたのに、
結構大変なお役目だったよね
さんが今日のMVPと評されたこの最後尾伴走。
生きてこのような辱めを受けるとはと、
ことの顛末を話すと誰もが大爆笑
そして真剣な顔で、
来年は事務のですとたすきして臨まなくてはと、
もう次も確定の模様

今思い返しても恥ずかしくて、そして笑いがこみ上げてくる
秋晴れの中のよきできごと。