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「でにをは」別口入力・三属性の変換による日本語入力 - ペンタクラスタキーボードのコンセプト解説

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メイドインアビスの言語センスが素敵すぎるので

2022-07-02 | Yahoo!リアルタイム検索アプリで調査

調べてみました。

スパラグモス:
ボンドルド卿のかっこいい技名その1なんですがこれも原典を探すとなかなか含蓄が深い絶妙のネーミング…作者のつくしあきひと氏は一体どこから紐解いたのか。
肘から発射される光の刀剣が鮮やかなこの名の由来は豊穣と酩酊の神デュオニュソスに生贄の牛や羊を八つ裂きにして捧げる儀式の事とのことなんですがここの語釈(ルビ)として振られる翻案フレーズが「枢機へ還す光」。
もうかっこいいですよね。常人には理解不能なボンドルド(or作者)の深層意識が現れているように思います。

ギャングウェイ:
これもボンドルド卿のかっこいい技名その2。ギャング(港湾労働者の一団)が陸から船へ渡るために用いる橋のことである。とのこと。これが転じて
「道をあけて」「どいたどいた」となるのが遺物命名のロマン。仮面から放たれる無数の屈折したレーザー光の語釈(ルビ)は「明星へ登る」。狙った対象に必ず当たる光線。なんと必中の属性をそなえているのです。

上昇負荷:
アビスの呪いの過酷なことの一つに上昇負荷があります。降りるにはいいけどいざ上がって戻ろうとすると体に不調・異変をもたらすアレであります。
この上昇負荷という言葉になぞらえて、twitterの闇や深層から戻るとき、あるいは投資や為替などの値動き、映画などを見終わって現実に帰るときなどに自嘲的に用いられる用法も一部でみられるのは興味深いところです。

成れ果て:
成れ果てというのは動詞の連用形が転じて転成名詞になったものと思われますがこれと同じように末尾タ行で転成名詞になれそうなものと言えば「2本立て」「さや当て」くらいのものでしょうかなかなか文法的にも面白い言葉だと思います。
しかし気になるのはアビス6層にある「イルぶる」、通称”成れ果て村”では村独自の言語・文字が使われており、表層の街・オースの言語とは大きく異なる文法が適用されている…このくだりを見つけたときには胸が躍りましたよ。
アニメ版・劇場版でしか見ていないので先の展開はわからないのですが言語スキーにとってもその詳細設定や語彙・語法の組み立てに刮目せずにはいられない要素でありそうです。展開が楽しみですね。

白笛:
〇〇の剣や△△の宝物みたいなものではなくてホイッスルは知覚用具でもあり警報・注意引きのツールでもあり、ハーメルンの笛吹き男みたいに扇動・教導のシンボルでも成り立つ、そしてさらには赤笛、蒼笛、月笛、黒笛、白笛のように探窟家の階級章としての呼称シンボルと同時に証としての物理的なレガリアとしての実体…
笛はこうしてみるといろいろ喚起イメージが広がっていてマルチなところがとてもいいですね。
物語としてもいろいろな色彩や魂の織り成すタペストリーとしてますますその意味合いが深化していくところが見どころでもあり、この作品の魅力でもあります。

地臥せり:
先ほどの動詞連用形からさらにひねりを加えて古典文法の「完了・存続」を意味する助動詞の味付けが名詞化された稀有な例だと思います。
「り」「たり」を使った文としては「幽霊の正体見たり枯れ尾花」とか「自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり」ぐらいのものしか挙げられませんがどれも用言止めなのに対し、
どんなメカニズムなのかはよくわかりませんがとにかくこれは体言・名詞使いされている「地臥せりによって発見された」などまぎれもなく名詞ということ。
一説には山野で落ち武者狩りなどを行う武装した民衆の呼び名、野武士/野臥または「野臥せり」と同じ類推によって生み出された造語だという説もありますが面白い言語現象であります。

度し難い:
形容詞で目新しい語彙というのはとても新鮮です。
「救いようがない」「どうしようもない」「道理を言い聞かせても分からせることができない」などの意味で使われている言葉なんですがよくこんなマイナーな語彙を一般化してしまいましたね。
優れた創作物っていうのは、このようなつい使いたくなるようなフックのある語彙を召喚する、あるいは再発見するスキルに長けているものだと思います。まったく度し難いアニメですね。

黎明:
この言葉はすっかり市民権を得ている言葉ですよね。最近じゃエンタメ作品に引っ張りだこな漢字であります。フェチ心をくすぐる漢字っていうのでしょうか。
火の鳥にはじまり、鬼滅の刃、薄桜鬼、アイドルマスター、サモンナイト、バトルスピリッツブレイヴ、アカシッククロニクル、Fate/Grand Order、十二国記、彩雲国物語、魔法使い黎明期、黎明のアルカナ、、少女病、陰陽座、SIX LOUNGE、ジャニーズWEST、そしてメイドインアビス 深き魂の黎明 と。
(個々の詳しい作品/章名/エピソード名、曲名、パッケージ名等の説明はここでは割愛)
うわっ、日本人、「黎明」っていう言葉が好きすぎる…。つぶやき数も609ポイントでもちろんトップでした。

パパ棒:
この言葉のくわしい意味についてはプルシュカちゃんに聞いてください。

そす:
通称「成れ果ての姫」という異名を持つ新キャラのファプタですが現時点で私はアニメ情報でしか情報を得ていないのでこのキャラクターの人となりがよくわかりません。
とにかく語尾に「…そす」というのをつけるのが特徴的なしゃべり方らしいのですがちょっと脱力感があってかわいいキャラ語尾ですね。
検索語としてはノイズも拾っちゃうのではないかと躊躇もありましたがそれほど気になるレベルというほどでもなかったので結果オーライですそす。
結果は堂々3位の413ポイントのつぶやき数でありました。
うーん、「メイドインアビス 烈日の黄金郷」ますます楽しみそす。

-------------

…以上で長ーい解説は終わりなんですが今回は肝心のYahoo!リアルタイム検索アプリのスクショをどこにもってくるかあれこれ試行錯誤した結果、中盤と最後にどーんと置いておくほうがデータを見る余韻が読者さんに残ると思ったのでちょっと変則的な構成でお届けしたいと思います。どうぞご容赦ください。
…まあ肝心の調査項目を発表しないと始まらないんでまずはこちらからドーン↓


改めまして、今回の調査はYahoo!リアルタイム検索アプリを用いてメイドインアビス作品でちょっとフックのある言葉の端々を解説しつつ、
それぞれピックアップされたワードの一日でつぶやかれたツイート数の推移・結果を一覧してみようという好評のシリーズ企画であります。

まずこの調査データは2022年6月30日から2022年7月1日の24時間で計測したツイート数であります。
第2期の放送開始を7月6日に控え、twitter界も新作の話題でもちきりになるのは目に見えておりますので、公正なつぶやきボリュームをサンプリングするのにあえて"嵐の前の静けさ"である放送前の話題状況を調査することといたしました。
それに歩みを合わせるように、劇場版「メイドインアビス 深き魂の黎明」のオンエアも地上波とBSで直前に相次いで放送されるので影響は必至です。
読者の皆様も、放送前の話題性と放送後の話題性を合わせて比較出来たらより興味深いデータが得られるかと思いますのでまずはご注目ください。

さんざん煽っておいてナンですが、この作品をまだ見たことがないという方は心に準備というものが必要になりますがぜひ見ておかれることをお勧めします。
ネタばれなしで初見できたという方がいらっしゃればまさに幸せというよりほかありません。
昨今の情報化の弊害なのか、知りたくなくてもうっかりネタバレを食ってしまうことが往々にしてありますのでできればまだ情報があふれていない今のうちにお時間があればご検討をどうぞ。
作画もシナリオも音楽も声優陣もすべてがハイクオリティ、こんな良作に巡り合えることは10年スパンで考えてもそうそうない作品であります。
まあ、始まる前からあれこれ御託を並べるのも無粋というものですので今記事はそろそろ締めに入らさせていただきます。

それでは今回の調査結果です↓

調査期間:2022年6月30日-2022年7月1日

1.スパラグモス           6
2.ギャングウェイ          3
3.上昇負荷            64
4.成れ果て            95
5.白笛             539
6.地臥せり            3
7.度し難い           271
8.黎明             609
9.パパ棒             22
10.そす             413

調査は以上でした!

 

 


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ウォークマンとiPodの一騎打ち:つぶやき数比較

2022-06-30 | Yahoo!リアルタイム検索アプリで調査

この前、ユニクロでパーカーを購入しました。
そのパーカーを着て先日電車に乗った時、いつものようにウォークマンを
聞こうとイヤホンを耳にしたものの何も聞こえませんでした。
電池が切れたのかとしばらくそのままにしてると、前に座ってる女子高生達が
どうも俺の顔を見て笑ってるような気がしました。
「まぁいつものこと」と思いながら、ふとイヤホンを外すと、
俺がイヤホンだと思ってたものはパーカーのヒモでした。
パーカーのヒモの先っぽの丸結びした部分をずっと耳に入れていたのでした。
その時は何もなかったようにイヤホンに付け替えましたが、
家に帰ったあと、そのパーカーを脱ぎ、しんしんと泣きました。
(初出2005年7月25日/2chのとあるスレッド/vqbmxnTV0さん)

人間の科学力はとうに神の力を超えた だから信仰は失われていくの 神の力じゃ1000曲以上の曲を持ち歩くなんてできないもの ああ、iPodが欲しいわ
(初出2012年3月25日/twitter/諏訪子botさん)

・・・
私の好きな2大DAP(ウォークマン・iPod)ネタのお気に入りコピペを貼ってみました。心が和みますね。
さてまずはこちらをご覧ください↓

ご好評にお応えして、「どっちが多いの?ウォークマンとiPodのつぶやき数」をYahoo!リアルタイム検索アプリでまたまた調査してみました。
今回は「7月1日のウォークマンの日」を記念してシンプルにライバル対決、
ちょっとシンプル過ぎるので少し話が盛れるようにGoogle検索結果の比較もトッピングします。

<Google検索結果>
「ウォークマン」約 6,520,000 件   652万件
「WALKMAN」約 15,900,000 件     1590万件
「iPod」約 491,000,000 件   4億9100万件

はい、検索のほうはさすがのiPod、貫禄の数字でウォークマン(カナ文字/アルファベット表記)ともに大差をつけて存在感を誇示しましたね。
これを踏まえまして国内Yahoo!リアルタイム検索アプリにおける、1日のツイート数はというと
結果↓

調査期間:2022年6月19日-6月20日

1.ウォークマン         542
2.iPod             585

という結果でした。

43ポイントの僅差で勝利したのはiPod! おめでとうございます!
それにしてもソニーも健闘しましたね。両者の話題性は国内ではほぼ拮抗しているといってもいいでしょう。
音楽を身近にしてくれて、ライフスタイルや文化にまで革命を起こした歴史的ガジェット。
ウォークマンが誕生して43年、初代ipodが誕生して21年、時の流れは早いものですがお互い良きライバルとして切磋琢磨してここまで音楽文化というものを盛り上げてくれたことにはもう感謝しかないです。

5月10日にAppleから「iPod Touch」の販売を終了するとの衝撃的な発表がありました。
サブスクやスマホの普及などマーケットも目まぐるしく変化する中で、携帯オーディオ市場は今後どうやって活路を見出すのか行く末が大変気になります。
今回の調査はそれから1か月後の6月ではあるのですが思ったより販売終了のニュースはもう一巡していて、すっかり日常のつぶやきが大勢を占めておりました。
好きなアーティストや夏曲のことだったり、ランダム再生させたら驚きの選曲が飛び出してきてみたり、間違ってプレーヤーごと洗濯してしまったなんて失敗談も…。
中でも気がついた特徴というのは、さすが歴史が長いのか、「懐古エピソード」が多く見られたということであります。
中学の時姉のお古のウォークマンをもらって背伸びしてイケてる音楽を聴いていただとか、押入れを整理していたら出てきたiPodの選曲が高1のあの頃を思い出す…みたいなのとか。
肉親・友達・恋人そしてあの場所この場所、かけがえのないあの一時…それらをつなぐ思い出の結晶体としてまさにDAPが存在しているのです。
若い子はウォークマンなんて知らないなどと言われていますが「あの頃のライフスタイル」を知らないだけで、現代においてもやっぱり偉大なる音楽文化は認知・継承されている風な感じを受けましたよ。

とにかく、iPodやウォークマンに関して、みなさん思い思いの言葉がありましたし、熱量も感じました。
若い時は感性が豊かなのですから、もっともっといろんな音楽を聴いて審美眼を養って、さらにコミュニケーションツールとして共有できるすばらしい財産を育てていってほしいと思います。
それに音楽は「ながら作業」しながらでも聴けますからね。多忙な今の時代にぴったりだと思います。

今回の調査は以上でした。

これを機に新たに「Yahoo!リアルタイム検索アプリで調査」というカテゴリを設定して過去記事、今回の記事等集約して独立カテゴリとして育てていこうと思います。
今後も、気になる言葉や話題がありましたら随時とりあげてみたいのでこのカテゴリの新規記事にご注目ください。
お付き合いありがとうございました。

 


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品詞界一のかしこ・形容詞は入力上の扱いがそんなに甘~ない

2022-06-28 | 形容詞研究

形容詞(イ形容詞)は形態上いろんなバリエーションがありすぎてさすがに別口入力を備えて文法的定型動作に組み込もうとしてもなかなかそうは問屋が卸しません。
先の配列改善案で形容詞連用形活用語尾「く」の別口入力入りという博打に打って出ましたが時すでに遅し、形容詞関係の見通しの据わりの悪さにはほとほと手を焼いています。

形容詞活用はもともと別口入力の追加候補として検討に至ったこともあったのですが形容詞のすべての「い」にいちいち別口入力を必須とするのも煩雑で現実性に乏しく、
別の形容詞:ナ形容詞については生産力も旺盛でカタカナ新語のナ形容詞の生み出される素地というのが大きかった(コアな・損な等書き分け便利)のでその陰に隠れて造語新語の見込みも少ないイ形容詞へのケアは後回しとなっていました。
しかしタッチ液晶サジェストでの規定フレーズ予測変換との相性が良いことがだんだんわかってきたのでとりあえず連体形/終止形への受け皿はタッチ液晶がこなすこととして別の活用形:
連用形「く」を最前線に格上げして別口入力のまな板にのっけていこうとの目論見で様子を見てみようということで思考実験がてらその運用考察をしております。
活用形「い」の導入をあれだけ躊躇していたのにいざタッチ液晶で活躍の見込みが与えられると「なんだいっ、連用形『く』にだって使い道ってものがあるんだいっ!」ってな具合にやせ我慢したくなるものだから創作の世界ってのは不思議なものであります。
「く」がらみの詳しい解説はまたあとであげていきたいとは思いますが
大雑把に言うと連用形は連体形よりも後続の叙述展開の開放度が高い=先が予測しづらい
ために構文解析上の何かヒントになるようにマーキング要員としてぜひご活躍いただきたい、ひいては通常変換のプロセスにおいて「副詞(≒連用修飾語)の検出を優先的に着手する」という方針とも合致するので分解能向上に寄与するのは推して知るべし、なのである。
…という理屈の要請に応えてのことであります。

ただし、連用修飾検出のためだけに貴重なリソースを割くのは"ぜいたく使い"と言われかねないので
マーキング識別子の利点を生かしてさまざま雑多な形容詞のややこしいバリエーションになんとか喰らいつけないか…?との試みでいろいろ機能を模索しています。

まず変換泣かせの形容詞の形態として難題の「イ落ち構文」への対応策があります。
「イ落ち構文」とは
高っ/低っ/重っ/安っ/細っ/薄っ/臭っ/近っ/強っ/弱っ/ちいさっ/すごっ/肩身狭っ
などのように形容詞語幹単独用法ともよばれておりますが、形容詞を活用語尾まで言わずに語幹の部分で言い切る語法とされております。
これらの語は従来のIMEでもすっきりしない変換プロセスでもあり(単漢字変換じゃないと出なかったり)特に短尺のものは他の変換解釈と混線をして悪さをするイレギュラー要因でもあります。
これをたとえば
かる[く]っ ※くは別口入力 
のように入力して、タイポはともかく形容詞という情報は与えられているので変換出力を拡大解釈して
かる[く]っ→軽っ
のように柔軟に変換してやろう、というアイデアであります。

もちろん
軽くったって夜食は夜食
みたいに本則で妥当な変換は第一候補にあげるとしても
区切れ目の軽はおそらくこれでだいたい用は足せるかと思います。これもマーキングの恩恵です。
併せて言うと「駆る」「刈る」「狩る」等の動詞活用の語も除外できるのが自慢です。
楽観的な見通しでありますが、関西弁に特徴的な
あーしんど
ダサなっとる
世の中そんなに甘ないで
良うございます
お暑うございます
などの変化も、場当たり的な登録辞書の収録ではなく文法機能でもって変換を規定することができる日もくるかもしれません。

…まあうまくいけばの話でありますが形容詞はもっともっと思ったよりハードルが高く一筋縄ではいきませんね。
口語でくだけた形の言い方にも
固ぇ・広ぇ・悪ぃ・凄ぇ・古ぃ・強ぇ・かっけぇ・だっせぇ
などは語幹も含めて変化しているのでどうにも始末が悪いです。
これはすぐには解決策が見つかりそうもないのでのちのち俎上に載せていきたいと思っております。

補足的な観点で言えば機能形容詞のようなもの
ぽい、たい、よい、ほしい、みたい、らしい
などの境界領域で、あえて[く]マーキングをほどこして文法構造をはっきりさせる、誤変換誘発要因を軽減させる
などの試みも課題の一つでありますね。
-----------------------------

さてここまでは形容詞の活用という面から変換に関与できるかどうかを探っていきましたが、
生産性の面から言っても無視できない
複合語構成要素=接辞あるいは造語成分
としての形容詞語幹の使われ方にも注視していかねばなりません。

これはペンタクラスタキーボードにおける造語/未知語へのクイックアクセス手段として
新カテゴリ「[Ø]活用と単漢字変換の打開策」 - P突堤2
の過去記事でも提案している
「[の][の]代表変換」「トランス音訓変換」
の手法を援用して形容詞語幹を含む合成語・複合語を形成していくプロセスについて説明せねばなりません。

トランス音訓変換のほうで説明しますと、この提案作法は漢字を多く含む創作語あるいは未知語をタイプするのに難儀していた文字選択を
従来の単漢字変換の枠組みをもっと拡張して音読み/訓読み行き来自在のトランス音訓マッチをほどこすことにより
同音で埋もれやすい漢字の当て込みを訓読みや別の熟語からの代表字というのを設定してすばやくアクセスできるようにするというものであります。
重要な点は単に[よみ-変換単語]だけの対応関係=2項参照ではなく
[全体としてのよみ-訓読み可能性当て込み-音読み熟語からの代表字の可能性当て込み]=3項参照のすりあわせ
で未知語複合語を、ユーザーとの綿密なやり取りによって一からビルドしていこうというインターフェイス上の工夫です。

例として呪術廻戦に出てくる用語
「蝕爛腐術(しょくらんふじゅつ)」
というのを初見でタイプしたいときには

1.まず変換前の読み文字列「しょくらんふじゅつ」をタイプする
2.新設の②キー(登録ワンタッチキー)を押してここまでの文字列に着目・捕捉動作をする(それと同時に単語登録プロセス開始)
3.捕捉した「しょくらんふじゅつ」を読みとしてちょっと二度手間だが「蝕」「爛」「腐」「術」をあてはめていきたい
4.むしばむ[の][の]で変換すると「蝕む」ではなく送り仮名のない「蝕」が代表変換されて一文字目がタイプされる
5.けんらん[の][の]で変換すると「絢爛」のうち「爛」の字だけが代表変換されて二文字目がタイプされる
6.くさる[の][の]で変換すると「腐る」ではなく送り仮名のない「腐」が代表変換されて三文字目がタイプされる
7.じゅつ[の][の]で変換すると「術」がそのまま変換されて四文字目がタイプされる
8.「じゅつ」まで使い切ったので読みの文字列はこれ以上ない、終端部分と認識して同時に
  読み:(しょくらんふじゅつ)、単語:(蝕爛腐術)のデータが紐づけられて単語登録が終了

…以上のようなプロセスで入力していく方法です。
インターネット上あるいはビブリオ界では常に新語・造語・新概念が生み出されており特に漢語複合語のタイピング作法には常々不満を持っていましたが
個々の単漢字へのアクセスの手段を拡充しインデックス回遊性(引き出しが豊富)を高めることでわれわれのこだわりの言語欲求にも応えてくれそうな新提案ではないでしょうか。

もちろんこれに複雑に絡み合うのが三属性変換の接尾辞変換を受け持つハ万の変換キーなのでありますが
今回の形容詞語幹の問題はなにも接辞派生語の語構成ばかりではなく
冒頭の画像にもありますように
驚安(きょうやす)をはじめとしてコク旨や地味ムズ技、胸熱、甘ロリ、期待薄、懐ゲー
などなど完全には接辞的でないところでの漢字使用などもあります。
あとは
ぬるゲーマーやかゆうまなどのようにひらがな語片として保持したい表記上のわびさびを必要とする形容詞変換や、
お薄、お古、おめでた、おねむなどのように接頭辞「お」の付属した体言化した形容詞の変換など
ときに三属性変換、ときにトランス音訓変換などのように適用場面を使い分けながらタイプしていく"プランB"があってもよいと思います。
このへんの細かいチューニングはトランス音訓変換のさらなる修正が求められる懸案であるとともに互いの機能が干渉しあわないように受け持ち領域の境界を明確に定めていくことが必要になってくるでしょう。
漢字断片入力のときには形容詞終止形からだけしか当て込みピースを投げれないということにすると
「若」を出したいときに「わかい」から導くようにさせてしまうと「和解」と「若い」で衝突してしまう例もあるのでここはやはり別口入力[く]のマーキングを添える形のほうが混乱がなく賢明であるかと思います。

以上で今回の論説は終わりです。

もうそろそろ、

みたいな不合理をなくす入力方式が切に求められることを感じずにはいられないぴとてつでありました。

 

 


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こころがぴょんぴょんするキーボードはいかが?

2022-06-20 | ごあいさつ・お知らせ

うれしいことにRetro-gaming and so onさんからリンクをいただきまして
ペンタクラスタキーボードの基本コンセプトを見ていってくださる方が何人かいらっしゃいました。

しかし改定作業がままならず現在お見せしているキーボード配置図はちょっと古いものなんですよね。
いちおう今の暫定最新配列は

独自方式キーボード刷新 ここに極まれり - P突堤2

に載っけてありますので液晶面の微調整・配列の進化とともにご覧いただけると嬉しいです。

盤面の詳しい解説は後程ゆっくりしたいと思いますがざっくり趣旨を説明いたしますと
別口入力キーが増えたよ!というのが一番お知らせしたい変更点であります。

別口入力とは日本語入力において助詞を個別に入力・マーキングすることによって、ぎなた読みみたいな区切りの混線や「見えるか/見える化」みたいな短文字助詞が接辞と混線するような事態を劇的に回避することができるギミックです。
当初の配列案に比べて改良した点は
・新たにテ形助詞「て」を採用した
・新たにサ変動詞まわりの便利キー「し」を導入した
の2点の変更点です。

接続助詞「て」に関してはもともと格助詞別口入力の「で」をさしおいてナ行バ行マ行…撥音便になるグループの動詞のテ形が濁って「で」になる文法上のアヤが無用の混乱を招くとの判断からコンセプト創出当初は採用を渋っておりましたが
テ形の重要性に気付き熟慮勘案の上、音便形「で」は別口入力なくともべたかな文字列として読み下し、本来の格助詞の「で」だけを片務的に別口入力検知することでようやくの決着をみました。

サ変動詞まわりの便利キー『し』については
特にサ変動詞連用形に絡む誤変換(例:長野検索し/長野県佐久市)を回避したり
「長押し」⇔「長尾氏」のようにサ変でなく五段動詞であっても打ち分けに重宝したりするので「※サ変専業キー」とはせずに「便利キー『し』」というぼやかしたフレーズで取りまわしていく方針にしました。
やたら横文字の長いカタカナ語のサ変動詞への対応や、(知覚し冗長さをおこなう/近く市場調査をおこなう)みたいに連用中止法がらみの「し」の誤変換を未然に防ぐ手当てとなると思います。

ほかにもべたかな文字の配置割り当てを一部変更したり「わ」のキーの位置もなぜか別口入力ゾーンの盤面手前にもってくるなどしました。(連接頻度と運指を考えての判断です)
さらにインターフェース上の野心的な試みとして盤面中央に[粒シフト][際シフト]というのをどーんと据えてみました。
細かな挙動設定についてはまだ練っている最中でありますが、別口入力を骨組みに組み立てていくとチャンク選択時などは別口部分にはフォーカスが当たらずに飛び石的に範囲選択をして無干渉地帯になることによる弊害を憂慮して
あえて別口マーキング部分を削除編集したいときにフォーカス手続きをするのがこの際シフト(キワシフト)であります。

粒シフトについてはまだくわしい構想は固まっておらずこれからの可能性を探っている最中であります。
いろいろややこしい機構をぶち上げてはみましたが盤面の限られたスペースをなんとか寄せ広げながら新機能キーの場所を確保するのには一苦労でした。
とにかく脈がありそうなインターフェイス上の仕掛けをふんだんに盛り込んだひとつの到達形なのではないかと自負しております。


最後にペンタクラスタキーボードの配列はわかったからWEB上にある様々な配列をもっと知りたい!っていう方がおられましたら
誠に恐縮で、よそ様のブログなんですけれど情報濃度の濃い良記事をブックマークしておきました。
ご興味のある方は↓のリンクから飛んで行ってみてください。まったく他力本願ですいません。

2019配列沼マップ的なもの - ゲーム以外の雑記(井上明人)

(こちらはペンタクラスタキーボード プロトタイプ図案)

 


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Yahoo!リアルタイム検索アプリを使ってまたまた調査!

2022-06-18 | Yahoo!リアルタイム検索アプリで調査

…いや、twitter自体はやっていないんですけれどね。

気になるモヤワードのつぶやき数を比較してみました - P突堤2

にすっかり味を占めて、最近でもちょこちょこいろんな言葉を調べています。
複数のワードを登録、つぶやき数をよーいドンで経時変化を見るというものでありますが
これが意外と量れないボリューム感を比較できて新鮮なのです。
今回選びだしたワードはこれです↓

今回のは思い付きなので急ごしらえでワードのチョイスもムラがあって統一性も乏しいのですが
それはそれ、言葉への投資の気分でつぶやき数の推移を楽しんでいます。
もし好評なら次回はウォークマンとipodの一騎打ち:つぶやき数比較なんかもやってみたいと思いますのでご期待ください。
今回の調査はその露払い記事だと思って軽い気持ちで読んでいただけると嬉しいです。

リサーチ結果はこちら↓

調査期間:2022年6月17日-6月18日

1.iDeCo            462
2.OBS             999+
3.アービトラージ         24
4.フリップ芸           30
5.普請              29
6.片務的             1
7.ググラビリティ         2
8.マニ車             22
9.言語学            369
10.検索避け           740


iDeCoは貯蓄から投資への動きが加速する中で注目されている資産運用型の個人向け年金です。
ここ数年話題にもなっていますしインフルエンサーのひろゆき氏もたびたび取り上げていることで認知も高まっているトピックですね。
堂々の462ポイント獲得、納得の話題性です。

OBS(Open Broadcaster Softwareの略)とは、PCでライブ配信する際に使用するソフトです。
まさかのぶっちぎり999+ポイントでもちろんトップ。Youtuberの裾野はこんなにも広いのかライブ配信界隈がこんなにも盛り上がっているのには驚きました。

アービトラージ(裁定取引)の意味は、同じ価値を持つ商品の価格差を利用して、利鞘を稼ぐ取引のことをいいます。 
思ったよりつぶやき数が伸びませんでしたが投資専門用語というよりも比喩として一般化して
商圏や統御のゆがみに付け入って不当利益を得る風な構図に抽象的に使われる機会がもっと増えればいいなーという期待を込めて採り上げました。

フリップ芸はもうすっかり確立された芸のスタイルでありますが、議会や国会などでテレビ受けを狙ってやたらとフリップを使いたがる芸風の政治家を揶揄してこう呼ぶ用法もあります。
実はペンタクラスタキーボードではライブタイピング文字配信みたいな展開ができればいいなぁと密かに考えていたので前出のOBSやこのフリップ芸などのチョイスも全くこのブログに脈絡がないわけではないのです。

普請(ふしん)はこれもまた歴史を紐解く文脈だけでなく最近はソシャゲ・スマホゲームなどでのカジュアルな使用例もちらちら見るようになってきました。
手前味噌ですが「ご普請プレイリスト」みたいに全くのモダンな分野にも転用的に使えるようなポテンシャルを持った言葉だと思いますので今後ももっと推していきたいです。

片務的は最近やかましい政治トピックの用語で敬遠しがちなのではありますが「相互主義」に相対する言葉として今後この言葉のプレゼンスが増してくる気配を感じます。
我々は当然の前提として等価交換・相互主義が通じるものだと思ってきましたが実際の世界では一方的に片務的に非対称的にアンマッチ的に事が進む、「無理が通れば道理が引っ込む」事が常態になってきていることのほうが多いのではないでしょうか。
最近では「ロジハラ」という言葉もありますし、「何を言ったかではなく誰が言ったか」みたいな世情もあり、論理の力が軽んじられる昨今の風潮にはとても憂いています。

ググラビリティは最近曲目列挙記事を連発したせいでG様にスパムとみなされて急激にググラビリティが低下するというわが身にしみる頭の痛い言葉であります。
要するにグーグル検索のされやすさのことです。でもG様の検索結果は大手優遇・権威優遇になってしまい弱小ブログ民には肩身の狭いスフィアとなってしまいました。
それでも意外性を探す旅に出るためにこの言葉を検索します。

マニ車(まにぐるま)はチベット仏教のユニークな仏具で
でんでん太鼓みたいな筒状の持ち手にありがたいお経(マントラ)が刻まれており回転させた数だけ経を唱えるのと同じ功徳があるというものであります。
この「自動的に功徳が積める」というのが楽チンでずるい気もしなくはないのですがそんなメカニカルな機構と信仰が融合しているのには近未来的なガジェットにすら感じてしまいます。
余談ですが「天駆せよ法勝寺」という仏教とSFが融合した小説にも出てくる宇宙ロケットと化した巨大な仏塔「法勝寺九重塔」の推進力も「交響摩尼車群の高速読経による佛理学エンジン」との設定でとてもぶっ飛んだ"マニ車SF"となっておりますので興味のある方はチェックしてみてください。

そして言語学ももちろん調査対象であります。これは言葉の動向を探る当ブログでは外せない分野でもありますしこの言葉をベンチマークとして定例メンバーとすることによって
前回の調査からの引き続きの変化を探れるので複数回の調査でもあえて外さずに残しておくものであります。
「ゆる言語学ラジオ」のヒットにより年々世間の関心も高まっているためか今回も高水準のつぶやき数がみられていて私もとてもうれしいです。

さいごの検索避けは急遽リスト入りさせた言葉なのですが当ブログでもたまに言及している「ブログ界のエコシステム」「コンテンツとユーザーを結ぶ導線」について考察していくうちに
検索避けという独特の文化が一定数存在する、また望ましくないユーザーからの流入接触をいかに軽減するかというのがその界隈の人たちにとっては切実な問題なのであるということを知ってハッとしたものであります。
自分自身まだ理解が浅いと感じておりますし今後定点観測的に情報を集めてユーザー動向に注視していきたいと思っております。


…さて、今回はこれら10個のワードについて調査しましたが、いかがでしたか?
YouTuberやTikTokのような動画文化圏のほうからの属人的ワード・強い言葉というのは避けて
テキスト文化圏、ビブリオ文化圏の親和性が強そうな言葉を意識して選んでみました。(まあ動画関連の言葉もありますけれど)
最近のネット流行語大賞なんかのノミネートされる言葉は泡沫的な言葉や時事問題的な言葉も多くて、それはそれでいいのですが、
もっと言説の論理構造や言い回しの素材として包括的に展開できる言葉、個別具体的な言葉よりも喚起力の強い"ひらけたワード"というのを自分なりに判断・収集していければいいなと思います。

今後もことばスフィアの玉石混交の中からアンテナを張り巡らして、

そして言葉自体の俯瞰をこころみる「メタことば」の視座への意識を常に持ち続けながら
インターネットの言葉の海へDIVEしていく所存であります。

今回は以上です。ありがとうございました。

 

 


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