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「でにをは」別口入力・三属性の変換による日本語入力 - ペンタクラスタキーボードのコンセプト解説

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シフト押下時のテンキーの文字セットについて

2022-08-10 | アルファベット液晶入力+テンキー部

日本語環境においての文字入力作法は、たとえば「・」(中点)だったり「~」(波ダッシュ)だったり、他国のとひと味違います。
日本語独特の表記・組版の事情にもよるのですがキーボードというのはグローバルなものですから多少の文字の融通はあっても
根源的に、その国の表記事情にジャストフィットで軽便をこなせる配置・配列というのはなかなか望むべくもありません。
しかしガラパゴスとはいってもその国にはその国ならではのビブリオ事情というものがあるのですから
頻出の文字・記号に関しては常にモードレス単打でタイプできるように魔改造できる余地というのも残されていなければなりません。

人間の想像力が、現実の科学技術の制約に後れをとっては情けない話です。
想像の力は型にはめられてしまうことなく、つねに現実に先行していなければなりません。
夏休みの自由研究でもいいですし、大人の自由研究でもいいですがこうしてゼロベースから理想の文字入力環境をデザインする、考察していくことは
単にガジェットのロマンに留まるものではなく、実際の研究の最前線で示唆のある知見をもたらしてくれる、そういった実用性ももちろん厳としたリアリティを持ちうる、と勝手に思い込んでおります。
最近文字入力界隈もじわじわ盛り上がっていることですし、そろそろアプリケーションも巻き込んでかな漢字変換のプロセスとも密接に連携する入力環境の概算も視野に入れてくればいいな、そろそろ潮時かな、なんてこれは至って本気で感じている潮流なのです。


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ちょっとクセ強めかとは思いますが、私なりのシフト押下時のテンキー拡張案をここに書き記していきたいと思います。

まずは曜日、これは頻出ですから即アクセスしたい文字であります。

-  -  -
-  -  -
金 土 日 -
火 水 木 -
月 -  -  -

テンキー下半分に七曜を配置してあります。
真正直にべたかな文字列から曜日を変換しようとすると同音異義語で埋もれてしまいなかなか狙った曜日を変換できないことが多いです。
特に火・土は出すのに苦労しますね。
これはシフト打鍵ではありますが確実に曜日に絞った文字列だけをタイプすることができます。

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次に暦日付・時刻に関する表記の6項です。

年 月 日
時 分 秒 送信
-  -  -
-  -  -
-  -  -

yymmdd hhmmssを規定する文字列を上半分に配置しました。
こちらは同音異義語で気になるのは時くらいでしょうか、しかしあえてテンキーアクセスで利便を確保してあります。
ここで皆さんはお気づきであると思いますが、先ほど曜日で使った文字「月」「日」がダブっているのではないかとの疑問が浮かぶはずです。
しかし私は単に表記だけを見てテンキーシフトを設定しているのではありません。
日常頻出で使われ、しかも長文ではなく検索ワードや項目諸元などで断片的に出てくることを前提とするなら
これらの語は逐次翻訳の面から言っても、テキスト音声読み上げの面から言っても明確に弁別できる特徴因子をもってしかるべきです。
なんならこれは、文字コードを重複を承知で別扱いのものとし、こうしてトラブルになる前にセマンティックな下ごしらえを入力の段からデータ弁別してやれば
そこへ到達してみればこそ初めて見える地平というのが見えてくるはずです。
同じ「日」でもdaysとsundayが区別できたほうがより解像度が増しますし
同じ「月」でもナンガツの「ガツ」なのかゲツヨウビの「ゲツ」なのか、これは読み以外にもcalendar monthなのかday of weekなのか文脈ごと前駆できる識別子が必要です。
漢字はなまじ便利であるがゆえに、こういった具備の特性を曖昧にさせてしまう悪癖があります。
その欠点を補うために、人間-機械の相互作用の中で、人間の側が一歩機械に歩み寄って前駆的にデータ成形したタイピングを布陣することが、ペンタクラスタキーボードの用意した解答なのであります。

時刻・曜日というのは記録(ログ)の骨子を構成する基本情報でもありますし、タイムスタンプという繰り返しのデータ円環たる再帰性をもちます。
そして人間の日々のいとなみの中でのルーティン性と密接に連動しています。
単に絵文字の種類が増えた!といってぬか喜びするのではなく、こういった本質的なところの土壌整備というものが目立たないところですが真に重要な課題なのであります。
そこのところを曖昧にして不如意を甘受し続けていると、我々が欲するデータの再利用、分析、抽出などの新たな価値創造のプロセスに重大な綻びを生ずるもとになります。
ペンタクラスタキーボードではそこに楔を打つように、「のちに続くものたち」への配慮としてこうした見通しのとれた入力作法を提案するものであります。

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日時時刻のグループと曜日のグループが収まりよく決着したところで
ここで再びテンキー配置図を見てみましょう。

-  -  -
-  -  -  送信
-  -  -  氏
-  -  -  さん
-  ヶ 期 ²

数字の0の隣付近には、月間スパンで用いられる〇ヶ月の「ヶ」(小書きのケ)が共起すると便利なことからこれを採用しています。
その右には単音のキで同音漢字に埋もれやすい「期」の字を、これも数字と共起しやすいのでこちらも抜擢しました。
数字以外にも「明治期」「上期」「秋期」「イヤイヤ期」などの表記にも柔軟に対応できるのではないでしょうか。

続きましては一番右下の「²」(2乗記号)です。
最低限簡単な数学表記の筆頭として、2乗記号はくらいはダイレクトに即タイプできる環境というのが理想です。
累乗記号の手続きとしては従来の(^)ハット・キャレット記号というのもありますがこれだと編集手続き的・迂遠的に過ぎますので
即タイプに載せるために専用のキーをしつらえました。
3乗やn-1乗など数学的なバリエーションについていくためには汎用的な(^)記法のほうにも理があるというものですが
これは当座の表記の手軽さを実現させるためにまずは2乗の記号を設置してみて便利使いしてみようというものです。
あまり考えてはいないのですが4乗、5乗などは連続打鍵で乗数を上乗せしてタイプできるようにしてやればお手軽に表記できますし
X乗とかiπ乗とかの表記上の難題はここはひとまず置いておいて、まあ粒度シフトなどの機能キーと連動させてなんとでもなりますのでこれは後の楽しみのためにとっておきます。

次にその上にある「さん」と「氏」についてです。
これは以前から課題であった人の呼称接尾辞の最たるものであります。
これは単に誤変換を招きやすいという音韻的な特徴にとどめておくだけの認識では詰めが甘く、人称であるがゆえに特段に間違いが許されないという重要度の高い懸案であります。
私などもこれには難儀して別口入力キーに「さん」を加えてみればどうか、と本気で検討に至った経緯がありますのでこれは特に外せない問題です。
幸いにして今回のテンキー拡張の検討にあたって地滑り的に活躍場所を得ることができてこうして末席に連なることとなりましたが、これは意外な救世主となるかもしれません。
中国や韓国の方のお名前、たとえば趙さんとかイさんとかであるような人名を適切に表記することにきっと役立つかと思います。

ちなみに、ちょっと偶然かもしれませんが右下から上へ二段目三段目と並ぶ重ねの配列に
(²、さん、氏)
に、さん、し、と並んでいるのは語呂もいいかなと思って偶然なのか狙ったのかそれすらも判然としない"巡り合わせの妙"であります。

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ペンタクラスタキーボードは
盤面左のショートカットキー群のゾーンから盤面右下のテンキーゾーン、
奥はタッチ液晶部から手前は:ん・っ・スペース・長音(ー)まで
どのエリアにも一切無駄というものがなく縦横無尽にアクション・そしてオペレーションしていきます。
はっきり言って手の移動量は他のキーボードと比べて比較にならないほど大きいです。
しかしそのアクションの一つ一つは明快に定義された機能意図と即座に結び付いています。
そのユーザーエクスペリエンスは大いなる身体性を伴う、「随意」の羅針盤となることでしょう。

広い航海には地図も欠かせませんので今一度ここにキーボード配置図を再掲しておきます。


(画像をクリックすると別タブが開いて拡大します)

3回にわたってお送りしたテンキー周りの深掘り解説でしたが、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

 


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テンキーの配置はライト作法のユーザーを意識したもの

2022-08-05 | アルファベット液晶入力+テンキー部

前回記事でテンキーに触れたのでここらあたりをさらに掘り下げていきたいと思います。
一般的なPCのキーボード右側のテンキー部には加算(+)、減算(-)、乗算(*)、除算(/)の記号に加えて
NumLockキーが必須となっておりますがペンタクラスタキーボードではタイピング用途・場面というのをゼロベースから考え直して
吟味・検討を重ねてまいりました。

まずNumLockキーについてはNumLockがオフになっているときに←↑→↓のポインタ操作を代替する用途があるためだとは思いますが
この用途は今では廃れて形骸化しているので思い切って除外しました。
最悪マウスポインタが使えないときであってもタッチ液晶部というのがありますし形式主義的に墨守しても仕方がないとの判断です。

代わりに何を入れたかというと、「~」(波ダッシュ)であります。
波ダッシュには似たようなマークの全角チルダとの競合・混用問題が影を落としており
文字コード界隈でもはっきりしない領域なのでアンタッチャブルな存在だとは思うのですが
ペンタクラスタキーボードでは文字コードから抜本的な見直しを進めていくためにかえってこういう"境界線上の"懸案というものに
きっちり決着をつけていきたいという動機も手伝ってかこうして打鍵単打の一次レイヤーの操作体系として大胆に取り込んでいこうとの方針であります。
特に日本語の長音(ー)の代替として(~)が使われる頻度も高く、また日時・時刻・タイムテーブルの表記として
縄文~江戸、10:00~12:00、エスカ&ロジーのアトリエ~黄昏の空の錬金術士~ のような副題部の括弧相当のような使い方も一般的となっているため
日常での頻用性、要請性も高いニーズがあるので新キー案の筆頭事項にあげても文句はないでしょう。

次に四則演算記号についてですが
(+)(-)はいいとして(×)記号については盤面手前の別口入力部にある
(〇R)キー、(×r)キーの刻印をうまく利用して、+シフト押下時に「〇記号」と「×記号」を素早く出せるようにする、というベースがあります。
ちなみに、「×記号」はもちろん言うまでもなく掛け算記号、倍率記号としても使われるばかりではなく(*よりもむしろこっちが重要)、
商品名やタイトルの表記やカップリング表記に欠かせない要素となっているのは日本語環境で特に意識される潮流なのではないでしょうか。

【参考:かける記号のつくアニメタイトルや曲名】
LOVE×HEAVEN
れでぃ×ばと!
ひだまりスケッチ×☆☆☆(ほしみっつ)
SPY×FAMILY
黄昏乙女×アムネジア
サーバント×サービス
ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS
ペケ×ポン
Answer×Answer
妖狐×僕SS(いぬぼくシークレットサービス)
HUNTER×HUNTER
ハイスクールD×D
荒川アンダー ザ ブリッジ×ブリッジ

…で、本来の「*」(アスタリスク)での乗算記号のほうですがこれは義理でテンキー部に入れておいてあります。
まあエンジニアぐらいしか使う人はいないと思いますが項目マーカーの足し程度には使えるので良しとしましょう。

さらに話を進めまして割る記号なんですがこれは拙案では(/)と(÷)の両方がエントリーしております。
÷を使っているのは日本だけのローカルな事情なので国際基準の/を使うべしとの意見もあるようですが
/は用途が煩雑で日付や分数のほか接続詞的用法や列挙提示、URLの区切り記号などテキスト読み上げのときに解釈ゆれで難儀する場面もみられると思うので
読みが固定されている÷は温存しておいたほうがいいと思います。ですのでテンキー部のリソースを使うに値する併存を許容するものとします。

そして小数点(.)とカンマ(,)についてですが結果から言うと小数点(.)だけを採用することとなりました。
ペンタクラスタキーボードではヘビーなオフィスユース/テックユースというのは想定していないので桁数区切りやCSVなどをしこしこ入力する必要性をあまり感じなかったからです。
小数点につきましてはヌーメリックの運用として依然として1.5倍であるとか円周率3.14であるとか50mmF1.8レンズであるとかweb3.0などの多様な表記は担保すべきである
との判断からこちらのほうを採用するに至りました。こちらも"表記優先主義"を念頭に置いての措置であります。

そして最後のコロン(:)についてでありますがこれはもちろん時刻をタイプするのに必須の記号でありモードの切り替えを意識することなく常に単打で入力させるようにするために当然の措置です。
これは先項の(/)と(:)と(~)の合わせ技で
2022/8/4 20:30~集合
などのように全部入りにしてこそ真価を発揮する表記の重要な勘所であります。

あとついでに言えば、テンキー由来の入力数字は、常に半角数字にタイプすることを原則とします。
全角数字に関してはタッチ液晶部からの数字キーがありますのでこちらで明確に住み分けしていけば良いでしょう。

できれば累乗の記号「^」もテンキー入りさせたかったのでありますが、これはタッチ液晶・英数のときの状態=文字セットBで収録してあるのでこれで対応していけそうです。
あとイコール記号「=」もすでに物理盤面左上方にあるので重複を避ける意味で無理に配置せずとも良いでしょう。
計算機のような使用場面・動作にこだわりすぎてテンキー盤面を愚直にひと揃えさせるのも融通が利きませんし
キーはあらゆる表記の段に備えて「=」などの汎用記号はメイン盤面に据えてどしっと構えているほうが計算以外の表記場面に対応できる"ひらけた"物理配置であると思います。

重ねて申し上げてきましたが文字は表記をその目的としてその用を満たせればそれでいいのです。
関連性があるから隣接して配置…などはつい整理・把握したがる人間心理なのではありますがそこにはとらわれずに
純粋にパーツの連接相関度だけでメイン盤面/テンキー盤面/タッチ液晶部などの守備範囲の適材適所に住み分けていければよいと思います。

テンキー周りにはトピックはまだまだ着眼点というものがあって、今稿では書ききれませんでしたが
シフト押下時のテンキーの文字資源というものにはまだ未踏の可能性を秘めている分野であると思いますので
まだまだちょっとだけ、続きます。

次回は発展的考察として「シフト押下時のテンキーの文字セットについて」
いろいろ追求していきたいかと思います。
よろしければどうぞお付き合いください。

 

 


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ペンタクラスタキーボードでチャットで改行せなの悪夢から解放される

2022-08-01 | アルファベット液晶入力+テンキー部

チャットをするときには、いつも身構えます。
以前何度か、amazonカスタマーサービスのチャットをしました。
いつものように不具合説明のくだりをメモ帳に仕込んでチャット画面にコピペで流し込む…
そんでもって話が進んで想定外の返信を求められるとしどろもどろ…
それというのも、込み入った説明をするときにはどうしても複数行になってしまうというのに
Amazonチャットの仕様は改行すると送信してしまうシロモノで…うーん、もどかしい。
どーにかならないの、これ。

というわけで、チャットにおけるの改行・送信問題についてが今回のテーマです。

Amazonに限らず、様々なサービス、あるいはチャットソフト個々の事情などでもこの種の問題は定期的にちょくちょく話題に上っているようで
この6月にも複数のニュースサイトやブログで話題になっていました。
アプリや環境によって使い分けのショートカットキー入力などもあるようですが、各社で統一がとれておらず操作もまどろっこしくてそんなのいちいち覚えていられません。

それほど頻繁に問題になるようであれば、これはもっと根源的な問題なのでは?
ペンタクラスタキーボードでは、抜本的な解決策をご用意しました。
それがこれ↓です。

以前のコンセプト案から一部修正して、テンキー部のレイアウトと機能を改善して
でかでかと「送信」キーをしつらえてあります。
こうしてキーボード自体で明確に機能を分離してあればショートカットキーだとかその場しのぎの弥縫策に引っ張られることもなく
物理的に、直観的に、解釈の曖昧性もなく、一意にユーザーの意図が伝わります。
これこそが根源的な解決方法です。
異なる端末ごとのAPIはどうするのか、制御文字としての改行コードの取り扱い・運用の兼ね合いはどうするのか
など枝葉末節の議論もあるかとは思いますが
ペンタクラスタキーボード体系のアーキテクチャーはOSレベル・文字コードレベルから根本の見直しを目指しているので
過去の遺産に縛られることなく自由に発想していければよいと考えているのでそんなものはちっとも意に介しません。
もともと昔のキーボードでは改行と送信が独立していたモノもあったようですのでよほどの合理性があったのでしょう。
ケチってキーを減らそうとするからこうなる…
私見ではありますが、もうスマホと同じ土俵では勝負にならないのですから
物理キーボードは多キー化、詳粒度化が生き残りのためには避けられない論点であると思います。

最後に今記事をリサーチするときに巡り合った有用なWeb記事を貼り付けておきます。

あらゆるチャットのEnterの挙動を徹底調査。~改行キーと送信キーは統一すべきである~ - えくせるちゅんちゅん

非常に細かく調べられており2020年の記事なので若干の変更点もあるかとは思いますが
インターフェース事情や規格制定者さんへの提言などが含まれており、よそ様のブログではありますが
皆様とシェアすることでこの問題への認知・理解が進むことを願っております。

 


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宿題が増えた

2020-01-29 | アルファベット液晶入力+テンキー部

<タッチ液晶部(従来案)>

タッチ液晶面を見ていますと2018年7月にセットモード切り替えについていろいろ論じあげたもののそれ以降は特に触れることもなくここまできていました。
液晶関係は英字入力だけでなくタイプした文字を手元で確認できるようにすることも大事な点でしたがそのへんがすっかり抜け落ちてしまっています。
手元の液晶画面で入力文字列のタイプ状況を表示するためには上部に表示領域をとらなければなりませんしその分実質的なタイポにあてるキー部分が減ってしまうのは否めないところです。
タイポ要素の各キーはおおざっぱに5段×10キーのマトリクスで占められていますがこれをスクラップ&ビルドし直して4段×12キーみたいにして上部の領域に新たにスペースを生み出そうというものを考えています。
デリートや文字セット切り替え(abc⇔123)などとかの役物やその他下段を占めていた雑多な記号類を4段の縦領域のそれぞれ左右両端にスプリットさせて縦を縮めて横をワイドにする…といった具合です。
そして画面状況や実測のスケール感などを考えていますとこのままでは液晶面が少々手狭かな、という判断に行き当たりました。
そこで今回(前々から考えてはいましたが)長らく定着していたと思われた全体レイアウトに思い切って領域バランス変更をほどこして下図のようなイメージで尺をいろいろ弄ろうと決心いたしました。


<液晶面のワイド化にともなう全体レイアウトの調整イメージ>

修正作業にはちょっと時間がかかりそうですのでしばらくお待ちください。ひょっとしたら夏までくらいになるかも知れません。
あわせてタイプ文字表示領域の文字数限界をどうするのか、ペンタクラスタキーボードには「でにをは別口入力」があり変換確定までの一フレーズのスパンが長めになることを謳っておりますのでそこの一フレーズがまるまる収まりきらない場合はどうするのか
さらには異字種混在環境を快適にするには英アルファベットだけでなく多言語の入力環境も整えた方が良いのではないか…との意味からサブ言語タイプ支援のための呼び出し・切り替えのキーなどはどうするのかについても検討していくことにしましたので
タッチ液晶キーの最大の利点でもあり特徴でもある≪操作対象がレイアウト・刻印部分含めオブジェクトそのものが時々刻々で可変になる≫という性質を十分に理解したうえでさらなるインターフェイスの向上を目指していきたいかと思います。

なかなか手ごわそうな課題が並んでいますがひとつひとつ丁寧に解きほぐして物理キーと電子キーの兼ね合い、手元感覚と表示情報の必要十分要件などをじっくり考えて最適なオペレーションを設計していきたいと思いますのでよろしくお願いします。


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[かな/英]入力字種がハッキリしていればインクリメンタルサーチが使いやすくなる

2018-10-22 | アルファベット液晶入力+テンキー部
IMEを長く使っていると検索窓に入力するときに数秒固まってしまいまごつくことがあります。
これはIMEのせいなのか検索サイトとのやりとりによって起きている事なのか原因はよくわかりませんが未変換文字列から変換のキーを押したところで発生しているので文字列データの読み込み時に何らかの不調が生じているものと考えられます。
どれだけ効果があるのかはわかりませんが、ペンタクラスタキーボードの[かな/英]完全分離の仕組みがこれらの問題に良き作用をもたらすのではないでしょうか?
例えば「BONSAI」という英語として入力したくてもスペースキーの単純な変換では出てきませんしアルファベットの変換はF10を押すのにキーの位置を手探りで探してしまうという有様です。
これはもちろん検索窓の挙動においても常に起こる入力の悩ましい問題です。
しかしはじめから入力文字列の字種が日本語なのかアルファベットなのかはっきりわかっていれば字種解釈の曖昧性で迷うこともありません。
この問題を多キー化で物理的に解決しているペンタクラスタキーボードの構えが単純にして最も効率的なアンサーであるというのは非常に強力な機構で、子供でも分かるシンプルな世界を文字入力にもたらすと言えるでしょう。
これは理解のうえでも単純であると同時に、実際のコンピュータの処理上においても風通しをよくしてくれているものなのです。

私はブラウザで訪問ブログの履歴などを検索窓に投げ込んでいろいろ検索することが多いのですがブログ名というのはアルファベットのものも多くてその度にひと手間掛かるのはなかなかもどかしいものです。
それならと英数モードにして折り目正しく入力しようかとも思いますがつい忘れてしまったりなんとなく英数モードになっているかなと思って後で慌てて直したりするなど純然とした言葉に取りかかろうとしているのに言葉以前の文字のつまらないやりとりに意識を取られてしまうのです。
ここにダイレクトにアルファベットのまま直に入力できればそのような些末な問題からやっと解放されます。
話はアルファベットに限らず、[かな/カナ]文字のとりまわしにも好影響を及ぼすものだと自負していたりもします。
もちろんファンクションキーのF6でひらがな、F7で全角カタカナ、などのように変換手段もあるにはあるのですがちょっとこれでは日常頻出動作にしてはちょっとキーへのアクセスが億劫すぎます(位置的に)。
ペンタクラスタキーボードでは盤面中央部やや左下に[かな/カナ]キーがいつでも押しやすいように鎮座しているのでちょっとしたときでも瞬時に、反射的に押せる位置にありますので日常動作での頻度へしっかり配慮されたキー配置であると自信を持って言えます。
これは従来のキーボードの制約の中からは出てこない、日本語特有の事情を重く考慮したプラグマティックな発想だと思います。

今ではすっかり当たり前となっている、予測変換やインクリメンタルサーチ(逐次検索)についても字種の取り回しの良さはその使い勝手を大きく向上させるのに十分寄与するのも期待できます。
特に予測変換でのアルファベット単語の候補提示は英字入力に弱いペンタクラスタキーボードとしては力強いサポートになるのではないでしょうか。
なにしろ入力文字列が日本語の変換を前提とすることのない完全分離されたアルファベットなので心置きなくその字種のみでサーチできるのが良いところです。
また、英語での予測変換ではセキュリティーなどの問題も懸念されるところですが、ID・パスワード入力フォームでの入力にはWebサイトからのフォーム入力シグナルを適切に読み取ることで回避することが求められますし、タッチ液晶入力でのモード移行の便宜として予測変換の機能しない「素っ気ないモード[素]」を設けたりして配慮に努めているところです。
そのような諸問題を慎重に取り扱いつつもアルファベット字種での予測変換やインクリメンタルサーチの使いやすさの向上は、「BONSAI」だけでなくさまざまな語において活躍してくれることでしょう。

そもそも字種の境界の曖昧な現在の入力事情では、
「Cは」とか「Sは」などの入力も[cha][sha]となり、かな音節の「ちゃ」や「しゃ」と原理上区別がつかなくて混同してしまうのは根本的な欠陥なのです。
日本語はただでさえ同音異義語の問題で手を焼いているのに、言語の違う、表記体系の異なるところはせめて門前で他所へやっておいてあとはただひたすらに同音異義語や文中の要素の区切り輪郭の文法的解析の部分に専念してあげられるように下ごしらえしてやってあげることが理想の物理配置にできる最も重要な力の見せ所なのではないでしょうか。
予測変換やインクリメンタルサーチに限らずそれ以前の根源的な構えとして[かな/英]の字種完全分離の方策は、ありとあらゆるところでしなやかに文字列処理をする上での強力な骨格になっているものであると改めて思うのでした。

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