P突堤2

「でにをは」別口入力・三属性の変換による日本語入力 - ペンタクラスタキーボードのコンセプト解説

ペンタクラスタキーボードはもっぱら短い語句の変換向けに機能を掘り下げたものではない

2016-08-16 | 画面の流れとインターフェイス
意味属性という切り口から望んだ語句の変換に素早くアプローチする三属性変換の特質として、短い語句の変換に機動的に対応できるという利点がありますが、長文を含む複数文節の一括変換はとても重要だと認識しています。確かに検索ワードの入力やファイル名フォルダ名の入力に威力を発揮しますが、日本語入力と名のつくものには長文の精度の高い変換は必須のものであり、決して軽視してはおりません。
でにをは別口入力の良さを存分に出せるのはむしろ一括変換の変換過程において発揮できるものであるということを強調したいと思います。
ただアプローチ方法が違います。従来の長文変換の処理過程では、形態素解析で要素をひとつひとつ取り出して品詞間の接続や単語そのものの接続しやすさなどを計算したり、時には意味解析や文脈解析などの高いレイヤーの処理を伴ったりしながら順を追ってプロセスを積み上げていき、一気に変換キー一発で目的の変換文に落とし込むという、シンプルでわかりやすい方法が提示されていますが、
ペンタクラスタキーボードにおいては端的に長文入力後の変換キー操作の一点に収束させるのではなく、でにをは別口入力で形態素を成形し準備立てるプロセスがあったり、≪≫キーで語句のかたまり間を移動して三属性変換をほどこし後から訂正しやすくしたり、まず最初は通常変換で無難な(冒険的でない)変換を試みて第二段階でユニークな部分の変換に移行するという形をとっています。
これは変換確定前後にわたって諸所に用意された重層的なプロセスで変換操作の対話性を重視したインターフェイスであり、仮に正解の語句変換が成功しなかったとしても違和感なく修正過程に自然と移行させる構図ができあがっています。
常に途切れることなく変換フェイズに関与しているという心理的効果があるとともに、ヒントを随時問いかけて正解に近づけていく数当てゲームのようなやりとりに似ているスタイルであり、ユーザーは最初は戸惑うかもしれませんが、終始このスタイルが貫徹されていることに慣れていけば、これはこれで一つのスタイルだな…と飲み込んで消化できるものとなっていると思います。

正解を出すための作業も大事ですが、かな漢字変換に誤変換はつきものですので、失敗したときの挽回策を手厚く用意することもユーザーの利便性のために必要なことであると考えます。

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