昨日のガンバ大阪戦の前に、スポーツ医学センター1Fの大研修室で「サッカー講座」が開かれました。昨年はなかなか参加できなかったサッカー講座ですが、「今年はできるだけ参加してサッカーを勉強したいなぁ…」という思いを今年のボクは持っております。今回の講師は、昨年は徳島ヴォルティスの監督を務めJ2に徳島旋風を巻き起こし、かつては京都サンガの監督も務めていた、あのヒゲでお馴染みの美濃部直彦氏でありました。
久しぶりに参加したサッカー講座は、期待通りのすばらしい内容でありました。ヒゲの美濃部さん、ちょっと軽いところもありますがなかなかおしゃべり上手で好感が持てます。しかも、さすがJリーグで監督を務めるだけの人材です。話されることに肯くことが多かったです。ただ、選手の名前を覚えることは苦手なようで、イ・グノやブルーノ・ロペスの名前を思い出せず、「あの韓国人」とか「あのブラジル人選手」とかって言っていました。では、美濃部語録の中身をちょっと紹介しますね。
ビッグスワンは新潟のあたたかい雰囲気が伝わるスタジアム。アウェイ側にとっては来たくないスタジアム。あそこで勝つのは難しい。…と長谷川健太も言っていた。
選手には背景を感じながらプレーをしてほしい。プロの選手にはサポーターやスタッフの存在を感じてプレーして欲しいし、アマチュア選手にも仲間や家族の存在を感じ、感謝の気持ちを持ってほしい。
指導では言葉の力を大切にしたい。上から目線ではなく、選手と同じ目線で指導したいと考えている。自分のサッカー観は押しつけない。「自分のサッカーはこれだ」というメッセージは送るが、選手からの考えにも耳を傾ける。そして言っていることをブレさせない。ベテラン選手にも若い選手にも一貫したブレのない指導を行う。
監督の仕事はお金(年俸)と契約年数で決まるわけではない。クラブの考え方、理念、チームをどうしたいのか、先の目標を聞かせてもらい、納得しないと監督は引き受けられない。
監督の仕事は「勝って嬉しい」というより「勝ってホッとする」に変わってくる。「ホッとする」というのは、スポンサーやサポーターの期待に応えられてヨカッタという気持ち。
試合に出られない選手は、「移籍すれば試合に出られる」と勘違いしている。元のチームでも試合に出られない原因があるのに、それに気がついていない場合が多い。だから、移籍しても試合に出られないケースが少なくない。その原因がわかっていない。
サポーターは怖い。自分たちは、サポーターの存在や支えを感じなければいけないと常に思っている。
晴れた日に一緒に歩いてくれる人は多い。しかし、雨の日に一緒に歩いてくれる人こそ、本当に思ってくれる人。サポーターの皆さんからは、雨の日にも、悪い結果の時にも、支えて欲しい。ブーイングをするな、文句を言うな、ということではない。温かな目で、一緒に歩いて欲しい。
監督の仕事は分析である。
黒崎監督は自分のサッカー観を持っている。今年は3年目、勝負の年だが勝てていない。しかし、そんなに気にする必要はない。3年やってますから、監督のサッカーに戻ればいい。勝てるイメージがあるから、スムーズに戻れる。そこがガンバとは違う。
「骨から汗を流せ」「FWはスライディングしてなんぼ」(徳島でのヘッドコーチの言葉を引用)
新潟はサッカー界において、大きな成功の1つのタイプ。多くの地域が新潟をお手本にしている。新潟スタイルを誇りに思って欲しい。子どもや孫が応援をし続ける、そんな新潟のサッカー文化を続けて欲しい。
メモと記憶に基づいて書いたので正確でない部分もありますが、美濃部さんのお話はだいたいこんな感じだったと思います。ボクが特に感銘を受けたのは、上の赤字になっている部分です。「雨の日に一緒に歩いてこそサポーター」なんですよ。3連敗がなんですか、勝ち点1がなんですか。苦しい時こそ選手に力を与えるべく、G裏から熱い声援を送りたい!と、決意を新たにいたしました。
ちなみに、サッカー講座の終わりに質問コーナーがありました。その時、「連敗している時の監督の心理状況はどんな感じですか?」という場をわきまえない質問した人がいましたが、それはボクであります。失礼しました。